往年の人気作をリメイクし、2022年に配信予定の『仮面ライダーBLACK SUN』。作中で仮面ライダーブラックサンが駆る「バトルホッパー」を、思いがけず目の当たりにする機会を得た。正義のヒーローが乗るバイクは一体、どんなものなのだろうか。
往年の名車を大胆にカスタム!
1987年~1988年にかけて仮面ライダーのテレビシリーズ第8作として放送され、子供たちを魅了した『仮面ライダーBLACK』。現在でも高い人気を誇る同作が30年以上の時を経て、2022年に『仮面ライダーBLACK SUN』として復活する。監督は『凶悪』や『孤狼の血』などを手掛けた白石和彌。キャストには人気俳優の西島秀俊と中村倫也が名を連ね、当時夢中になった父親世代はもちろん、多くの女性ファンも夢中にさせそうな期待作だ。
2021年に生誕50周年を迎えた『仮面ライダー』シリーズに欠かせない乗り物といえば、バイクだ。初代仮面ライダーにスズキ「GT380」をベースにした「サイクロン号」が登場して以来、本シリーズにはさまざまなバイクが登場。仮面ライダーをきっかけにバイクに憧れた人も多いことだろう。
最新作で仮面ライダーブラックサンが操るのは、往年のファンにはおなじみの「バトルホッパー」というバイクだ。
このバトルホッパーを手がけたのは、東京・練馬区にあるチェリーズカンパニー(Cherry's Company)。普段はハーレーダビッドソンやBMWのカスタムを行うことが多いカスタムショップで、代表取締役の黒須嘉一朗氏は依頼があればフレームからでも作るオートバイカスタムビルダーだ。
ヨコハマホットロッドカスタムショーでバトルホッパーを見かけたときはてっきりレプリカだと思ったのだが、黒須氏によれば撮影で使われた実車両とのこと。今回は東映から特別にOKをもらって展示に至ったという。
バトルホッパーのベースはホンダの名車「CB750F」。といっても、その風貌は全くの別物といって差し支えないほど作り込まれている。
カスタムを行う上で、苦労した点は造形だ。なんでも、これらは全て黒須氏が鉄板を一から叩いて作っているという。
「白石和彌監督はとにかく、リアリティーや世界観を大事にされています。例えばブーツの汚れひとつでも、バイクに乗るとどちらに傷がつくかまで考えるなど、こだわりがすごいんです。バイクの造形も、普通は造形屋さんがFRPなどで作ることが多いんですが、うちのようなカスタム屋に依頼されたのは、鉄でリアルに表現したいという考えからだと思います」(黒須氏)
外装も詳しく見ていくと、随所に浮き出るサビもリアルで緻密に作りこまれていることが見て取れる。また、バトルホッパーはターボを搭載しているが、こちらも実働ターボを採用するなど、とことんリアリティーにこだわっている。
仮面ライダーBLACK SUNの配信がスタートすれば、バトルホッパーが欲しくなってしまうファンが続出するかもしれないが、実際にオーダーすることは可能なのだろうか。黒須氏に尋ねたところ、車両代込みだと600万円以上かかるものの、制作自体は可能とのことだった。
高級車に手が届きそうな値段にはなってしまうが、仮面ライダーBLACKを見て育った子供たちも今や、40代前後となっているはず。興味のある方はいかがだろうか。