識学は2月16日、「中小企業の中途採用に関する調査」の結果を発表した。調査は1月19日~20日、全国の従業員数5人以上300人未満の企業の20歳~59歳の経営者・正社員のうち、直近3年間に自社の中途採用に関わった男女300名を対象にインターネットで行われた。
直近3年間における中途採用の実施状況を伺ったところ、「中途採用を行った」割合は、2019年は83.7%だったものの、国内でのコロナ元年であった2020年は78.7%、2021年は79.7%と8割を切った。
そこで、2022年に中途採用を行う予定があるか聞いたところ、「行う予定」が57.7%、「決まっていないが可能性はある」が26.3%と、中途採用を行う意向のある企業の割合はあわせて84.0%となった。
中途採用の選考で重視することを聞いたところ、「コミュニケーション能力がありそうか」(76.1%)、「協調性がありそうか」(55.2%)、「誠実性がありそうか」(51.7%)が上位に。応募者の能力や経験に関する項目よりも、人柄を重視して選考する企業が多いことが明らかに。
また、中途採用の選考で重視する項目を応募者からどのようにして知り、判断をしているかを教えてもらったところ、回答の多い順に「面接・面談」(92.7%)、「履歴書・職務経歴書」(70.3%)、「試験・適性検査」(31.7%)となった。
中途採用を始める際に採用したい人物像や、雇用条件として社内で設定している評価項目を聞くと、半数以上の企業が「求める人物の人柄・性質」(64.7%)、「これまでの経験・実績」(55.0%)、「持っているスキル・能力」(54.7%)を設定していることが明らかに。入社後に「自社で出してほしい結果」をあらかじめ社内で設定している企業は26.0%にとどまった。
また、「中途採用で入社した社員が期待したほどの成果をあげていないと感じたり、他の社員からそのような評判を聞いたりすることがありますか?」と尋ねたところ、62.7%が「ある」と回答。さらに、中途採用に関わった経験の中で、これまでに「こんなはずではなかった」と感じた経験が「ある」と回答した人は75.7%。
具体的には、「面接では人柄が素晴らしいのに、入社してからは挨拶もできなかったり、コミュニケーションがとれない方で驚いた」「面接時にはやる気で前のめりの姿勢を見せていたが、いざ仕事を始めると不満ばかりを口にしてまともに仕事をしていなかった」「低姿勢な態度だったが入社してから態度が一変した」「大企業からの転職で期待したが、全く役に立たないことがあった」「経験豊富な職務経歴書の内容と実際の働きぶりがあまりにも違っていた」といった声が寄せられた。