知見とは、実際に見て知ること、またそれによって得た知識を意味します。日常会話でもビジネスシーンでも多く使う言葉なので、正しい使い方を覚えておきましょう。本記事では、知見の基本的な意味や類語、例文や英語表現などを解説します。

  • 知見の意味

    知見について解説します

知見とは

知見とは、物事を実際によく見て知ることや見聞によって得た知識のことを指します。読み方は「ちけん」です。

知見の定義

知見には、「体験」のニュアンスが含まれるため、基本的には自身が現場で見たり聞いたりして得た知識や情報のことを知見と呼びます。

とはいえ、ほかの情報源から得た知識や情報は知見と呼べない、とはっきり定義されているわけではありません。たとえば読書で得た知識や人に聞いた話など、自身が現場で体験せず得た知識や情報でも知見と呼ぶことはあります。

如実知見とは

仏教用語に如実知見という言葉があります。これは、現実をありのままに見抜くこと、という意味です。如実智見と表記することもあります。

知見の英語表現

知見の英語表現は「Knowledge」です。知っていることや知識、情報などの意味を持ちます。体験の有無を問わず知識全般のことを指しますが、知見という意味合いで使っても問題ありません。

また、ほかの表現として「Experience」が使われる場合もあります。Experienceは体験や経験という意味です。具体的に経験してきた事柄に対して使います。体験を伴う知識であることを強調するならば、Experienceを使うのもいいでしょう。

知見の中国語表現

知見の中国語表現は「知识」です。知見と同じく、実際に見たり聞いたりすることによって得られた知識を意味しています。

  • 知見の意味

    知見は実際にみて知ること、それによって得た知識を意味します

知見の類語

ここからは、知見の類語を紹介していきます。

知識

知識とは、知ることや認識して理解することを意味します。また、特定の事柄について知っている内容を指す場合もあります。

知識は、よく知っていること自体に焦点を当てており、知識を得た手段として見聞以外の情報源も幅広く含みます。そこが知見との違いです。

経験

経験とは、実際に見たり聞いたりしたことを指します。また、経験によって得られた知識や技能を経験と呼ぶこともできます。

実際に見たり聞いたりしているという点で知見と似ている表現ですが、経験の場合は主に行動そのものについて話すときなどに使います。一方、知見は得られた知識全般について言及するときに使われます。

見識

見識とは、物事を深く見通した上で本質を捉えていることや、優れた判断力のことを指します。また、物事に対する意見のことでもあります。物事を正しく判断できるような高い専門性を持っていることを表す言葉です。

知見と似ていますが、見識は知識のほかにも判断力や見通す力を持っている様子を指しています。見識の方が専門的な知識や意見を持つなど、より優れているような場合に使います。

ノウハウ

ノウハウとは特定の分野の専門的な技術や蓄積してきた知識、経験のことです。英語で知ることを指す「Know」と方法を指す「How」が語源であり、物事を知るための手段やコツでもあります。

知見は見聞して知り得た知識を表す一方で、ノウハウは手段や方法などの目的がある事柄を指しています。

  • 知見の類語

    知見の類語は知識や見識です

知見の対義語

ここからは知見の対義語について解説します。

無知

無知とは知らないことや知識がないことを指す言葉です。当然知っていると思われることを知らなかったり、物事を理解し上手く処理する知恵を持ちあわせていなかったりする場合に使われます。

知らないこと自体を指している言葉であり、言葉自体にネガティブな意味合いはありません。しかし、「無知が招いた失態」や「相手の無知につけ込む」というようにネガティブな表現で多く使われます。

愚か

愚かとは、考えが足りない様子や頭の働きが鈍い様子を意味する言葉です。物事の認識や表現が不十分であり、理解が追いついていないことを表しています。また、心や気持ちが緩んでいる様子や未熟なことを指す際にも使われます。

疎い

疎いとは、特定の事柄に対しての知識や理解が充分ではない様子のことです。詳しく理解しておらず、精通してないことを表しています。

また、親しくない間柄や疎遠である相手を指す言葉でもあります。事柄に対しては知識が充分でないことだけを指しますが、人に対しては、わずらわしく心が傾いていないニュアンスが含まれます。

  • 知見の対義語

    知見の対義語は無知や愚かです

知見の使い方と例文

実際に見て知ったことを意味する知見は名詞であり、主語として扱うことができます。ここでは知見のさまざまな使い方を例文とともに解説します。

知見がある

既に見聞して得た知識を習得している状態を「知見がある」と表現します。また、物事に対する考えや意見を持っている様子でもあります。たとえば、「あの人は化学について知見がある」と表現できます。本人が現場で見聞した経験という土台があり、明確な意見を持っている場合には知見があるといえます。

知見を広げる

知識や経験を幅広く取得していくことを「知見を広げる」といいます。見聞することによって自分の知らない新しいことを学んでいく様子です。たとえば、「海外研修に行ったことで、知見を広げた」などと表現します。同じ意味合いで「知見を深めた」ともいえます。

知見がない

知識自体や自分で見たり聞いたりした知識を持ちあわせていないことを「知見がない」と表現します。たとえば、「その分野に対する知見がないため、これから勉強する」というように使うことができます。

  • 知見の使い方

    知見は「知見がある」という使い方をします

知見を正しく使いこなそう

知見は実際に見て知ることや、それによって得た知識のことを指す言葉です。知識は単に何かを知ることや理解することを表しますが、知見は自身で見たり聞いたりした体験が伴う言葉です。

知見と反対の意味を持つ言葉としては、知識がない状態や詳しい情報を持ち合わせていないことを意味する「無知」などが挙げられます。また、知見と近い意味を持つのは「経験」などの言葉です。知見と類語の意味を正しく理解し、上手く使い分けできるようにしておきましょう。