東京商工リサーチは8月4日、「2020年 全国社長の年齢調査」の結果を発表した。同調査は、同社の企業データベース(約400万社)から2020年12月時点の代表者の年齢データを抽出、分析したもの。

2020年の全国社長の平均年齢は、62.49歳と前年より0.33歳上昇。2009年の調査開始以来、2019年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいることを示す結果となった。

  • 社長の平均年齢推移と年齢分布

    社長の平均年齢推移と年齢分布

年齢分布をみると、70代以上の構成比が前年比1.43ポイント上昇の31.8%と、2年連続で最多レンジに。一方、60代と40代、30代以下が構成比を落としたなか、50代が2年連続で構成比を上げた。

  • 社長の年齢別業績状況

    社長の年齢別業績状況

社長の年齢別の業績を見ると、直近決算で減収企業の社長は60代が48.8%、70代以上も48.1%を占める結果に。一方、「増収」は30代以下で54.2%と最も大きく、年齢と反比例する形で70代以上は39.2%と4割を下回った。さらに、70代以上は、「赤字」や「連続赤字」の割合が全年代で最も高く、社長の高齢化と業績不振との関連性がうかがわれる結果となった。

また、2020年に「休廃業・解散」した企業は4万9,698社。その社長の平均年齢は70.23歳と初めて70代に到達。生存企業の社長より7.74歳高く、70代以上が約6割(構成比59.7%)を占めるなど、高齢化で事業継続を断念する社長が増えていることが読み取れた。

  • 都道府県別 社長の平均年齢

    都道府県別 社長の平均年齢

都道府県別では、30道府県が全国平均の62.49歳を上回り、社長の平均年齢の最高は、6年連続で「高知県」(64.61歳)がトップに。次いで、「秋田県」(64.53歳、前年64.13歳)、「山形県」(63.96歳、同63.67歳)、「岩手県」(63.90歳、同63.70歳)、「長崎県」(63.76歳、同63.33歳)と続いた。一方、最年少は2年連続で「広島県」の61.23歳(前年60.93歳)だったが、初めて61歳を上回った。

産業別では、「不動産業」の64.23歳が最も高く、次いで「卸売業」(63.50歳)、「小売業」(63.36歳)と続き、最低は「情報通信業」で57.56歳だった。年代別の年齢分布では、70代以上の比率は不動産業が39.4%で最も高く、2位の小売業35.0% に4.4ポイントの差を付けた。一方、30代以下では情報通信業が6.0%と突出して高く、40代で も20.3%で唯一20%を上回った。