また、自分が思うような仕事ができず、密かに悩んでいる莉子には、今田も非常に共感できたとか。「私もそう思うことはたくさんあります。例えば、あとで振り返った時、あの時のお芝居をもっとこうしていれば、と思ったりしますし、こういう取材を受けている時も、もっとこういうことが言いたかったのにと、あとですごく悔しくなったりもします」

そんなふうに後悔するようになったのは、いつ頃からか尋ねると、今田は「葛藤はずっとあります」と言う。「20歳を過ぎて、21、22歳くらいまでは、なんであの時できなかったんだろうと、常に後悔していたんですが、当時はそれよりも明日、あさってというか、とにかく現状でめいっぱいの状態だったから、そこまで気が回らなかったのかもしれないです。私は今、24歳になりましたが、逆に今のほうがいろいろと考えることが増えた気がしています」と述懐。でも、そういう今田だからこそ、莉子役にリアルな心情を乗せられるのではないだろうか。

最後に『おかえりモネ』という作品自体の魅力についても聞くと「こんなに天気に関わっている方々がたくさんいて、気象予報士さんがみんなで意見を出し合いながら、その日の天気をみなさんにお伝えしていて、そこにはいろんな想いがあるということを、今回初めて知りました」といろんな発見があったと言う。

さらに「天気予報は不特定多数のみなさんに届けるということで、お伝えできる部分は短いけど、そのなかにいかにして情報を詰め込むかと、みなさんのなかでいろんな苦労があるんだなと、私も勉強になりました。また、ドラマを観ると気分が晴れるというか、天気も気になるし、自然がとても気になるなと。『山も海も空も全部つながってる』というモネの台詞は私もすごく大好きです。ドラマを観ると、深呼吸したくなります」と清々しい笑顔で語った。

遂に舞台を東京に移した『おかえりモネ』。東京編でも今田をはじめ、魅力的な新キャストが登場する。新しい出会いを果たしながら、モネは新米気象予報士として、どうたち振る舞っていくのか注目だ。

■今田美桜(いまだ・みお)
1997年3月5日生まれ、福岡県出身。19歳の時に現在の事務所への所属をきっかけに上京。ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(18)で話題になり、その後、映画・ドラマ・CMなどで幅広く活躍。ドラマの近作は『親バカ青春白書』(20)、『恋はDeepに』(21)など。映画の近作は『ヲタクに恋は難しい』(20)、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(20)、『東京リベンジャーズ』(公開中)など。

(C)NHK