強面の悪役からコミカルな役どころまで、年々守備範囲を広げてきた個性派俳優の遠藤憲一。ダンディな声を生かした声優業やナレーションはもちろん、バラエティ番組で見せるおちゃめな素顔も好感度大だ。今年で60歳の還暦を迎え、「僕はそんなに器用な人間じゃないです」と言いつつ、様々な仕事に挑んできた。「自分のやりたいことだけをやっていると、小さく萎縮してしまうから、なるべくやれる範囲で挑戦できるものはやっていきたい」と語る遠藤。どの出演作にもその人柄や“人間力”が感じられるところもいい。
2022年新春に放送される冠バラエティ特番『エンケンさんとメロメロさん』(東海テレビ・フジテレビ系、1月4日13:30~)もしかり。人気俳優が思わずメロメロになってしまうモノを紹介するというロケ番組で、遠藤は麒麟の川島明や長濱ねると共に、スタジオでの“見届け人”を務める。“メロメロさん”として、木南晴夏が最高のパンを紹介したり、高橋克典がサウナで「ととのう」にトライしたり、寺島進がマグロの一本釣りに挑んだりして、無防備な熱い表情を見せていく。
■スタジオでVTRを観てコメントするのは得意じゃない(苦笑)
――スタジオでの見届け人という立ち位置はいかがですか?
実は、スタジオでVTRを観てコメントするようなバラエティはあまり得意じゃないんです(苦笑)。前回は自分が向こう側にいて、木彫りで年賀状を作るということをやりました。どちらかといえばそっちのほうが自分的には落ち着きますが、何事も経験なのでありがたいです。
――実際に今回のメロメロさんたちの映像を観ていかがでしたか?
木南さんは本当にパンが好きなんだなと。登山をしている最中も、スタッフがヘロヘロになっているのに、木南さんはずっとパンについてしゃべり続けていて、パンへの愛がものすごく伝わってきました。また、木南さんがおすすめされていた焼きそばパンはどんな味なのかが気になりましたし、あそこまでパン好きな奥さんをもらった玉木(宏)さんがどういう生活をしているのかも覗きたくなっちゃいました(笑)
――高橋克典さんはサウナでしたが、遠藤さんもサウナにはよく入るそうですね。
僕は温泉に行ってサウナがついていたら入るという程度ですが、最近、本格的にサウナをやる人って多いですよね。今やっているドラマでも、すごいサウナ好きの方がいて、「ととのう」と言っています。サウナと水風呂を繰り返すと、確かにすごくいい状態になるらしいのですが、僕は熱いサウナに入った直後に冷たい水風呂に入るというのがどうしてもできないです(苦笑)
――マグロの一本釣りに挑まれた寺島進さんについてはいかがでしたか?
チャレンジものは感動しますね。今回の寺ちゃんは自然の関係でなかなか難しいところもありましたが、昨年に収録したときから、ずっとやりたいと言っていたので、念願が叶ったのかなと。この番組に出ている寺ちゃんはすごく楽しそうだから、何時間かかっても大丈夫なんだろうなと思いました。
■東京駅周辺でウォーキング
――遠藤さんが最近ハマっていることやリフレッシュ方法についても教えてください。
最近はウォーキングです。例えば東京駅は撮影で通り過ぎたり、移動のために行く場所だったけど、女房と一緒に歩いてみたらなかなか良くて。特に日曜日のオフィス街は、閉店前だとガラガラですごくきれいなんです。また、全国の駅弁売り場があって、僕は函館のニシンとカズノコがドーンとのってる弁当がすごく好きですね。写真スポットもあるし、歩いてみると楽しいです。
――タイトルにちなんで、今後、遠藤さんがメロメロしたいことは何でしょうか?
年をとったせいか、歩いていてお花や夕焼けを目にするだけで、心が浄化されるなあと思うので、そういう美しい風景に出会ってみたいです。今年の春はまだウォーキングをしてなかったので、来年は桜の季節に歩いて、きれいな場所を見つけたいです。また、次回この番組に出るときは、チャレンジする側もやりたいので、そこも考えていきたいです。
――今の時点で、何かやってみたいことはありますか?
この番組については、いつも10月頃から話し合いますが「今後やってみたいこと」を頭の隅に置いて、何かチャレンジできるものを見つけていければいいなと。以前、バラエティ番組(日本テレビ『1億3000万人のSHOWチャンネル』)でクラシックの作曲をやらせてもらったんですが、そのとき「予算をオーバーしちゃいますが」と言いながら、オーケストラまで呼んでくれました。あれも初めてやってみて面白かったです。