2021年に新語・流行語大賞にノミネートされ、近年関心が高まる「フェムテック」。生理や更年期など、女性特有の悩みをテクノロジーで解決するプロダクトやサービスを指す単語だ。今回はフェムテックイベント「FEMTECH ZONE」に潜入し、今注目のアイテムやサービスをチェックしてきた。

  • 家庭用膣ケア器「yoniCARE」

2月8日~10日に開催された、健康業界の企業向け展示会「健康博覧会」内で、ウーマンズが開催したフェムテックイベント「FEMTECH ZONE」に潜入。200以上の製品やサービスが集結する中で、今回は「膣」にまつわるアイテムに触れていこう。

人前で話すには少し抵抗感がある内容だが、「膣」は女性たちの健康と密接な関りを持つ部位でもある。膣洗浄器やプレジャートイなど、膣を鍛える・労わるアイテムは思っている以上に幅広い。ここでは各種抱える症状やお悩みとともにプロダクトを紹介していく。

yoniCARE(ヨニケア)

見た目はヘアアイロンのようで一見、膣ケア用品だとは思えないが、こちらは「HONMONO」が手掛ける、家庭用膣ケア器「yoniCARE」。赤色と青色のLEDライトが膣内を照射し、膣の緩みケアや膣内環境のバランスを整えてくれるという。

  • 家庭用膣ケア器「yoniCARE」

赤色のレーザー機能は、膣壁の弾性繊維や膣周辺の筋肉に刺激を与えて膣のゆるみをサポート。一方、青色レーザーは膣内の粘膜に適度な刺激を与え膣の中の環境を整えていくそうだ。

  • 赤色と青色のLEDライトが膣内を照射し、膣の緩みのケアや膣内環境のバランスを整えてくれるという

また、搭載されているバイブレーション機能は、膣の感度を高め、性生活の向上などを目的としている。スタッフの方いわく、自宅で10分・週に3回程度が推奨とのこと。

eKegel(イーケーゲル)

産婦人科医監修のもと韓国の医療機器メーカーと共同開発された、「eKegel(イーケーゲル)」は骨盤底筋トータルサポートアイテム。アプリに接続して骨盤底筋(インナーマッスル)の状態診断や膣のエクササイズ、マッサージが行えるというものだ。

  • 「eKegel(イーケーゲル)」

女性は出産や閉経をはじめとしたさまざまな要因によって、、骨盤底筋がゆるみやすくなる。それにより、尿もれなどのトラブルを起こしてしまうことがあるのだが、膣トレを行うことで骨盤底筋が鍛えられ、尿もれ改善にもつながるという。

  • 画面に映っているハチのキャラクターが膣の収縮によって上下するゲーム

個人的に興味深かったのが、膣の収縮トレーニングにアプリゲームを用いること。収縮にあわせてキャラクターが動き、ゲーム感覚でトレーニングが行える。また、カレンダー機能もついているので、トレーニング履歴やゲームの獲得ポイントなども記録してくれる。タブレットやスマートフォンで管理ができるのも便利なポイントだ。

ミライカラーズ

ラブグッズの輸入代理店「ミライカラーズ」のブースでは、膣トレアイテムをはじめ、プレジャーアイテムがずらり。近年「性における健康」にも関心が高まり、女性のセルフケアとしてフェムテックの1つである「プレジャーアイテム」にも注目が集まっている。

  • 「プレジャーアイテム」がずらり

膣トレアイテム「NOVA Ball」は、3つの異なる重さのボールで、自身の膣圧に応じて使い分けることができる。華やかなショッキングピンクが非常に印象的で、一目みただけでは何のアイテムかわからなかった。

  • 膣トレアイテム「NOVA Ball」

そのほか、カラフルものから、お菓子のような遊び心あふれるデザインなど、プレジャートイのイメージとは少し違ったファッショナブルなデザインが多かった。スタッフの方いわく、人気ナンバーワン商品は、ドイツで誕生したアイテム「Satisfyer」だそう。なんと世界で2500万個売れた吸引アイテムだという。

  • ドイツで誕生したアイテム「Satisfyer」

Fem Clear(フェムクリア)

「Fem Clear」は、管理医療機器の膣洗浄器。膣内のpH値に合わせた弱酸性の透明なジェルを膣に挿入し、膣内洗浄ができる。使い捨てタイプのアプリケーターなので衛生的かつ簡単にケア可能だ。

  • 管理医療機器の膣洗浄器「Fem Clear」

おりものなど不快感等もあらわれやすいデリケートゾーンだが、なかなか膣内洗浄をするのは難しい。そんなときにはこちらを試してみてもいいかもしれない。

  • 使い捨てタイプなので面倒な手間が不要。持ち運びもしやすい大きさだ


「膣トレ」「膣ケア」など、人には話しづらい悩みだが最近は解決策として多くのアイテムが登場してきている。個人的には男性向けのイメージが強かった「プレジャートイ」が、女性にとって手に取りやすいようものになっていることに驚いた。

プレジャートイをはじめ、従来タブー視されがちだったアイテムが、「フェムテック」に分類されることで、イメージが変化しはじめている。そんな変化とともに、女性たち自身はもちろん、社会全体の「性の健康」に対する理解が深まっていくことを期待したい。