夫婦の新生活が始まると同時に、家事の分担について考える家庭も少なくないだろう。家事=妻がやるものといった考えを持っていると、夫婦生活において問題が起きる可能性もある。共働き世帯が増えている日本では、家事は夫婦で協力するべきなのかもしれない。
今回は、すでに結婚生活を送っている既婚マイナビニュース女性会員607人に、新生活時の家事分担について、妻が受け持つ割合と内容について調査した。
Q.新生活の際、夫婦間の家事分担において、あなたがしている家事の割合はどのくらいでしたか?※回答数が多い順。
「10割」(すべて自分がしていた)(28.7%)
「9割」(20.4%)
「8割」(18.7%)
「5割」(13.0%)(夫婦半々)
「7割」(12.3%)
「6割」(4.0%)
「4割」(1.2%)
「0割」(まったくやらなかった)(0.7%)
「3割」(0.5%)
「2割」(0.2%)
「1割」(0.2%)
Q.具体的に、どのように分担していましたか?
「10割」(すべて自分がしていた)
(28.7%)
・「仕事がパートで時間があったから私がしていたが、分担すれば良かったと今は思う。最初に分担しないと、いつまでもするはめになる。旦那は手伝うという感覚になり、未だにいちいち言わないとしないし、こちらが何故かしてもらうという感覚になる」(55歳/埼玉県)
・「主人の仕事が忙しいから分担はしていない。時間的にもすべて私ができるので問題ない」(58歳/大阪府)
・「主人は忙しかったので、定時で帰れる私がほとんど行いました。食事に関しては、同じ会社でしたが、昼と夜は食堂がある会社だったので助かりました。休日は、作ったり外食したりしていました」(63歳/東京都)
・「夫は家事をするタイプでなく、私がすべてやっていた」(44歳/大阪府)
・「帰る時間も私のほうが遅いのに、すべて私がやっていた」(30歳/岡山県)
「9割」(20.4%)
・「ゴミ出しと重い買い物以外は自分がしていた。ゴミ出しも、ほとんど自分かもしれません」(48歳/北海道)
・「夫は夜勤勤務があったので、ほぼほぼ私が全般に担当していた」(64歳/東京都)
・「明確な分担はなし。やれる人がやる。割合的にはほとんど私だと思うけど、掃除や家事のやりかたに何かを言われたことはないから、ストレスにはなっていないのがすごく嬉しい。家事が苦手な私でも、ずっと続けられる」(39歳/沖縄県)
・「助けてほしいときだけ、お願いをする形をとっていた」(40歳/香川県)
・「ゴミ出しだけ旦那、ほかは私。旦那は帰りも遅く、分担できなかったから一人でほぼやっていた」(39歳/京都府)
・「掃除機かけと住まいのメンテは夫。他は基本的に妻」(38歳/福井県)
「8割」(18.7%)
・「お互い仕事をする時間が違うため、洗濯物を取り込んだりゴミを出したり、気づいたほうがやるようにしていた」(29歳/東京都)
・「ご飯だけ夫が作って、ほかはすべて自分がやっていた」(41歳/東京都)
・「ゴミ出しとお風呂掃除は主人にしてもらいました」(43歳/岡山県)
・「お風呂掃除は後から入ったほうがやる、お弁当はお弁当箱に主人が詰める、ゴミ捨ては主人、あとは私がやっていた」(37歳/愛知県)
・「洗濯や食器洗いはすべて自分が行っていました。夕食は主人のみ食べていたため、平日は作って食べてもらっていました。休日は半々だったので、そこまで負担ではなかったです」(32歳/東京都)
「5割」(13.0%)
・「夫は、掃除・お皿洗い・ゴミ出し・庭の手入れなど、私は料理や買い物などでだいたい半々になるように決めていました」(48歳/埼玉県)
・「早く帰宅したほうが掃除をし、食事の支度は二人で分担していた」(53歳/北海道)
・「勤務がバラバラだったので家にいるほうが掃除や洗濯はやっていました。夫は料理ができないので、食事作りは私の担当でした」(50歳/新潟県)
・「こまめにできる分野(掃除、洗濯)と、不得意分野(料理)をそれぞれ担当する」(35歳/奈良県)
・「料理は私。掃除と洗濯は夫。この分担は10年以上たった今でも変わらない。ちなみに、この分担は基本的に不動であり、私の帰りが夫より遅くても料理は私の担当。そして私が有休などで休みであっても、掃除と洗濯は夫の担当」(50歳/愛知県)
「7割」(12.3%)
・「平日のご飯作りは自分、週末は相手、と分けた」(31歳/東京都)
・「ゴミ出し、風呂掃除、トイレ掃除は旦那が担当。ご飯、洗濯、細かい掃除などは私が担当」(36歳/三重県)
