昨年から続く新型コロナウイルス禍で、思ったような就活ができていない、という人も多いかもしれない。就活のオンライン化が進んだことで、「友人との情報交換がしにくい」「他の就活生の状況がわからない」「リアルで説明会に参加する機会が少ない」「インターンシップへの参加の機会が少ない」などの影響を感じている人もいるだろう。

十分な就活ができないことが、自身の志向や適性と就職した業界や企業とのミスマッチにつながるのはなんとしても避けたいところ。そこで今回は、就活生の先輩に当たるマイナビニュース男女会員802人を対象にアンケート調査を実施。「就職する前と後で、業界のイメージにどのようなギャップがあったか」を聞いてみた。現在、就活に勤しむ皆さんは、ぜひ参考にしてほしい。

  • 就職する前と後で、業界のイメージにギャップはあった?

Q.今勤めている会社に就職する前と後で、業界のイメージにギャップはありましたか?

「はい」(54.4%)
「いいえ」(45.6%)

Q.就職する前と後で業界イメージのギャップについて、具体的に教えてください(自由回答)

■「サービス」

・「実際は業務が多岐にわたり、雑用も多かった」(40歳女性/サービス/専門職関連)
・「客から見えないところでの仕事が多い」(58歳男性/サービス/販売・サービス関連)
・「マッサージ業界だが、とにかく体力勝負で、人の肩こりや腰痛を癒す前に自分にその症状が出てくるという矛盾した状態が起きる」(43歳女性/サービス/販売・サービス関連)
・「面接時での説明で、未経験な業界ながら一般的な常識・認識・社会人経験で十分に対応可能と聞かされて転職。実際に業務の内容を知ると、専門的基礎知識の必要性に愕然とする事となり、試用期間中に猛勉強を強いられて大変でした。必須資格を取得していても、現実は厳しいことを学べました」(59歳女性/サービス/技能工・運輸・設備関連)

■「流通・チェーンストア」

・「もっと定時に帰れると思っていたが、夜に現場に向かう機会が多く戸惑った」(54歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「スーパーは少ない人数で運営していると思っていましたが、実際はたくさんの人によって運営されています」(52歳男性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「小売り、サービス業は給料が低いイメージであったが、残業が多いぶん、思っていたよりも多かった」(40歳男性/流通・チェーンストア/営業関連)

■「繊維・アパレル・専門店」

・「アパレルは華やかだと思っていたが、意外と力仕事が多い」(35歳女性/専門店/販売・サービス関連)
・「子ども服業界は夢があるものだと思っていたが、実際には原価重視で、なかなか希望のものが作れなかった」(38歳女性/繊維・アパレル/事務・企画・経営関連)

■「レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連」

・「サービスで接客だけのつもりが、パソコンで資料作りや雑用がメインだった」(37歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/販売・サービス関連)
・「アミューズメントの仕事をしていますが、提供する側は苦労が絶えません。お客様は楽しむために来ているので、少しでも落ち度があると一気にクレームになります。本当に辛い仕事です」(52歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)

■「フードビジネス」

・「華やかな世界だと思っていたが、下ごしらえや経理で大変だった」(40歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「飲食業界は3Kと言われるよくないイメージが蔓延していたが、実際に働いてみると大変さもあるが、それを上回る充実感や満足感を得られた」(38歳男性/フードビジネス/その他・専業主婦等)

■「食品」

・「パソコンを駆使して淡々と業務を行うホワイトカラーをイメージしていたが、意外と肉体労働も多い」(42歳男性/食品/営業関連)
・「業務内容が考えていたよりも多岐にわたり、残業も多いところ」(48歳女性/食品/営業関連)
・「清涼飲料水製造工場はお客様のために頑張れる楽しい世界だと思っていたが、いろんな法律の届け出やしがらみがあり、とても大変な仕事であると感じました」(28歳男性/食品/技能工・運輸・設備関連)

■「ソフトウェア・情報処理」

・「人と会話しなくていいと思っていたら、そんなことはなかった」(45歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「最新の技術に触れられると思ったら、枯れた技術で開発したシステムの保守をずっとやっている」(54歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「ソフトウェア業界にいます。技術的に先端をいっているので、もっとスマートで洗練された営業スタイルかと思いきや必ずしもそうではなく、泥臭い昔ながらのネゴシエーションが必要なことも多々あります」(49歳男性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)

■「システムインテグレータ」

・「当初は頭脳がメインの仕事だと思っていたが、体力のほうが大切だと感じた」(56歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)

■「その他電気・電子関連」

・「組み立て作業が好きだったので製造業に入ったが、組み立てだけではなく、作業員の管理、製造部分の不具合発生の処理だった」(41歳女性/その他電気・電子関連/その他技術職)
・「デジタル機器の部品の製造をしている。当然製造過程もデジタル化されていると思っていたが、実際に携わってみるとアナログの要素も多々あり、驚いた」(52歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「入社前は単純に電気を送電する仕事、デスクワークがメインと思っていました。入社後はメンテナンス面が大切であることが判明し、そのメンテナンス業務が大変であることもわかりました。慣れるまでギャップの差異をどの様に埋めるか、迷いながら今に至ってます」(56歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)

