グループ在籍時代は「楽しむ」ことを意識していたという長濱。「フェスやライブでは、自分たちが楽しんでいることが伝わって皆さんと一体になりたいと思っていたので、楽しいという気持ちを伝えようと考えていました」。

楽しむという意識は今も大切に。「人に楽しさやハッピーなことを届けるためには、自分を犠牲にするのではなく、自分自身もポジティブに楽しんでいたいなと。ネガティブに流されそうになったら、自分でポジティブなほうに引っ張るようにしています。それはアイドルのときから変わらず意識しています」と語る。

そして、「ステージに立っていろんな方にパフォーマンスを見てもらうというのはなかなかない経験なので、すごく貴重な時間でした」と当時を回顧。「落ち込んだり、人と比べてしまうことも多かったですが、すごく楽しい時間だったなと思います」と振り返る。

さらに、「あの時間が今の自分を作っている」と言い、「人見知りではなくなりました。また、歌とパフォーマンスのほかにもいろんなことにチャレンジさせていただいたので、いろんなことに挑戦してみたいという好奇心が芽生えました」と自身の変化も語った。

グループ内のポジション争いなどもあり、もがいているアイドルもいる。そういった人たちへのアドバイスを求めると、「自分は将来的にどうなりたいのか、そういう目標を作ると、肩の力が抜けて少し楽になるかなと思います」とメッセージ。「それぞれ個性があり、全然違う人たちの集まり。その中で自分は何がやりたいのかを考えていました」と自身の経験を語った。

今は1人のタレントとして自分の意見を求められる場面が多いが、「背伸びしないことを心がけている」とのこと。「年上のタレントさんや作家さんとご一緒するとき、その方たちについていこうとして難しい言葉を使ったり、難しいことを言おうとすると、自分の気持ちが見えなくなるので、等身大の思ったままの発言ができたらなと思っています」。ただ、TIFのチェアマンの仕事に関しては「アイドルの方の魅力を引き出すことが大事だと思うので、ちゃんと勉強して臨めたら」と事前に出演アイドルのことをしっかり調べておくつもりだ。

最後に今後の目標を尋ねると、「最近はいろんな人がいろんなことに垣根なく挑戦している姿を見ることが多く、すごく素敵だなって思っています。私もやりたいことがたくさんあるので、1つずつ叶えていき、楽しい人生にできたら」とにっこり。「例えば、本を子供たちに勧めたり、海外に行って素敵な本を集めたり、そういったお仕事ができたらうれしい」と本好きで知られる長濱ならでは目標を掲げ、「大きな庭のある家に住みたい」という夢も笑顔で語った。

■長濱ねる
1998年9月4日生まれ、長崎県長崎市出身。2015年、欅坂46のメンバーとしてデビュー。2019年にグループを卒業。現在はテレビ・ラジオのMCやエッセイの執筆連載など、幅広い分野で活躍している。