2022年劇団☆新感線 42周年興行・春公演「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」の公演詳細が11日、発表された。

  • いのうえ歌舞伎『神州無頼街』(左から福士蒼汰、宮野真守)

2021年秋、豪華キャストとアクション&アンサンブルチームと共に、“フルスペック”新感線として再発進した劇団☆新感線。42周年を迎える2022年春は、昨年コロナ禍により公演が叶わなかった「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」 を満を持して上演する。主宰・いのうえひでのり氏が、歌あり踊りあり立ち回りあり、そのすべてをショーアップさせて創り上げる、王道“いのうえ歌舞伎”最新作となる。

博識の若き町医者、秋津永流(あきつながる)を演じるのは主演・福士蒼汰。テレビドラマ初主演作品の『仮面ライダーフォーゼ』で中島かずき氏の脚本と出会い、2017年の新感線『髑髏城の七人』Season月<上弦の月>で初舞台を踏んだ。陽気でお調子者の口出し屋、草臥(そうが)を演じるのはトリを務める宮野真守。福士と同様『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>が新感線初参加だったが、今回は中島氏が彼のキャラクターに合わせて“当て書き”をしている。

共演には、新感線5回目の出演となり、シリアスもコメディも自在な堂々たる“準劇団員”松雪泰子、新感線初参加となる高嶋政宏。加えて、新感線3回目の出演となる木村了、新感線2回目の出演となる清水葉月。この4人が、富士の裾野に“無頼の宿(ぶらいのしゅく)”を開く、ワイルドかつ謎に満ちた侠客・“身堂蛇蝎(みどうだかつ)一家”を演じる。そして粟根まことのほか、お馴染みの劇団員たちも勢揃いし物語世界を支える。

大阪公演はオリックス劇場にて2022年3月17日〜29日、静岡公演は富士市文化会館ロゼシアター 大ホールにて2022年4月9日〜12日、東京公演は東京建物BrilliaHALLにて2022年4月26日〜5月28日。

■いのうえひでのり氏コメント
昨年の中止を受けて、これだけの短いスパンでほぼ同じキャスティングで改めて上演できるのは珍しいこと。絶対に上演する! という気持ちを、演劇の神様に「諦めずにやりなさい」と応援されたようで嬉しいです。
(福士)蒼汰とマモ(宮野真守)は、元々の『神州無頼街』の期間に上演した『浦島さん』と『カチカチ山』でそれぞれと徹底的に芝居が出来たことがプラスになりましたし、他の様々な仕事で経験を重ねて大きくもなった彼らと改めて関われるのは楽しみです。
松雪さんは今作では色っぽくもありつつ母性を感じさせる、大人の妖艶さを発揮してほしい。高嶋さんは“元祖ロック役者”という印象が強く、実は映画「ZIPANG ジパング」(90)で高嶋さんが演じた地獄極楽丸は、『髑髏城の七人』の捨之介の造形に影響を与えていて、一方的にご縁を感じていたので、やっとご一緒出来るのが嬉しいです。(木村)了ちゃんは、作品を重ねるごとに結果を残して安定しているので、そこを改めて新感線でも証明してほしいですし、(清水)葉月は『髑髏城の七人』Season 鳥(17)以来で、もっと早く一緒にやりたかったのですが、やっと実現します。
今年の『狐晴明九尾狩』が少年漫画とすると、『神州無頼街』は青年漫画。猥雑で色っぽく、日本の闇も関わるような内容も出てくる。といっても新感線らしい、劇画タッチのザッツ中島かずきワールドになると思います。
僕としては、音楽を多用したロックでお祭り騒ぎのような作品にしたい。この作品の上演の頃にはコロナが収束していて欲しいですね。そして打ち上げ花火になるような、思う存分みんなでワイワイ芝居を楽しめる公演に出来るよう、願いをこめて挑みたいと思っています。

■中島かずき氏コメント
ようやく『神州無頼街』が再スタートです。
一年半、間を置いたことで、キャスト・スタッフそれぞれが想いを凝縮して再始動に向かうはず。
医者の永流を演じる福士蒼汰くん、口出し屋の草臥を演じる宮野真守くん、それぞれ、去年の『浦島さん』『カチカチ山』でいのうえ演出をみっちり味わった経験を踏まえて、より深く新感線ワールドを体現してくれると期待しています。
一旦は決定稿になった脚本も、改めて見直して大幅な改訂を加えました。『狐晴明九尾狩』同様、3時間上演をめざして、可能な限りシェイプアップしました。でも、その分、ギュッと濃縮になった気がします。 今回は、血煙と砂埃舞う富士の裾野を闊歩する無頼の輩の幕末伝奇時代劇。 永流と草臥の好漢二人が自分の過去と対峙する、活劇青春譚でもあります。『狐晴明』とはまた一味違う、でもこれもまた新しいいのうえ歌舞伎がお見せ出来ると思っています。ご期待下さい。

■福士蒼汰コメント
中止から2年越しの上演は、念願の! といった気持ちです。劇団☆新感線に参加させてもらうたびに新たな刺激があるので、思う存分吸収・解放できればと思います。
なんといっても宮野真守さんとの共演は、今から楽しみすぎて、飛んでいってしまいそうです! 飛びすぎないように、いのうえさんに足を掴んでいていただきながら頑張りたいと思います。そして宮野さんからは学ぶことが本当にたくさんあるので、同じ時間を過ごせることを楽しみにしていますし、宮野ファンの一員としても、思いっきり楽しんじゃいます!
昨年残念ながら延期となってしまった分、今ステージではその無念を晴らしたいと思っています。たくさんの想いをぶつけられればと思いますので、ぜひお楽しみに!

■宮野真守コメント
劇団☆新感線への2度目の出演で、まさか当て書きに近い形で新作を書き下ろしていただけるなんて、夢のような出来事で光栄の至りでした。その作品が上演できなかった事は本当に本当に悔しくて。でも我々は希望を持って前を向き進み続け、上演にたどり着いたこと……感謝や感激では言い表せないほどの熱い想いが込み上げ、滾っています。当時、台本をもらった時から、「これは宮野の全力以上の全てを出さないといかんぞ……!」と、思うほどの役柄だったので、ドキドキしてる場合じゃないくらい気合が入っていました!今、2歳おじさんになって……(笑)むしろ、さらにパワーアップした宮野で臨めるよう、しっかり準備して、宮野の全てを捧げます(笑)
そしてついに、福士くんと舞台に立てます。福士くん、大好きです。その僕の熱い想いも乗ってしまうかもしれない(笑)
間違いなく最高に面白い作品です! そこに僕らの2年越しの熱い想いが乗っています……。絶対に、とんでもないエンターテインメントになるので、楽しみに待っていてください!