最近はキックボードや3輪タイプなど、小さな電動モビリティの普及に向けた動きを目にする機会が増えてきた。そんな中、ひそかに人気を集めている乗り物があるそうだ。「電動トゥクトゥク」である。どんな乗り物なのか、実物を見て話を聞いてきた。
人気の秘密は
ニューノーマル時代の“遊べるモビリティ&ギア”をテーマに開催された「アソモビ2021 in Saitama」で、ひと際目を引いたのがEV-LANDという企業のブースだ。
2020年8月から電動モビリティの販売を開始し、これまでに300~400台ほどを販売しているという同社。ブース担当者に聞くと、同社の商品は比較的、東京よりも西のエリアで多く売れているそうだ。中でも1番人気なのが、「EV-トゥクトゥク」だという。
この車両は道路運送車両法で「側車付軽二輪」に分類されるため、最大3名まで乗車が可能。普通自動車免許があれば運転できる。最高速度は40km/hだ。
2021年に登場した新モデルは2つのバッテリーを搭載可能で、1充電(家庭用100Vで1回約50円/1個)あたり最長160kmを走行できるという。「EV-トゥクトゥク」の人気の理由について、担当者は以下のように話していた。
「やはり3人乗れるので、用途が多様で利便性が高いところでしょうか。『アーバンストライカー』などはカッコいいんですが1人乗りなので、どちらかといえば趣味性が高く、バイクに乗られていた年配の方がよく購入されています。『EV-トゥクトゥク』の車両価格は66万円と低く設定していますし、維持費も車検などが不要なので、軽自動車と比べて圧倒的に安いところも支持されています」
紙ドライバーF氏が試乗! 評価は?
EV-LANDは会場外に試乗車を用意していた。現場には、マイナビニュースで「へなちょこ試乗日記」を連載中の紙ドライバーF氏がたまたま居合わせたので、急遽、試乗してもらうことにした。ここからは試乗の様子と合わせて、「EV-トゥクトゥク」の魅力をご紹介したい。
まずは、クルマと同じくキーを右に回して電源をオン。さすがはEVだけあって、始動音らしい音は一切しなかった。
電源が入ったら右ハンドルにあるスイッチで「D」(ドライブ)か「R」(リバース)を選択し、ブレーキロックを解除すれば準備OKだ。後は、ハンドル右のアクセルを手前に回せば走行可能になる。
操作は手だけで行い、足は一切使わない仕様。見たところ、操作性は原付をはじめとするATバイクに近そうだ。
今回の試乗はインストラクターの先導の下、さいたまスーパーアリーナの外周を1周するというもの。
試乗前に、「アクセルを手で操作する乗り物って、原付バイクに1回だけしか乗ったことがないんですよね。しかも、その時は田んぼに突っ込んでしまったんですが……」と語った紙ドライバーF氏。それを聞いて多少不安を覚えたが、黙ってその後ろ姿を見送った。
無事に試乗を終え、笑顔で帰って来た紙ドライバーF氏に感想を聞くと、「操作が簡単なので、ほとんどの人はすぐに慣れると思います。それに、3輪だから安定感もあるし、想像以上にいい乗り物ですね」とのことだった。
EV-LANDでは現在、完全予約制にて全国7カ所のショールームで試乗を受け付けている。気になった方は、実際に乗り味を試してみるのもオススメだ。ただ、同商品については、「バッテリーを充電中の部屋から発火した事案」(バッテリーと出火の因果関係は不明)について消防署が原因究明中で、EV-LANDとしては一時的に販売を控えている状態なので、欲しいという方は、そのあたりについて同社に問い合わせてみる必要があるだろう。