「ただより高いものはない」は、日常会話でもよく使う表現です。しかし、普段何気なく使っているという人のなかにも、間違った意味で覚えてしまっている人がいるかもしれません。本記事では、ただより高いものはないの正しい意味や使い方・例文を紹介します。さらに、類語や英語表現なども解説していきます。
ただより高いものはないの意味
「ただより高いものはない」とは、「ただで何かをもらっても、お礼などの出費でかえって高くつく」という意味のことわざです。
人からものをもらったら、お礼として何か返すのが一般的。また、その人からの頼みごとを断りづらくなるということもあるでしょう。このように、「結局は相応の対価を支払うことになった」という状況を指す言葉として、ただより高いものはないということわざが使われます。
「ただで何かを貰うと、修理代などがかかって結局は高くつく」という意味で使われることもありますが、本来の意味とは異なるので注意しましょう。
ただより高いものはないの類語
ここからは、ただより高いものはないの類語を紹介していきます。
安物買いの銭失い
「安物買いの銭失い(やすものがいのぜにうしない)は、「安いからといって購入すると、品質が悪かったり、すぐに壊れたりするので結局は高くつく」という意味のことわざです。ただより高いものはないと同じように、「結局は高くつく」という意味合いを持っている点で類語といえるでしょう。ただし、ただより高いものはないの言い換え表現としては使えないので注意してください。
買うは貰うに勝る
「買うは貰うに勝る(かうはもらうにまさる)」は、「人からものをもらうと得したような気分にはなるが、借りができて負担に感じる上にお礼も考えなければいけないので、自分で買った方がよい」という意味のことわざです。
「自分で買った方がよい」ということを言い表したいのなら、買うは貰うに勝るの方が適しているでしょう。
うまい話には裏がある
「うまい話には裏がある」には、「自分にとって都合のよい話には、隠れた事情が潜んでいる可能性が高い」という意味があります。
儲け話や得をするような話に飛びつくと、詐欺などの被害に遭って結局は損する可能性があるという意味合いで使うのが一般的です。
薔薇に棘あり
「薔薇に棘あり」とは、薔薇は美しいが、その鋭い棘で人を傷つける場合もあることから「美しいものは人を傷つけるようなところがある」という意味で使われる言葉です。また、「見た目だけで判断すると痛い目に遭う」といった意味合いでも使われます。
ただより高いものはないとは少しニュアンスが異なりますが、目先のことだけで判断すると後悔するという戒めの言葉として使う場合には類語になるでしょう。
ただより高いものはないの英語表現
ただより高いものはないの英語表現は「There’s no such thing as a free lunch.」です。直訳すると「ただの昼食などない」という意味になりますが、意味合いとしてはただより高いものはないと同じであるため、英語表現として使えるでしょう。
また、「無料のギフトほど高価なものはない」という意味の「Nothing is as costly as a free gift.」も、ただより高いものはないの英語表現として使えます。
無料だからといって飛びつくと結局は高くつくという考え方は、海外でも浸透しているようです。
ただより高いものはないの中国語表現
ただより高いものはないの中国語表現は、「天下没有免费的午餐」です。直訳すると「ただで食べられるご飯はない」という意味ですが、ただより高いものはないの中国語表現として使うことができます。
ただより高いものはないの使い方と例文
ただより高いものはないという言葉は、ただでもらったが結局出費が嵩んだことを言い表す時や、ただでもらおうとしている人に注意喚起するようなシーンで使います。実際に使う際は下記の例文を参考にしてみましょう。
「同僚から不要になった食器をもらったが、そのお礼としてご馳走した食事代がかなり高くついた。ただより高いものはないとはこのことだ」
「ドライヤーなら安いものも売ってるし、わざわざ田中さんにもらわずに自分で買ったら? ただより高いものはないって言うし」
ただより高いものはないという言葉を正しく理解しよう
今回は、「ただより高いものはない」の正しい意味や使い方、類語などを紹介しました。
ただより高いものはないは、ただで何かをもらうとお礼の費用などでかえって高くつくという意味のことわざです。日常会話やビジネスシーンでよく使われることわざなので、正しい使い方や意味を覚えておきましょう。
また、似た意味を持つ類語も覚えておくと表現の幅が広がります。ビジネスで海外とやり取りすることがあるという人は、英語表現や中国語表現もチェックしておくと役に立つでしょう。ぜひこの機会にまとめて覚えてみてはいかがでしょうか。