・「夫は、ご飯は作れないと言ったが今後もずっとできないと困るので、週1回は作ってもらった。ご飯を作らないほうが食後の食器を洗うと決め、食器を洗っていないほうが洗濯物をたたむと決めた。トイレ掃除とゴミ出しは主人。それ以外のことは自分がやっていた」(36歳/愛知県)
・「基本は月並みに私が主婦らしいことをしていましたが、旦那が早く帰ってきているときは、料理・掃除・洗濯をやってくれていました」(43歳/北海道)
・「基本は気づいた人がやる。夫も気づいてくれるので、よくやってくれていると思っていました」(44歳/東京都)
「6割」(4.0%)
・「料理と買い物は主に私、洗い物と洗濯とゴミ出しは主人。掃除は半々でやる感じだった。主人も家事はやってくれるが、いわゆる名もない家事はほぼ私がやっているので、家事負担としては6:4くらいの割合だと思う」(37歳/愛知県)
・「掃除洗濯は半々。ご飯作りや買い物は自分の担当が多めだった。今は自分のほうが仕事で忙しいので、旦那がほとんどの家事をしている」(29歳/大阪府)
・「風呂洗い、子どもの送迎、食事の後の食器洗い等は夫の仕事です」(38歳/青森県)
「4割」(1.2%)
・「炊事洗濯は自分がやっている」(45歳/愛知県)
「0割」(まったくやらなかった)
(0.7%)
・「私の実家に婿養子だったので、お互い家事はやらなかった」(38歳/佐賀県)
「3割」(0.5%)
・「掃除くらいしかしていません」(42歳/愛知県)
■総評
共働き夫婦の新生活時における家事の分担について聞いたところ、最も多かったのは28.7%の「10割」だ。つまり、すべての家事を妻がしている夫婦がほとんどという結果である。 夫の仕事が忙しく、家事をする時間ないからと言った理由が多い。また、夫は家事をするタイプではないからと、妻が割り切っている声も多くあった。
しかし、なかには最初に分担していなかったことについて後悔している声もある。夫婦生活が長くなるにつれて、妻が家事をするのが当たり前といった考えが家庭内で根付いてしまうのだろう。共働きにとって、家事の負担は双方に関係してくるため、新生活が始まる前に納得のいく話し合いをしておくべきである。
続いて「9割」が20.4%「8割」が18.7%と続く。役割の多くは、夫がゴミ出しを担う家庭が多い。通勤前に行える家事だからではないかと推測する。料理やお風呂掃除、洗濯物などは、細かい分担をしているわけではなく、自然とできるほうや気づいたほうがやっている過程が目立つ。
理想とも思える、夫婦が半々で家事をする「5割」は13.0%という結果である。料理や掃除など、それぞれの得意分野と不得意分野で折半している声が多かった。結婚してから10年間、役割は変わらず継続している夫婦もいた。このように長期間家事分担を継続できるのは、双方が納得しているからであるだろう。結婚当初に、じっくり話し合うことの大切さを改めて感じた声である。
以下に続く「7割」の12.3%についても、気づいたほうがやる、夫が早く帰宅際には家事をしてくれているといった声があり、夫婦が協力しあえている様子がうかがえる。基本的に、食事の準備は妻が受け持っている印象が強い。
「6割」になると、一気に割合が一桁台の4.0%まで少なくなる。印象的な声としてあげられるのは「名もなき家事」についてだ。「名もなき家事」については、近年メディアなどでも注目されている。内容をあげるとキリがないため割愛するが、負担に感じる妻は少なくない。夫は家事をしているつもりでも、妻からすると4割程度の負担にしかなっていないという評価なのだろう。
共働き世帯が増加している日本では、家事の負担についてはお互い納得した割合でなければ不公平感が否めない。もちろん、お互いが納得しているのであれば妻10割でも問題ないだろう。
しかし、妻の仕事が忙しいときや帰宅が遅いとき、体調が悪いときなど、夫が家事をする機会も当然出てくる。このようなときにも、何もせず妻を頼ってしまうのは避けたい。日頃から、夫も家事に参加することでいざというときに妻を支えられる。
令和の今、家事は女性がするものといった考えは捨ててみてはどうだろうか。これから新生活を始める夫婦は、ぜひ家事の負担についてよく話し合い、お互いが納得できる環境を作ってほしいものだ。
調査時期: 2021年5月20日~2021年5月26日
調査対象: 既婚マイナビニュース女性会員
調査数: 607人
調査方法: インターネットログイン式アンケート