Netflixシリーズ『新聞記者』(1月13日全世界同時配信)より、横浜流星演じる就活生・亮の新場面写真が5日、公開された。
近年の政治事件やスキャンダルに切り込み、第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得した映画『新聞記者』(2019)。全6話のドラマとして新キャストで新たな物語を描くNetflix版では、“新聞業界の異端児”と呼ばれる主人公の東都新聞社会部記者・松田杏奈を米倉涼子、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一を綾野剛、そして新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮を横浜流星が演じ、監督は映画版に引き続き、藤井道人氏が務める。
このたび、横浜流星演じる、新聞配達をしながら大学に通う就活生・亮の新場面写真が公開された。スーツに身を包み、緊張した面持ちで就活に臨む姿や、同じく新聞配達と就活に励む繭(小野花梨)と配達作業をしたり、仲良く談笑する姿など、大学生らしい日常が映し出されている。さらには、新聞に興味がなかった亮の目に、「栄進学園問題」の記事がふと留まった姿も切り取られている。
リアルな政治・社会状況とリンクする本作において亮は、政治には興味も知識もなく、新聞の一面に踊る「栄進学園問題」も遠い世界の出来事だと思っている、市井のキャラクター。そして、藤井監督自身の視線が強く反映されたキャラクターでもある。実は、映画『新聞記者』でも市井のキャラクターとして、コンビニ店員を描けないか提案をしていた藤井監督。スケジュールの都合で実現することはできなかったが、今回ドラマ版の監督を引き受ける際に“自身に近い視点を盛り込む”ことを条件として提示、「新聞配達をしながら大学に通う亮。あのキャラクターはほぼ、僕自身です」と言い切るほど、映画版でやり残したことを全6話のドラマで描き切った。
そんな、藤井監督がどうしても描きたかったキャラクター・亮を演じたのは、若い世代から絶大な人気を誇り、話題作への出演が尽きない横浜流星。『青の帰り道』(18)以来、約4年ぶりの藤井組に参戦した横浜が10代の頃から公私ともに強い絆で結ばれた関係だ。藤井監督は横浜について、「華やかな役を演じることが多いけれど、素顔の流星は生真面目で実直な人」と評し、自身とものごとの捉え方や感じ方が近い横浜だからこそ、亮を演じてほしいと熱望。「流星の一番の魅力は目だと思うんです。説明せずとも、目に感情が宿るというのは、万国共通する演技の一つ」と絶賛し、「あまり知られていない彼の魅力がすごく引き出せたと思います」と、自信をのぞかせている。
「亮」という役に込められたのは藤井監督の視点だけではない。実は『青の帰り道』でも“リョウ”を演じた横浜。これは単なる偶然ではなく、自身を投影する役には親友の名前でもあるこの役名を付けるようにしており、藤井監督の並々ならぬ決意がうかがえる。
さらには、亮が新聞配達をする際にバイクが進む方向にも、こだわりの演出が隠されている。新聞も政治も興味がなく、周りに流されるように就活をしていた物語の前半では坂道を下っているが、あるきっかけで米倉演じる松田記者と出会い、自分の意志で未来を切り拓こうと奮闘するようになってからは、坂道を登っていくショットが映し出される。心情とバイクの進行方向をリンクさせることで、より一層、亮の感情が視覚的に伝わる仕掛けとなっている。