映画『キャラクター』(6月11日公開)の大ヒット御礼舞台挨拶が22日に都内で行われ、Fukase(SEKAI NO OWARI)、永井聡監督が登場した。

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    Fukase

同作は長崎尚志、川村元気、村瀬健のヒットメーカー3人が10年の歳月をかけて練り上げたオリジナル作。漫画家として売れることを夢見る主人公・山城圭吾(菅田将暉)は高い画力があるにも関わらず、お人好しすぎる性格ゆえにリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。ある日殺人事件とその犯人(Fukase)を目撃した山城は、犯人をキャラクターにサスペンス漫画を描き、異例の大ヒットとなるが、作品を模した事件が次々と発生してしまう。そして、山城の前に再び男が現れ「両角って言います。先生が描いたものも、リアルに再現しておきましたから」と告げる。

殺人鬼役で演技に初挑戦したFukaseは「1番面白かったのが、うちの母からの話で、『映画を見終わった父が、家中の戸締まりを確認してた』と言ってました。『息子だぜ?』と思いました」と苦笑。「評論家の方とかが、『これはもしかして地なのでは』とか言うんですけど、はっきり言っときます、演技です! 1年半練習しました! 普段は虫も殺さぬような性格です。こんな風評被害が出るとは思ってませんでした」と主張した。

そんなFukaseについて、永井監督は初めて食事をした時の印象を「見た目は、グレた5月人形みたいな……」と表す。「時々、真剣になる時の目がすごい怖いんですよね。だから両角をやる時も、瞬きしない方がいいよって。ライブの時とかの睨みつけるような目もぞくっとするので、それは怖いなと思いました」と明かした。

この日は主演の菅田将暉からのメッセージも届き、Fukaseは「来てねーのに、いいところもってくなあ!」とツッコミ。内容(後述)を聞いたFukaseは「普通にジーンときちゃった。良い文章書くなあ、と思いました」と心境を吐露し、「何かしらの良い音楽が流れてたら泣いてたと思います」と笑いを誘う。菅田については「役者さんとしては先輩なので、年は下なんですけど、兄貴的存在でした」と語り、「ラジオの生放送で『LINEの既読がつかない』と文句を言ったらすぐLINEが来て、また返信すると既読つかないみたいなことになりそうだから、1回返信して僕の方が止めました」とラリーが行われた様子。メッセージの中で「家に行きます」と宣言していた菅田に対し「この状況が落ち着いたら、神木(隆之介)くんと2人で来てくれるって言うから、どうしようかなあ、何作ろうかなあと思ってます。あの2人食事の趣味合わなそうだから考えます」と思案していた。

菅田将暉 手紙全文

おつかれさまです。菅田です。お元気ですか? 僕は元気です。今日も早起きですか? バトミントン、しましたか? 正直、アクティブなFukaseさん、未だちょっと慣れませんが、ギャップだらけで、ご一緒してる時間は楽しかったです。

本日、そちらに伺えずすいません。舞台挨拶どうですか? 慣れましたか? その景色は、僕らがいつも見る景色で、自分の作品を観てもらい不安と高揚と感謝が混じる不思議な景色です。僕は未だに毎回ドキドキします。まだ慣れません。舞台挨拶ではないですが、初めて自分の映画を観たときはよくわからない敗北感でいっぱいになり、気付いたら泣いてました。Fukaseさんはどうでしたか? 自分が演じてるということ、どうでしたか? 自分のシーンは薄目でしかまだ観れないとおっしゃっていましたが、観終わった後どんな顔だったのか、ちょっと見たかったです。自分じゃないけど自分が映っていて、演じているけど演じてなくて、お芝居って面白いなと思います。嘘だとわかって観ているのに、いつの間にかその世界に入っていって、気付いたら泣いてたりして。映画館独特の閉塞感、なんか特別だなと思います。そして、そんな不思議な時間を楽しんでもらえてると幸いです。

映画『キャラクター』の日々は音楽の世界とは全然違う時間で本当に大変だったと思います。 終わった時に「楽しかった」と言ってもらえた時、少しほっとしました。それが僕らの目標でした。やったぜ。

宣伝活動等も本当にありがとうございました。お疲れ様でした。打ち上げもできないレアケースでの現場でしたが、僕は本当に楽しかったです。刺激だらけでした。がっつりお芝居できて丁寧に役と向き合っていくその姿は本当に美しかったです。震えてる指先、どこまでも深い黒目、 心地よい声、しばらく焼き付いて離れないと思います。両角、最高でした。Fukaseさんの代表作になること、胸張って「俺の映画だ」と言えること、祈っております。

僕は間違いなく、映画『キャラクター』はFukaseさんの映画だと思っています。出演してくださり、本当にありがとうございました。今しかできないものが、できた気がします。また共演できること楽しみにしています。ゆっくり、休んでください。あ、家行きます。

菅田将暉