具体的なアドバイス

それでは具体的なアドバイスをみていきましょう。

ご主人と家計について話し合い、支出削減に努める

ご主人の単身赴任で2拠点生活が始まったというQさんご家族。一時的とはいえ、これまでご主人と2人で守られてきた家族の生活拠点をQさん1人で担うようになり、さまざまな負担がかかっていることと想像します。お仕事との両立は大変なことも多いと思いますが、頑張っていただきたいです。

Qさんが仰るように、今の家計状況やお子様たちの教育費などを考えると今のQさんの収入は確保していただくのが望ましいです。他にもご夫婦の老後資金なども考える必要があります。

そうすると、家計改善のためには支出削減に努めることが第一です。2拠点での生活で家賃や光熱費等々、二重でかかるのは仕方ないですが、気になったのがご主人の食費とお小遣いが高めであることです。

おそらく単身赴任が始まったばかりで、新任地でのお付き合いがあったり、自炊に不慣れで外食が多いのかもしれません。しかし、食べ盛りのお子様2人がいるQさんのほうの食費が6万円であるのに対し、ご主人1人で5万円かかっているというのは、1カ月のほとんどを外食などに頼られている印象を受けます。

外食でお金をかけるのであれば、お小遣いはもう少し減らしてもらうことはできないでしょうか。現在の収支は月2万円の赤字で貯蓄から取り崩されていることを説明し、節約する方法をご主人と話し合ってみてはいかがでしょうか。仮にこのまま毎月2万円ずつの取り崩しが続けば3年間で72万円取り崩すことになってしまいます。

3年の単身赴任が終わる(予定の)ときにはご長男は高校進学を迎える頃で、受験料や進学費用がかかります。現状で月々の貯蓄をしていくのは厳しいかもしれませんから、せめて取り崩しを防ぎ、貯蓄を減らさないようにご主人にも協力してもらえればと思います。

食品のまとめ買いなどの工夫で食費節約に挑戦

Qさんの1つ目のご相談について、もう少し具体的な方法を考えてみましょう。

まずはやっぱり、ご主人の食費を減らしたいですが、お仕事などで疲れているとスーパーに買い物に行ったり、自分1人のために食事を作りたくないかもしれません。Qさんご自身もそう思うこともあるのではないでしょうか。

そこで、できるだけ家で食べるようにしつつ、あまり調理しなくてもいいように、定期的に食事をまとめてQさんから送ってあげるのはいかがでしょうか。Qさんが作った惣菜などを送るというのではなく、たとえばネットでまとめて購入したものをご主人宅に配送してもらう方法です。

たとえば、レンジで温めるだけのパック入りご飯、レトルトのお惣菜セットなど、最近では便利な食品がたくさんあります。15食分、20食分などまとめて購入できるものも多くあります。ご主人の好みや栄養管理などを考えながらQさんが注文して送ってあげると食費を節約できるのではないでしょうか。Qさん自身もたまに手抜きをしたいときに利用できそうです。

いつもレトルト食品というのも飽きてしまいますから、時々ネットスーパーなどで生鮮食品なども注文して送ってあげたり、注文した食材を使ったレシピをメールで教えてあげたりするのもいいでしょう。最初のうちはお互い大変かもしれませんが、慣れてくればご主人も料理を楽しく感じてくれるかもしれません。単身赴任で料理に目覚め、家族のところに戻る度に料理を振る舞うようになった男性もいるようですよ。

テレワークや有給休暇取得の申し出などで、仕事と家庭の両立を

2つ目のご相談ですが、先にも申し上げたように、できればQさんには今の就業を頑張っていただきたいのが率直な回答です。あくまでファイナンシャルプランナーとして、Qさんの家計の現状と将来的な貯蓄の必要性を考えて申し上げていることをご理解いただければと思います。

家事や育児とのバランスを保ちながら続けられる働き方としては、時短勤務やフリーランスになって会社に縛られずに働く方法などがあります。しかし、今より収入が下がるケースがほとんどです。残念ながら、よほど時給や報酬の良い仕事でない限り、就労時間が短ければ給料も少ないですし、フリーになってすぐに満足のいく収入を得るのは難しいです。

対策としては、Qさんの職種や職場の状況にもよりますが、テレワークできるよう会社にお願いしてみるのもひとつの方法です。コロナ禍でテレワークをする人も増え、「効率が悪い」とか「余計に労働時間が増えた」というような話も聞きます。それでも通勤にかかる時間やストレスが省けるメリットもありますし、身体的な疲れも軽減されるかもしれません。

もしもテレワークができないお仕事でしたら、リフレッシュのためにも時々有給休暇の取得を申請してみてはいかがでしょうか。有給休暇の取得に対してQさんの職場がどのような対応を取られているかわかりませんが、2019年4月から有給休暇の取得義務制度も始まっていますし、休暇を取りやすくなっているのではないでしょうか。

2人のお子様も10歳と12歳で、もう自分のことは自分でできる年齢になってきていると思います。子どもたちが小さかった頃にもお仕事をされていたかどうかはわかりませんが、その頃に育児との両立を頑張ってこられたことを思い出せば、今も毎日を頑張れるのではないでしょうか。母親が頑張っている姿はお子様たちの将来の力にもなると思います。

どうしても疲れてしまったら、実家のご両親に手伝いに来てもらったり、夏休みなどの長期休暇にご主人のところに数日間子どもを預けて、Qさんの大変さをわかってもらうのもいいかもしれません。

とりあえずは3年間の期間限定の単身赴任と信じ、夫婦で協力し合って乗りきってください。


今回の相談内容と皆さんの家計簿に似ている部分があるようでしたら、ぜひともFPの方のアドバイスを参考にしてみてくださいね。