北京五輪での日本代表選手たちの活躍を総力特集するムック『フィギュアスケート Life Extra 北京オリンピック 2022』(扶桑社 1,760円)が9日に発売する。

『フィギュアスケート Life Extra 北京オリンピック 2022』表紙を飾る羽生結弦

3連覇の期待を背負って北京五輪に出場した羽生結弦。ショートプログラムで氷の穴にはまるアクシデントに遭うも、フリーでは前人未踏の4回転アクセルに挑み、回転不足ながらも初めてジャッジスコアに「4A」の文字を刻んだ。その羽生のジャンプコーチであるジスラン・ブリアン氏が、今回同誌の独占インタビューに応じている。

ブリアン氏は2014年から羽生を指導。コロナ禍の間も、リモートで4回転アクセルを指導し続けた。昨年の全日本選手権の1カ月半前には羽生から動画が送られてきたという。

「『Check this out』というメッセージが添えられていて。動画を見たら(4A着氷後)立っていたんです。それまで降りたとしても転倒、また転倒、転倒の連続でした。それがこの日は5つほどの動画が送られてきて、彼が立っているんです。もう僕はそこでパニクりましたよ。冗談抜きで、あの動画を見た時、僕は家の中でぴょんぴょん飛び跳ねました。『Oh my god! 立ってるじゃないか!』って。その時からすべてが変わりました」

全日本選手権で羽生が跳んだ4回転アクセルも、ブリアン氏は練習から映像を見たという。

「でも、北京で跳んだジャンプはそれよりもさらに良かった。転倒はしましたが、ジャンプに高さがあったし、飛距離も伸びていたし、着氷もいっそう明らかに片足で降りていました。僕に言わせれば、試合でこれまで誰が跳んだ4Aよりも、あれがぶっちぎりで最高のジャンプでしたね」

同誌インタビューではそのほか、ブリアン氏がどのようにリモートで羽生を指導したのか、彼が考える理想のジャンプ、また羽生へ送りたいメッセージなど多岐にわたって語っている。

また、初出場で銀メダルを獲得した鍵山優真の元コーチ・佐藤操氏のインタビューでは、ローリー・ニコル氏との振付時の秘蔵エピソードや、試合に帯同したコーチしか知らない鍵山のチャーミングな素顔がふんだんに明かされている。

銅メダルを獲得した宇野昌磨と坂本花織の活躍、また団体戦で初のメダルを獲得した日本チームの快挙も、 躍動感あふれる写真とともに紹介。

全128ページにわたって、日本選手たちの演技を写真と文章で振り返るとともに、ペア、アイスダンスも含めた全カテゴリーの記録を掲載。フィギュアスケート専門誌ならではの視点と取材力で感動の北京オリンピックを伝える、完全保存版の一冊となっている。