■「精密機器」

・「製造業のものづくりは単調だと思っていたが、奥が深く繊細だった」(45歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)

■「医療・福祉・介護サービス」

・「歯医者はゆっくり診療してるのかと思ったが、実際は安全確実さを確保しながらスピーディーに気を配りながらやらないといけない大変な職業だった」(42歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「介護職は肉体的にハードワークだから人員不足だと思っていたのですが、実際には先輩との相性など人間関係のストレスで転職が多くチームワークが機能しないので『人数には余裕があるのに手が足りない』状態が慢性的だと知りました」(58歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「介護業界はとにかくキツいだけかと思っていたが、高齢者は良い人が多く、癒やされたり救われたりすることが多い」(49歳男性/医療・福祉・介護サービス/その他技術職)

■「化粧品・医薬品」

・「医療関係は勤務中にもう少し専門的な勉強ができるかと思っていたが、そうではなかった。とにかく雑用が多い」(59歳女性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「製薬は腰を据えて研究していくものだと思っていたが、出入りが激しかった」(43歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)

■「海運・鉄道・空輸・陸運」

・「もっと単純で簡単だと思った。体力も精神力も使う、日本の基盤になる仕事だと改めて思った」(40歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/その他・専業主婦等)
・「港湾で仕事をしている。男性の職場というイメージが強いが、意外と女性も活躍していた」(39歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「トラックドライバーをしている。休日なしに働いてもっと稼げると思ったけど、仕事が減りあまり稼げない! 働き方改革で週休2日とれて、ちょうどいい感じ! イメージと正反対!」(50歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)

■「物流・倉庫」

・「ここまで肉体労働だと思わなかった」(46歳男性/物流・倉庫/その他・専業主婦等)
・「単調な仕事だと思ったら、常に動かなければならない、きつい仕事」(46歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)
・「ネット通販物流業は体育会系のブラック労働だと思っていたが、ほぼ誰とも話さずに仕事するため、肉体的にはともかく精神的にはストレスフリーで有り難かった」(47歳男性/物流・倉庫/販売・サービス関連)

■「輸送用機器」

・「華やかなイメージだったが、細かい事務的な仕事が多かったりする」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「自動車メーカー側でも、基礎研究的な地味な業務も多い」(43歳男性/輸送用機器/メカトロ関連技術職)

■「建設・土木」

・「もう少しシステマティックな仕事をイメージしていたが、実際はマニュアルなど一切なかった」(41歳男性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「建築業界は男だらけの業界だと思っていたが、そんなことはありませんでした。事務所内には図面書きのオペレーターとかたくさんいるし、現場にも女子が大勢働いているのには驚いた」(59歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「建設業の事務として勤めています。就職前は建設業には正直あまりいいイメージがなく、暑い・キツイ・大変と思っていたが、そういう仕事が日常の生活を支えていること、本当に縁の下の力持ちなんだなと近くで見て感じることができた」(31歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)

■「ビル管理・メンテナンス」

・「清掃業界は楽かなと思ったら、想像以上に体力を使ったことです」(37歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「ただ事務所に詰めているだけで良いラクな仕事と思ったら、意外に動き回る必要の多い仕事だった」(52歳男性/ビル管理・メンテナンス/技能工・運輸・設備関連)

■「不動産」

・「不動産業界ですが、それほど大きな土地や建物の売買があるわけではなく、動く金額も少額であることが多いです」(45歳男性/不動産/事務・企画・経営関連)
・「不動産業界の人は客商売なので人当たりが良いと思っていましたけど、意外と人と接触したくない人も多いのでびっくりしました」(48歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)

■「鉱業・金属製品・鉄鋼」

・「機械を使っての仕事が多いと思っていたが、意外と手作業の仕事が多かった」(53歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「大きな企業なので最新の設備等揃っていると思ったら、そうでもなかった」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/事務・企画・経営関連)

■「ガラス・化学・石油」

・「研究開発に取り組めると思ったが、雑務が多い」(27歳男性/ガラス・化学・石油/その他技術職)

■「ゴム」

・「工場での生産業が初めてだったので想像もあまり出来なかったが、機械頼りの生産では無く、微妙な調整が必要で人間の技術が必要だった」(38歳男性/ゴム/技能工・運輸・設備関連)

