寒い季節に恋しくなるものといえば、そう、温泉! 昔ながらの風情と魅力を残す山深い温泉地・箱根強羅に、全客室にプライベート天然温泉付きというなんとも贅沢なホテルがある。昨年1月に開業した「ホテルインディゴ箱根強羅」(神奈川県足柄下郡箱根町)だ。
IHGホテルズ&リゾーツのホテルブランド「ホテルインディゴ」の名前をまだ聞いたことのない人もいるかもしれない。それもそのはず、この箱根強羅が日本初上陸1号店なのだ。
ホテルインディゴは欧米を中心に世界15カ国以上で120軒を超えるホテルを展開、その土地でしか出会うことのできない「ネイバーフッド ストーリー」を紹介している。日本では2022年春、新たに犬山有楽苑(愛知県犬山市)、軽井沢(長野県佐久郡軽井沢町)に開業予定。
そんなホテルインディゴ箱根強羅で、新たな宿泊プラン「箱根強羅サスティナブル旅プラン」が販売開始された。
このプランは、箱根町観光協会および箱根強羅観光協会/箱根強羅温泉旅館組合や観光に関わる地元オペレーターなどと連携し、地域の歴史や文化の継承に取り組もうというもの。ホテル近隣の地域が持つ歴史、人々、文化、自然を探り追求するホテルインディゴならではの企画だ。
このほどメディア向けのモデルプランを体験してきた。
地元産の間伐材を使って箸を作る
まずは近隣の山地で、地元事業者から「箱根杉」の間伐について学ぶ。手入れの行き届いていない山地は、ほかの広葉樹や足元の草が育たず保水力が弱まり土が流れやすいのだとか。定期的に間伐することで、環境保全だけでなく防災にもつながるそう。解説と指導を受けながら、実際に木を切り倒す作業を行った。
ホテルでは、その間伐材を利用してオリジナルの箸を制作するワークショップに参加。やすりをかけて自分好みのかたちに整え、ミツロウでコーティングする。
体験を通して、人工林の間伐の必要性やそれによって生まれる間伐材の利用について知り考える機会になった。
鹿肉などエシカルな食材を味わう
提供する料理においても、土地とのつながりを重視する同ホテル。食材は、可能な限り半径約10キロ圏内で調達しているという。新たに販売するディナーコース「INDIGO ガストロノミー」では、地元産のジビエがメインメニューに取り入れられている。
いただいたのは、丹沢で獲れた鹿のローストをメインにしたディナーコース。害獣として扱われているシカをジビエという地域資源に変えることで、農業を持続させるための環境保護や山の荒廃防止につながるそう。肉質もやわらかく、赤ワインとシカのエキスを煮詰めたソースもおいしい。
歩いて豊かな自然&文化を体感
翌日は、豊かな自然の残る「富士箱根伊豆国立公園」を巡る「ナショナルパークトレッキング」を体験。ホテルから徒歩10分ほどの場所にあるトレッキングコース入り口から、緩やかな下りと登りを経て、堂ヶ島遊歩道で宮ノ下駅近くに到達する1時間程度(約2.5キロ)のコースだ。
さらに箱根登山鉄道で強羅駅に移動し、ウォーキングや地元グルメを楽しみつつ強羅公園や箱根美術館を巡った。
箱根の魅力を再発見できたトレッキング&ウォーキング。実際のプランでは、ホテルで配布される専用散策マップを見ながら自主参加型で楽しめる。
「日本有数の観光地としてリピーターも多く訪れる箱根の『知らなかった箱根』を発見していただきたい。知られざる地域の魅力を再発見しながら、クリエイティビティを刺激するワーケーションの新たなスタイルとしても最適です」と同ホテル。
プランは現在予約受付中で、12月13日〜通年開催。料金は2名1室7万5,816円(1泊 2食付宿泊、箸作り体験、特別ディナーコース、トレッキングマップ込み)。