――マジメなシーンの撮影があっても、カットがかかるとみんなワイワイとしゃべりだす、なんてことがあるのでしょうか。

ヒマリなんて、すごく明るくてずっとしゃべっていますよ(笑)。でも彼女は、どんなことにもマジメに取り組んで、自分のものにしようとする努力家で、すごいなって思っています。まだ若いのに大人チームに入れて、申し訳ない(笑)。ユナは若手チームのまとめ役として、しっかりやってくれていますし、アキトは可愛いんですよ。あいつの「ウルトラマン」コレクションを見せてもらったんですけど、すごかったです。数の多さに加えて、ひとつひとつがピッカピカで、保存状態がすばらしい。ウルトラマン愛の強さに圧倒されます。

――テッシンを演じる水野さんは、高木さんより年上なんだそうですね。

8つも上なんですよ。最初、プロフィールを拝見したときは「年上の人がいて、俺は隊長としてうまくやっていけるだろうか」と不安だったのですが、実際にお会いしたら不安なんて吹き飛びました(笑)。とてもありがたいなと思ったのは、年下の僕を隊長として立ててくださり、カメラが回っていないところでも敬語で接してくださるところです。現場では、テッシンさんの人柄に助けられたことが何度もありました。

――水野さんからは「隊長はボケを欲しがる人だ」というコメントをいただいていますが、高木さん的にはいかがでしょうか。

わははは! 確かにそうですね(笑)。テッシンさんとかヒマリは、撮影の合間とかにボケ倒しますからね。僕がそれを拾ってはツッコミを入れ、またボケを拾ってツッコミ……と連続するので、もう止まらない! こうやって話していると、ふざけているんじゃないかって思われるかもしれませんけど、集中すべきところでのみんなの集中力はすごいですよ。ここは大事なシーンだというときには、誰もしゃべらなくなることもありますから。

――撮影が後半に入り、シリアスなエピソードが続く中、寺坂さんは高木さんからもらった励ましのLINEメッセージのおかげで元気をもらい、撮影を乗り切れたとお話ししていました。

そんなこと言ってましたか……。あいつ、どんなに大変な局面にあっても絶対に弱音を吐かないんです。そんなケンゴの姿を見て、すばらしいな、やはり真ん中に立つべき存在だなって、強く思うようになりました。ケンゴは僕たちの希望でしたね。でも、本当に悩みはないのかなとか、つらいときに相談したいんじゃないかとか、心配になるんですよ。『ウルトラマントリガー』の真ん中にいるのはケンゴだから、あいつがやりづらいなって思うところがあったら、作品が面白くなるはずがありません。そんなことを思いながら、一度あいつに「ホントに大丈夫か?」ってLINEメッセージを送ったんです。そうしたら「大丈夫です!」と元気な返事が来て、安心しました。ケンゴがいつも元気でいるからこそ、その元気を押し通すことが難しくなったりしたとき、目の前の「壁」を壊してあげるのが隊長である僕の役目だと、ずっと思っていました。

――高木さんと寺坂さんの関係は、そのままタツミ隊長とケンゴに通じるところがあるんですね。先輩が後輩を気にかけ、風通しをよくするよう努めてくださるところとか。

それは僕が若いころ、先輩のみなさんにしてもらったことですから、こんどは僕が若い世代に同じことをしてあげなければ、という思いですね。

――GUTS-SELECTの仲間たちのほかにも、仲良くされている共演者の方はいらっしゃいますか。

トレジャーハンターのイグニスを演じる細貝圭さんです。圭さんの鉄板エピソードといえば「雨」で、あの人が現場に入るといつも雨が降るって有名だったんですよ。もうヤバイくらい。一度撮影が止まってしまったほどの豪雨を呼び込んだことがありました。来たら降って、帰ったとたんに晴れたこともあったんです(笑)。それはともかく、僕は圭さんが大好きなんですよ。人に優しいし、明るいし、演技に対して熱い思いも持っている。圭さんは、今まで僕が接してきた俳優さんとのつながりも多くて、ずっとお会いしたかった人でした。話していると、僕と性格がすごく似ていて、共通要素がありすぎる。年齢も一歳しか違わないですし、圭さんと出会えて本当によかったと思います!

――『ウルトラマントリガー』の特撮映像をご覧になって、どんな感想を抱かれましたか。

今のウルトラマンはこんなにカッコいい映像になっているのかと、びっくりしました。僕たちGUTS-SELECT関連だと、GUTSファルコンが出撃して怪獣と戦っているときのCGとか、もうしびれますね。ナースデッセイ号のバトルモードもそうですけど、あそこまでカッコいい特撮シーンを撮ってくださるからこそ、僕たちGUTS-SELECTの印象も強まるんだと思います。各エピソードの監督陣の才能と工夫には、いつも感心し、敬意を表しています。

――オンエアが始まったとき、高木さんの身近な方たちから何か反響がありましたか。

親友の家に遊びに行ったとき、彼の子どもがちょうど『ウルトラマントリガー』が大好きで、僕がタツミ隊長だと知ると「隊長!」と呼んでくれたことがありました。うれしかったなあ(笑)。撮影が終わった今しみじみと感じるのは、ウルトラマンシリーズで防衛チームの隊員服を着て、銃を持ったりする役をやってみたい俳優さんって、たくさんいるんじゃないかということ。そんな中で、僕がタツミ隊長を演じさせていただいたのは、本当にありがたかったです。いま僕には子どもがいないですが、いつか子どもができたとき、お父さんは昔、GUTS-SELECTの隊長だったんだぞ、って話してあげることができます。映像がずっと残ることも含めて、とてつもない宝物だと思っています。

――クランクアップを迎えたときは、どんなことを思われましたか。

ひとりずつアップしていくたび、可能な限り全メンバーがかけつけて「おめでとう! お疲れさま!」と言い合っていました。僕のアップのときにもみんなが来てくれて……もう、あんなに泣くとは思いませんでしたね(笑)。感極まりすぎて、挨拶したんだけど何を言ってるか自分もわからなかったくらいです。それぞれがアップを迎えるごとに、ああ終わっちゃうんだなあって、寂しい気持ちになりました。

――ファンの方たちからいただいた応援で、高木さんが心に残っているのはどんな言葉でしょうか。

ファンの方から「昨年から続くコロナ禍のため、落ち込むことが多かったのですが、今ではウルトラマントリガーが私の生きる糧となりました」というメッセージをいただいたことがあります。そんな言葉を受け取ると、マジでもっと頑張らないといけないぞ!って気持ちになりましたし、『トリガー』という作品を通じて人に元気や希望を届けることができてよかったなと思いました。僕たち俳優は人前に立って、何かを表現するのが仕事ですから、誰かが生きるための力になれる、希望を持つためのお手伝いができるというのは、とてもうれしいことなんです。これからもたくさんの方に『ウルトラマントリガー』を熱く応援してほしいと思っています! よろしくお願いします!!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマントリガー製作委員会・テレビ東京