■「教育」

・「デスクワークが主だど聞かされていたが、取材や挨拶等、外出も多く違和感を感じた」(57歳男性/教育/IT関連技術職)
・「学校の事務はデスクでの業務がほとんどだと思っていましたが、勤めてみて先生や生徒との関わりも多く、思っていた以上に忙しかったです」(31歳女性/教育/事務・企画・経営関連)
・「収支や利益へのこだわりが私のイメージとは全く違いました。学校法人なので収支はトントンで良いと思っていたのですが、やっぱり利益にこだわっています。その理由も納得のいくもので、もし利益が上げれなかったら満足な講師も雇えない、災害時には専用のバスで送り迎えしてでも教育を続けるといった理由です。理由に大小はありますが、すべて納得のいくものです」(59歳男性/教育/事務・企画・経営関連)
・「現在、教材の編集の仕事を担当中。就職前:このような仕事があるということに驚いた。就職後:縁の下の力持ちといった仕事ではあるが、極めて重要な仕事だと感じるようになった」(41歳男性/教育/クリエイティブ関連)

■「広告・出版・印刷・情報通信業」

・「新聞社は忙しいイメージだったが、事務職は普通だった」(47歳女性/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「営業でいろいろなお客さんと会えると思ったが、実際は配送だけの感じだった」(56歳男性/広告・出版・印刷/営業関連)
・「全体的に暗いイメージだったけどそんなことは全然なく、アットホームなほっこりした印象」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「情報通信業でスタイリッシュなイメージだったが、営業職はどさ回りそのものだった」(39歳男性/放送・新聞/営業関連)

■「金融業界」

・「金融業っていきいきしてる人が多いイメージだったが、実際はノルマが厳しくめっちゃ疲れる」(33歳女性/銀行/営業関連)
・「硬いイメージの強い業界でしたが、入社したらそうでもなかった」(53歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「証券はノルマに追われて大変そうなイメージだったが、そこまでではなかった」(46歳男性/証券・投資銀行/事務・企画・経営関連)
・「生命保険会社は、給料が年功で右肩上がりかと思ったが、そんなことはなかった」(49歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)

■「官公庁」

・「公務員(技術系)に就職しましたが、残業が多くて驚きました」(57歳男性/官公庁/建築・土木関連技術職)
・「公務員は8時5時だと思っていましたが全くそんなことはなく、また、気持ち的にも一般の会社の方がよっぽど負担がないと感じることもあります」(48歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「みんなが真面目で硬い雰囲気なのだと思って、自分もかなり硬くなっていたが、どちらかというとゆるい雰囲気で、人間関係もあっさり、さっぱりしていた」(59歳女性/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「職員すべてが知識が豊富で何でもできると思っていたが、実際は個々の部署ごとに専門的な知識を有していた」(56歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「役場の仕事だと思っていたが、老人ホームだった」(56歳男性/官公庁/公共サービス関連)

■「警察・消防・自衛隊」

・「もっと体を動かすと思っていたが、事務仕事が多かった」(34歳男性/警察・消防・自衛隊/公共サービス関連)

■「公益・特殊・独立行政法人」

・「公共的な仕事なので楽かと思って転職したが、実際は人員も少なく、何かと忙しい仕事だった」(50歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)

■総評

調査の結果、現在就業しているマイナビニュース会員のうち、今勤めている会社に就職する前と後で、業界のイメージにギャップが「ある」と答えた人は54.4%と、半数以上の人が何らかのギャップを感じていることがわかった。

就職する前と後での業界イメージのギャップについて、具体的に聞いた。全体に目立った回答としては、「デスクワークがメインと思っていたが、意外に肉体労働が多かった」や、「もっと体を動かすと思っていたが、事務作業が多かった」など、想像していた業務と実態が食い違っていた、というものがあった。

とくに、「ソフトウェア・情報処理」「インターネット関連」「システムインテグレータ」といったIT関連の企業では、予想していた先端の仕事内容と、実際のアナログな勤務環境や営業スタイル、人間関係などにギャップを感じている人が多い。

あるいは、研究職を志向している人が「研究や勉強ができると思ったが、日常業務に忙殺される」、ゼネラリスト志向の人が「専門性に特化した部署だった」など、本来求めていた働き方ができない、という声も聞かれた。

また、「レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連」「広告・出版・印刷」「放送・新聞」「官公庁」「教育」などの華やかであったり、硬いイメージを抱きやすい業界では、予想外に地味、あるいは思ったよりも明るい職場だったりと先入観を裏切られる体験をする人が多いようだ。

そのほか、「残業が多い」「雑用が多い」「作業が過酷」「思ったより暇」「意外と低賃金」などが、各業界に共通して見られる感想となっている。

今回の調査では、会社員の多くが就職の前後で、業界イメージのギャップを感じていることがわかった。ただ、ここでのイメージは業界全体に対する、あくまでもざっくりしたものであるはずだ。そして今回のアンケートで紹介したのは一意見であり、勤めている企業や団体によっても、そのイメージは大きく異なるだろう。

これだけの社会人が、入社前後で業界のイメージにギャップがあったという点を踏まえ、「実際はどうか?」という視点を大切に業界研究を進めていただけたらと思う。

調査時期: 2021年9月12日
調査対象: 就業しているマイナビニュース男女会員
調査数: 802人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません