大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は9日、中央線に新型車両400系と新造車両30000A系を導入すると発表した。新型車両400系は最新の車両技術を取り入れ、中央線を運行している現行車両20系の更新車両および他路線へ転用する24系の置替え車両として導入し、2023年4月からの運行開始を予定している。
同社の地下鉄において、新型車両は2011年に御堂筋線で運行開始した30000系以来、12年ぶり。大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)となってからは初となる。中央線に導入される新型車両400系は、大阪・関西万博を契機に新世代車両として開発を進め、安全性はもとより移動手段としての新機能と高レベルの快適性を追求。デザインは「乗って楽しい」を形にしたという。
車両の低床化、優先座席の明確化など、同社が進めるバリアフリー化も踏襲するだけでなく、さらなる安全性と乗客サービスの向上を進め、非常時に乗務員室で確認が可能な車内防犯カメラの設置、ワイド液晶ディスプレイによる4カ国語での運行案内、全車両への空気浄化装置と車内Wi-Fiの設置、ユーティリティスペースとして先頭車両にモバイル用電源(USB)付カウンターを設けるなど、さまざまな特徴を随所に取り入れ、車両状態の常時モニタリング、自動運転実証実験など新たな技術開発にも取り組んでいる。
デザインにおいては、大阪・関西万博に向けて中央線を「活力インフラ」の舞台・夢洲につながる未来への路線と位置づけ、前面形状をガラス張りの展望形状とし、宇宙船を意識させる未来的デザインを採用。それによって、利用者からの展望や将来の自動運転の可能性を示唆する外観、同社が提供するアプリや大阪シティバス、オンデマンドバスなどのMaaSとの関連性を暗示させる魅力的なデザインとした。
あわせてホーム可動柵時代の乗降口の明確化と、最新室内装備によるコミュニケーションをデザインテーマとし、扉に中央線の号線色のグリーンを主体に、各車両の装備に応じた配色としている。
内装においては、天井を落ち着いた配色とするとともに、壁面と床面をより明るくし、機能に応じた多色使いの座席と相まって、モダンで快適な空間としている。クロスシート車両を1編成につき1両配備し、目的地に向かって移動する「ワクワク感」やパーソナルスペースの確保による安心感を提供するとしている。