――石田さんは「『結 -MUSUBI-』のために常設の小屋を」とコメントされていますが、実際にその計画が進んでいるのでしょうか。展望含め教えてください。
石田:ノンバーバルコメディの勉強のために韓国に行かせてもらいました。その時に、常設の、その演劇専用の劇場をいくつも見ました。ロビーから作り込まれていて楽しい。言えば小さなディズニーランドみたいなものです。京都では『ギア-GEAR-』が成功していますが、同じように専用の小屋がほしいです。入った瞬間から作品世界が広がっているのはすごい素敵で、365日、時が止まったかのようにずっと舞台が毎日繰り返されていて、人が集まってくる。演劇業界には才能があるのに客がなかなか呼べないとかいろんな悩みが存在します。そういう人たちが、こういうところで「やっぱり俺たちは間違っていないんだ」と思ってほしい。そういう思いもあって常設の小屋を作りたいです。
――そうなれば様々な可能性が考えられます。同じキャストで5年後に再演すれば、内容がガラッと変わるかもしれません。はたまた全く別のキャスト陣で公演することも今後あると思います。
石田:10チーム作って公演したり、あるいはそれらのチームのメンバーをシャッフルしたりすれば、すべての公演が違う物語になると思います。この舞台に立ちたいがために演劇未経験者にも来てほしいです。『結 -MUSUBI-』出身俳優みたいな人がでてきたら面白いですよね。「セリフしゃべるのはやったことないんですけどね(笑)」みたいな。
――壮大な計画ですね。長期で継続する覚悟はもう決まっている感じでしょうか?
石田:そうですね。やっとスタートラインに立てました。ここでひよっている訳にはいきません。1度公演を実施して落ち着いても、僕はアクセル踏み続けます。僕は演劇界を進化させていくのが楽しみです。
――2021年は『結 -MUSUBI-』の準備など大変だったと思いますが、どのような1年になりましたか?
石田:しっかり稼がせていただきました(笑)
小野塚:素晴らしい(笑)
石田:2020年あたりから「ちょっと仕事を減らせてくれ」「週休2日制に」とマネージャーにお願いしました。休みをもらえるようになって、心が潤って、豊かになって、いい仕事とめぐり会える流れになりました。ここ1、2年はほんまに豊かな年でした。
――小野塚さんはいかがですか?
小野塚:2020年にコロナ禍になって家に閉じこもるようになり、今まで当たり前にできていたことができなくなって、自分の固定概念、苦手意識があったものを「まず体験してみよう」というマインドになりました。それで、今まで挑戦してこなかったミュージカルに出演し、ミュージカルの大変さや表現の難しさを身をもって体験できました。そして、ドラマも舞台もあり、人前で演じられることの楽しさを改めて感じました。「やっぱりこれだな」と。そういう気持ちを大事にして、もっと柔軟に新しいことに挑戦したいです。そう思っていたところで『結 -MUSUBI-』に出演できます。新しいことに挑戦していきたいです。
――2022年はデビュー10周年です。
小野塚:はい、20代最後でもあり、節目の年になります。やりたいことをいろいろ考えて、水面下で努力しています。30歳になってから、さらに飛躍したいです。そこでまずは、石田さんと『結 -MUSUBI-』をやって、しっかり稼がせていただきたいです(笑)
一同:ハハハ!
小野塚:石田さんの金運にあやかりたいです(笑)
石田:2022年は、『結 -MUSUBI-』も含め、今までやってきた助走が全てスタートできそうです。たくさん花を咲かせる年にしたいです。
『結 -MUSUBI-』東京公演は、2月4~6日に渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールにて上演(全6回)、大阪公演は、2月11~13日にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演(全4回)。