LIFULLは2月3日、中部圏版の「2022年 LIFULL HOME'S 住みたい街ランキング」を発表した。調査は2021年1月1日~12月31日、LIFULL HOME'Sに掲載された中部圏(愛知県、三重県、岐阜県)の賃貸・購入物件のうち、問合せの多かった駅名を集計した。

  • 中部圏「買って住みたい・借りて住みたい街」ランキング

    中部圏「買って住みたい・借りて住みたい街」ランキング

中部圏「買って住みたい街」ランキング

中部圏の「買って住みたい街」ランキングでは、2020年には49 位だった「名古屋」(愛知県)が2年連続で1位に輝いた。「名古屋」を最寄りとする住宅は数年前まではほぼ想定できなかったが、2020年に総戸数500戸前後のマンションが2物件分譲されたことを契機に、以降、コンスタントに物件が分譲されている。

次いで、2位に「岐阜」(岐阜県)、3位に「名鉄岐阜」(岐阜県)がランクイン。いずれも徒歩5分ほどの距離に位置しており、事実上1つの街(駅)と考えても差し支えなく、購入希望者の岐阜中心部への関心の高さがうかがわれる。以下、4位「伏見」(愛知県)、5位「久屋大通」(愛知県)、6位「上前津」(愛知県)と続き、中部圏での購入希望者のニーズは基本的に名古屋一極集中という結果に。

一方、前回3位の「茶屋ヶ坂」が今回25位に急落するなど、従来の人気住宅地であった名古屋市東側エリアの人気が、やや低下。名古屋市中心部でのマンション開発などが活性化している上に、核家族化が進行するなど、一戸建て志向からマンションへという流れが定着していることから、今後は大規模マンションやタワーマンションの開発で活性化したエリアがランキングの上位に都度登場することが予想される。

中部圏「借りて住みたい街」ランキング

中部圏「借りて住みたい街」ランキングは、「岐阜」(岐阜県)が4年連続で1位に。同じく、2位「豊橋」(愛知県)、3位「岡崎」(愛知県)も順位を維持し、ベスト3は名古屋市以外の“衛星都市”が独占した。

「岐阜」は、「名古屋」まで快速20分でアクセス可能で、ベッドタウンとして人気となったが、名古屋市内よりも物価や賃料が安価であることで支持がさらに高まっている。駅周辺には、生活するための諸条件がバランスよく整っており、また、大規模開発が行われていないため落ち着いた街並みが残っているなど、若年層だけでなくファミリー層からの支持も高い。以下、4位「新栄町」、5位「春日井」、6位「藤が丘」、7位「塩釜口」、8位「一社」、9位「東岡崎」、10位「中村公園」と続き、1位の「岐阜」以外は愛知県が上位を占めた。

中部圏は首都圏および近畿圏と比べると圏域がコンパクトであり、そのために“職住近接”が実現しやすいという利点が。コロナ禍でも移動に時間や乗り換えなどの負荷がかかりにくく、あえて中部圏の郊外方面に転居するという動機には基本的にはつながりにくいものと考えられるが、それでも賃貸ユーザーが「岐阜」「名鉄岐阜」「豊橋」「岡崎」を多く支持しているのは、専ら生活コストの違いによるものと推察される。