女優の島崎遥香が主演を務めるABCテレビの2022年1月クール新ドラマ『ハレ婚。』(ABCテレビ毎週日曜23:55~、テレビ神奈川毎週火曜23:00~※見逃し配信あり)は、2014年より青年漫画誌『ヤングマガジン』(講談社)で連載されていた同名漫画(NON氏、構成:手塚だい)の実写化作品で、「ハレ婚(=ハーレム婚)」という一夫多妻制度のもと結婚生活を送る3人の妻と1人の夫のラブコメディ。島崎、浅川梨奈、柳ゆり菜演じる3人の妻を持つ元ピアニスト兼作曲家のミステリアスな夫・伊達龍之介は、俳優の稲葉友が演じる。
今回は稲葉に、龍之介というキャラクターの魅力、ドラマを通して感じた家族や結婚への思い、島崎の印象、そして来年迎える30代の意気込みを聞いた。
■3人の妻と向き合う龍之介という役のハードル
――龍之介を演じることが決まったときはどんな気持ちでしたか。
「できるかな」と思いました(笑)。ハードルがすごく高いと感じましたし、こういう人特有の“匂い”みたいなものが自分にはあまりないのでどうすれば再現できるかなと。
――どんな部分が「ハードル」だと感じましたか。
恋人同士や夫婦を演じるとき、普通相手は1人じゃないですか。1人でも大変なのに、3人は未知の世界だな、現場はどうなるんだろうと正直最初は心配でした。
――実際に撮影が始まってから、そのハードルはどう乗り越えましたか。
そのとき向き合っている1人に100%の愛情を全部傾ければいいんだ、いつもとあまり変わらないのかなと思えたのは発見でしたね。皆に全力。それも大変なのですが(笑)。
――そんな龍之介の魅力を教えてください。
ちょっと危なっかしい感じが、見ていて放っておけない存在ですよね。もちろんそこに人間的な魅力が伴ってこそだと思うんですけど、放っておけない人には人が集まるなと。演じているうちに、かわいらしくてすごく純粋な人なんだなと知ってすごく好きになりました。
――演じていて特に楽しかったシーンはありますか。
家族4人でいるシーンはずっと楽しかったです。それぞれキャラクターが立っているから、本人がまっすぐ投げたつもりのボールも皆にとっては変化球だったりして、台詞のやりとりも面白かった。一夫多妻制の家族は異常な光景に見えるかもしれないけど、自分がその中に入って愛情ややわらかい空気を感じられると、こういう幸せもあるんだなと気付かされました。
■家族や結婚に対する考え、夫婦で一番大事なもの
――伊達家のあり方を通して、稲葉さん自身の家族や結婚に対する考えの変化はありましたか。
一般的に「常識」と言われる枠の中にはまらなくてもいいんだと思いました。「“フツー”の夫婦だって、どの程度まともに夫婦やれてるんだろうね?」という龍之介の台詞があるんですけど、本質的で胸に刺さるなと。伊達家のおかげで、自分がよりいろいろな形を初手で否定しないような考え方ができるようになりました。
――稲葉さんは、夫婦や家庭で一番大事なのはなんだと思いますか。
コミュニケーションでしょうか。伊達家もたくさんぶつかりますが、ぶつかるのはいいことで、ぶつかれなくなったら終わりだと思うんです。
■映画『ずっと独身でいるつもり?』公平役を回顧
――続いては共演者の方についてお話をお伺いしていきます。過去のインタビュー記事で、共演する方の人となりをテレビやラジオで事前に調べていくと仰っていたのを拝見したのですが……。
田中みな実さんの話ですね?(笑)
――そうです!(笑)映画『ずっと独身でいるつもり?』での公平役(主人公・田中みな実演じるまみの恋人。一見申し分のないパートナーだが、悪気のない発言でまみを傷つけていく)本当に素敵でした。すごくリアルで、こういう人いるなと。
すみませんでした!! すみませんでした!!
――映画の感想をお伝えした瞬間に謝罪されるというのはなかなかない展開です(笑)。
そういう役でしたから(笑)。何かを代表して全女性へ「すみませんでした」と言う癖がついていますね。でも「こういう人いるよね」と言っていただけるのは本望です。ありがとうございます。そのときはみな実さんと「長く付き合っているカップル」という役どころだったので、フラットに演じるために現場で話しやすいほうがいいなと思い、少しでも情報が欲しかったんです。大きな事件はおきないのに少しずつ歪んでいくという関係だったので、それを表現するために最初は2人で噛み合っておきたいなと。今回は事件が起き続ける作品なので、敢えて共演者の方について事細かには調べず臨みました。
――先日、主演の島崎さんに取材させて頂いた際、稲葉さんの印象を伺ってきました。
気になる! なんて言ってましたか。