リースバックとは、自宅を不動産会社などのリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。近年は高齢化により老後資金の確保の選択肢の一つとして、リースバックの需要は増加傾向にあり、リースバックを取り扱う会社も増えています。

リースバックを利用すれば、自宅を売却してまとまった現金を確保しながら、引き続き同じ家に住み続けることができます。また、売却後は所有権が運営会社に移転するので、自宅の相続についてのトラブルを回避できます。ただし、リースバックは会社によって売買価格や家賃などの諸条件・サービス内容に違いがあるので、複数の会社を比較したうえで利用することが大切です。今回は、リースバックを比較する5つのポイントについて解説します。

リースバックを比較するポイント1:売買価格

リースバックでは、運営会社によって、不動産の評価方法に違いがあるため、売買価格は変わってきます。また、運営会社が売主の家賃滞納リスク、買戻しに応じるために自由に売買できない制約を抱えていることも、売買価格に影響を与えます。リースバックで自宅を売却するときは、なるべく高い価格で売却できる方が良いと考えがちですが、売買価格は家賃とトレードオフの関係にあるため、売買価格だけで決定するのではなく、その他の条件を踏まえた上で総合的に判断しましょう。

また、売買価格のほかに、以下のような取引コストに注目することも大切です。

  • 仲介手数料
  • 事務手数料
  • 抵当権の抹消手数料

リースバックの多くは仲介手数料がかかりますが、運営会社が買主になることで仲介手数料が発生しないケースもあります。事務手数料については、無料の会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求されることもあります。また、住宅ローンが残っている場合は、抵当権の抹消費用を請求されますので、金額が適正かどうかは確認しておく必要があります。

リースバックでは、自宅を少しでも高く売却し、安い家賃で借りることが理想です。しかし、売買価格や家賃だけに注目するのではなく、取引コストなどの他の比較ポイントも含めて総合的に判断しましょう。

リースバックを比較するポイント2:家賃

リースバックでは、自宅の売却後に家賃を支払うことになりますが、運営会社によって家賃に差があります。また、売買価格でも述べましたが、一般的に売買価格と家賃はトレードオフの関係にあり、売買価格が下がれば家賃も下がります。運営会社によっては「家賃を何ヶ月か猶予する」「売買代金の一部を預け入れすれば家賃が下がる」と提案されるケースもあるかもしれません。しかし、それは単に売買価格を低く見積もっているだけです。家賃は安ければいいわけではなく、売買価格も含めて比較することが大切です。

また、リースバックで売却した自宅を借りる際は、敷金や礼金、更新料、家賃保証会社への保証料も必要になります。これらの費用は無料の会社もあれば、有料の会社もあるので、家賃も含めてしっかりと比較しましょう。

リースバックを比較するポイント3:賃貸契約期間

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるのがメリットです。しかし、リースバックの多くは賃貸契約期間が3年などに定められている「定期借家契約」になります。ほとんどの運営会社は「再契約することでそのまま住み続けることは可能」と謳っていますが、運営会社の事情で再契約されないことも考えられます。そのため、貸主からの解約申し入れには正当事由が必要である「普通借家契約」のほうがより良い契約と言えるでしょう。定期借家契約でリースバックを利用する場合は、運営会社の都合で再契約ができずに契約が終了することも想定し、状況に応じて引っ越しする覚悟が必要です。

リースバックを比較するポイント4:買戻し条件(価格、期間)

リースバックは、売却した自宅の買戻しが可能であることも特徴のひとつです。将来的に自宅を買い戻すことを想定して、リースバックを検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、リースバックで自宅を買い戻すときの価格は、売却時よりも高くなることが多いです。

また、買戻し条件も運営会社によって異なるため、予定通り買い戻せるかはわかりません。予め価格や賃貸契約期間などの条件が決まっていて、それらが書面化されていれば、買戻しについてのトラブルを避けられます。買戻し価格を提示してくれる会社が複数ある場合は、より安い価格で買戻しができる会社を選ぶといいでしょう。運営会社によっては、買戻し条件があいまいなところもあるので注意が必要です。

リースバックを比較するポイント5:運営会社の信頼性

リースバックを利用する際は、運営会社の信頼性も重要なポイントです。実績や業績などを比較して、倒産リスクが低い会社を選びましょう。家賃を低くするために売買代金の一部を預け入れしている状態で運営会社が破産した場合には、その預けている売買代金の一部は戻ってこない可能性が高いです。

また、管理業務の体制やサービスついても、内容を調べて比較しておきましょう。中には専用窓口を設置して、高齢者を対象にした見守りサービスや家事代行サービス、宅食サービスなどを提供している会社もあります。

まとめ

リースバックは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるので、老後資金の不足など、まとまった現金が必要な場合に活用できます。ただし、運営会社によって売買価格や家賃、取引コストだけでなく、賃貸契約期間や買戻し条件も異なります。リースバックを検討する際は、自身の状況をきちんと整理し、必ず複数の会社から見積もりを取るなど、比較検討したうえで利用するサービスを決めることが大切です。自宅を売却した後も安心して同じ家に住み続けられるように、この記事で紹介した5つの比較ポイントを参考にリースバックの運営会社を比較してみてください。

※この記事は「SBIエステートファイナンス」掲載「リースバックを比較する5つのポイント」より転載しています。