• ビデオ通話をするミナミさん (C)フジテレビ

最も感じたミナミさんの変化は、自分の意見を言えるようになったことだという。後編では、結婚を考える相手について、母親から反対の声が出てくるが、それに対して毅然とした態度を見せており、「社会背景もあって、給料が低くて実家を出られず、親の支配下にあるというケースは増えていると思うのですが、彼女は何とかそこから自分で脱しようともがいて、それが大きく成長させたと思うんです」と推察する。

その変化は、八木Dに対してもあったそうで、「私が『これを撮らせてください』と言ったら、最初は何でも『はい、いいですよ』と言っていたんですが、最後のほうは『これはこういう理由で心配だから嫌です』ってはっきり言うようになったんです。これはすごく変わったなと感じましたね。取材者としては困るところではあるんですが(笑)」と苦笑い。

彼女からは“強さ”も感じたといい、「植草先生からいろいろ聞かれたり、ときには叱られたりもしながら、とことん自分と向き合っていく作業をして、結婚を目指して進んでいくのは、純粋にすごいなと思いました。私だったら、『結婚なんかしなくていいんだから』とか適当に言い訳して、逃げ出していたと思います(笑)」と感心した。

  • 婚活のカウンセリングで涙するミナミさん (C)フジテレビ

■敏腕アドバイザーの驚異のマッチング力

今回の番組では、ミナミさんら会員たちの気持ちを受け止める植草さんのエネルギーあふれる姿も見どころだ。「初めてお会いしたときからものすごくパワーを感じる方でした。“成婚率8割”という文言に半信半疑で密着を始めたのですが、取材をしていって彼女の著書も全部読んだら、本当に目からウロコで!」と圧倒されたそう。

既婚者である八木Dだが「お相手選びに関して誰も教えてくれないじゃないですか。だから、こういうふうに結婚すべきだったのか…と思って(笑)」と冗談を飛ばしながら、「植草さんの手腕と、“この人とこの人が合う”と察知するマッチング力。これはすごいなと思いますね」と舌を巻いた。

23日放送の後編については、「純粋無垢なミナミさんが初めて恋をして、そのお相手との恋心か、将来の安定か…というどちらを取るのかですごく揺れ動きます。なかなかこういう人間のリアルというのは見ることがないと思うので、同世代の方は共感してもらえると思いますし、上の年代の方は若い頃を思い出しながら見ていただけると思います」と予告。

さらに、「初恋ってこんなにウキウキした気持ちなんだなと思うんですが、ここに結婚という要素が入ってくるのが興味深いところで、恋と結婚というのが相容れないものなのかもしれないというのも、改めて考えてもらえるのではないかと思います」と、恋愛ドラマでは描けないシビアな現実が映し出される。

  • 八木里美ディレクター

●八木里美
1977年生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後、青森朝日放送でニュースキャスター・記者・ディレクターとして取材現場に従事し、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を経て、04年にバンエイト入社。フジテレビ報道局で『スーパーニュース』を担当し、11年からは制作部でドキュメンタリー番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では、『愛はみえる~全盲夫婦の“たからもの”~』『わ・す・れ・な・い 明日に向かって~運命の少年~』『私、生きてもいいですか ~心臓移植を待つ夫婦の1000日~』『わすれない 僕らが歩んだ震災の10年』などを担当し、11年間にわたって取材した『熱血和尚』シリーズでは、「第36回ATP賞」グランプリ、「2020年日本民間放送連盟賞」テレビ教養番組部門・最優秀賞、「第57回ギャラクシー賞」奨励賞、「ニューヨークフェスティバル2020」ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞&国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞と、国内外で数々の賞を受賞した。現在はほかにも、『フューチャーランナーズ~17の未来~』(フジ)で総合演出を務める。