●実は久方ぶり! ソロのラジオもスタートした2021年

――一方で、ファン以外の方の耳に駒形さんの声が届く機会として、レギュラーラジオ『bayb×3』も始まりました。

なぜか私のまわりのスタッフさんには千葉県出身の方が多いので、最初にbayfmさんでのレギュラーが決まったときには、正直私よりまわりのほうが「やったー!」という感じで。私は実感するまでにちょっと時間がかかってしまったんですけど、普段お世話になっている方々がそんなに喜んでくれたことがすごくうれしくて。その気持ちに応えるためにも頑張ろう、という気持ちになりました。ただ、ひとりラジオが実は『どっとあい』以来で(笑)。

――たしかに、ペアだったり3人だったり。

そうなんですよ。しかも私、みんなでいるときはどちらかというとツッコミの立ち位置なので、最初「ツッコミひとりだとつまらないんじゃ?」とも思ったりしたんですけど。でも皆さんのメールやスタッフさんたちが考えてくださるいろいろなコーナーのおかげで、楽しくやらせていただいています。ただ、今までやってきたアニラジと、FMの番組との雰囲気の違いを感じることもあって。

――やはり違う部分はありますか。

言語化するのが難しいんですけど……アニラジだとぱーっと言ってOKになることが多いんですけど、『bayb×3』では「今のところもうちょっとこうしてください」みたいなディレクションがあるんです。だから能力的に足りていない部分も実感していますし、もっと空気を読む範囲を広げないとスムーズにいかないのかなということで、ひとりでぱーっと喋って「OKです!」と言われるぐらいにまでなれるよう、今はいろいろと勉強中です。

●自分だけでは思いつかなかったことに挑戦した、初のフルアルバム

――そうして活動の分野もさらに広がるなか、12月15日には1stフルアルバム『stella』をリリースされました。

まさか30歳で、しかもコロナ禍でこんなに初めてのことがいっぱい起きるとは……本当にありがたいです。今回は既存曲と新曲6曲が収録されるということで、全体をまとめるために、私が今までやってきたことと新しい挑戦の両方を収めたアルバムということで“過去と未来”みたいなテーマは設けたんです。でも今までリリースしてきたミニアルバムとは違って、「テーマに沿った曲を揃えよう」みたいな作り方ではなかったんですよね。そのあとに出てきた”宇宙”というテーマも、アルバムのビジュアル面での世界観をより固めるためのものでしたし。

――ということは、今回は『Night Walk』のときに話されていた、「今までとは違ってコンセプトを決めないところから始めたものを作りたい」ということを叶えられた。

そうですね。そもそも既存曲はデビューシングルの曲やコンセプトの強いミニアルバムのリード曲ですし、新曲もやりたいことを絞ってコンペにも出したので……「よくこの1枚に収まったな」と自分でも思うぐらい、それぞれ個性の強い曲がいっぱい集まっているんですよ。私としても、今まで出させていただいた4枚のミニアルバムを通じて、コンセプトとしてやりたかったことを一旦形にできたような感覚があったので、コンセプトに縛られずに純粋に「今、どういう曲に挑戦したいのか?」ということを大事に制作できたことは、とてもいい経験でした。

――ちなみに、新曲を制作するにあたっての”やりたいこと”というのは、ここ1年ほどのなかで芽生えた気持ちが影響した部分はありましたか?

いや、今までは私がやりたいことを優先してくださっていたので私が好きなタイプの曲が集まってきていたんですけど、今回はいろんな人の意見を聞きながら、自分では思いつかなかったようなことに挑戦していく……みたいなところが大きかったんです。例えば、今後よりたくさんの人に私の歌を聴いてもらったりライブに来てもらうことを想定して、ライブでみんなと楽しめる曲を歌ってみたり、BURNOUT SYNDROMESの熊谷和海さんからの「駒形さんのロックを聴いてみたいし、挑戦してみてほしい」という貴重なご意見にも、この機会に挑戦してみたり……。

――熊谷さんは『Night Walk』収録の「Love is Action!」も手掛けられましたが、今回はロック曲を聴きたいと。

そうなんです。元々私、アコースティックな感じがずっと好きでロックはあまり通ってこなかったんですけど、今年オンラインライブをやらせていただいたときに対談させていただいて。そのとき「今後、私に歌ってみてほしい曲ってありますか?」と聞いたら「ロックに興味ありませんか?」っておっしゃっていただいて。しかも「よかったら、歌詞もぜひ共作したいです」ともおっしゃってくださったのでもう「やります!」みたいな(笑)。善は急げということで、今回早速お願いしました。