映画『それいけ!アンパンマン チャポンのヒーロー!』(上映中)でチャポンの声を演じた蒼井優。親子で大好きだという『アンパンマン』の声優を務めた感想や、今の仕事に対する思い、母親になってからの変化などについて話を聞いた。
――親子で『アンパンマン』大好きとのことですが、蒼井さん自身もご覧になっていましたか?
幼少期から『アンパンマン』は常に近くにいる存在なので、もちろん好きです。
――いつか『アンパンマン』の声優ができたらという思いもありましたか?
まさか縁はないだろうと思っていました。昨年、高校の同級生の上戸彩ちゃんが映画『アンパンマン』の声優を務めて、私もやりたいとかではなく「いいな~素敵なお仕事だな」と思い、彩ちゃんがやることを私も勝手に喜んでいました。その翌年にまさか私にお話が来るとは思ってなかったです。
――同級生の上戸さんからバトンを。上戸さんには報告しましたか?
公表されたらすぐ彩ちゃんから「言ってよ!」と連絡が来て、すごく喜んでくれました。
――お子さんにバレないように声を変えて演じたとのことですが、どのような意識で演じましたか?
この作品は成長物語でもありますが、チャポンの見た目がわかりやすく変わるわけではないので、声でその成長をお届けできたらいいなと思いました。
――かわいい感じからたくましい感じに?
そうですね。アンパンマンに憧れて変わっていく様子を声で表現できたらと意識しました。
――お子さんが混乱しないように、声優を務めたことを内緒にしているとのことですが、見終わったら伝えるのでしょうか。
本人が気づくまでは言わないでおこうと思っていますが、とりあえず映画を見るまでは気づかないで純粋に楽しんでもらえたらと思います。
――2019年6月に山里亮太さんと結婚されてから6年、そして2022年8月にお子さんを出産されてからまもなく3年となりますが、改めてご結婚と出産によってご自身がどう変わったかお聞かせください。
強くなったなと思います。絶対に変わらない優先順位の1位が子供に決まったので。私はそんなに強い人間ではないので、優先順位が他者になったり、自分になったり、仕事になったり、変動していましたが、絶対に守らなきゃいけない存在が生まれて、それによって力をもらっています。
――仕事との両立に関して葛藤することもありますか?
そうですね。なんで働いているんだろうと思ってしまう時もありますが、働いている自分を責めちゃいけない。葛藤した時は周りのママを見るようにしていて、お友達のママもそうですけど、街にいるママやパパ、働きながら子育てしている人たちを見て、同じように一生懸命頑張っている仲間がいるんだと、勝手に仲間意識を持つことで力をもらっています。
――仕事に復帰せず子育てに専念するということも選択肢として考えたことはあったのでしょうか。
専念したいなという気持ちと、みんなでものを作ることがとても好きだなという気持ちで揺れ動き、「よしやるぞ!」と決めてからも、これでいいのだろうかと思うことはありました。優先順位1位の子供という存在ができて、「子供がいるからこの時間には帰ります」というお話をさせていただくこともあるので、今までだったらいくらでも撮影していたものにリミットをお願いしてしまうことに対する自分の中での折り合いのつかなさに慣れるまでに……まだちょっと心がしぼみそうなときはあります。いいものを作るためだったら寝ないでいいという感じでやってきたので。
――そういう時は「絶対に守るべきものがあるんだ!」と心を強く持つように?
そうですね。全力で子供と遊ぶようにしています(笑)