「ブレイクスルー」という言葉を聞くとスポーツ関係で用いられるイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実はブレイクスルーはスポーツだけではなく、ビジネス用語としても使われています。

今回はそのブレイクスルーがビジネスシーンにおいてどのような意味で使われ、どういった場面で用いられるのかなどについて解説します。

  • ブレイクスルー

    ブレイクスルーとはいったい何なのでしょうか

ブレイクスルーとは

まずは会社やビジネスの場におけるブレイクスルーの意味や由来を解説します。

ブレイクスルーの意味

ブレイクスルーを辞書で引くと「困難や障害を突破すること、またその突破口」とされています。現状を打破することや突破、大きな進歩という意味としても多く用いられています。アスリートらが厳しい状況を打破したり乗りきったりしたときによく使われていましたが、仕事上でも使える言葉です。

会社や個人に対しては「停滞していた状況から抜け出す」「突破口を見い出し前進する」という意味で使われます。

ブレイクスルーの由来

カタカナ語であるブレイクスルーの由来は「breakthrough」という英語に由来しています。この英語のbreakthroughも同じように「突破」「解明」「打破、打開」という意味があります。これ以外にも1単語だけで「前進」という意味も含まれます。

まとめると、ブレイクスルーは発音、意味共に英語のbreakthoughをカタカナ語にした言葉となります。

ブレイクスルーの関連用語

ブレイクスルーの関連用語もいくつかご紹介します。関連用語はブレイクスルーが言葉の中に含まれているものが多く、ここでは「ブレイクスルー思考」「技術的ブレイクスルー」「ブレイクスルーポイント」の3つを解説します。

【ブレイクスルー思考】

ブレイクスルー思考は、文字通り現状を打破しようという考え方です。飯田史彦さんの著書『ブレークスルー思考』では、「目の前の壁そのものに価値を見出し、すべて順調な試練として受け止めることにより成長し、困難に感じられる状況を楽々と突破していくような発想法」とされています。

【技術的ブレイクスルー】

技術的ブレイクスルーは、技術革新や技術の飛躍的進歩を表す用語として用いられます。現代社会においては、テクノロジーやロボット開発などでよく使われるようになりました。

【ブレイクスルーポイント】

ブレイクスルーポイントとは、まさしくブレイクスルーが起こる地点のことを指します。このポイントを抜けることで、今の現状を変えられたり成果が上げられたりするというターニングポイント的な意味で使われています。

ブレイクスルーの類語

ブレイクスルーと似た意味を持つ類義語に「イノベーション」があります。イノベーションとは、英単語の「innovation」と同じく「革新」という意味で使われます。

ビジネスシーンでは、イノベーションは「新境地」や「新しい捉え方」などの意味で用いられ、新たな価値を生み出し変化をもたらすこととされています。そのため、「現状を打破する、突破する」という意味のブレイクスルーとは少し異なります。

イメージとしては、イノベーションの新しい境地に向かう過程にブレイクスルーの現状を突破する状況が含まれていると考えるといいでしょう。

  • ブレイクスルー

    ブレイクスルーとは、困難や障害を突破することを意味します

ブレイクスルーの使い方と例文

続いてビジネス用語のブレイクスルーを使った例文も見ていきましょう。

ブレイクスルーを起こすためには何かが足りない
彼はここの取引先と契約したことでブレイクスルーを引き起こした
この案件はあのブレイクスルーがきっかけで受注できた

このような使い方ができます。

  • ブレイクスルーの類語

    ブレイクスルーの類義語として、イノベーションが挙げられます

4種類のブレイクスルー

ブレイクスルーはその段階によって4つのタイプに分類することができます。中には3つに分類するとするケースもありますが、今回は4つに分類されたときのそれぞれの詳細を解説します。

タイプ0

タイプ0とは、既存の技術を改善して商品開発を行うことです。このタイプ0の有無によってブレイクスルーのタイプが3種類なのか4種類なのかに違いが出ます。

タイプ0は、改善や改良に関しては「前進、進歩している」とも捉えられますが、何か壁や障害を突破する意味合いが無いのではとされているため、ブレイクスルーとしてカウントするかどうか議論が分かれています。

こういった理由から何も起こっていない、ブレイクスルーのスタートラインに至っていないという意味も込めて「タイプ0」とされています。

タイプ1

タイプ1は、既存の技術や研究内容をさらに深く追求することにより、革新的な突破となるブレイクスルーのことです。このタイプ1の例としてよく取り上げられるのが青色LEDの発明です。発明される前は実現不可能とされていましたが、研究をさらに掘り下げたことにより青色LEDの素材の作成方法が発見されました。

「ブレークスルーのイノベーション理論」を提唱する日本の科学者である山口栄一教授は、このタイプ1を「創発」と呼んでいます。

タイプ2

続くタイプ2は、既存技術が持っている価値を再度検討・検証し、新しい価値を見出すことを指します。これは、既存技術の改善を行うだけでは競合との競争に負けてしまう可能性があるという考えに基づいたものです。

タイプ2のブレイクスルーの方法としては、資金が必要となる技術向上や改善を図るのではなく、既存の機能を特化させたり同価格で新たな価値を提供したりすることなどがあります。山口教授はこのタイプ2を「回遊」と呼んでいます。

タイプ3

最後に紹介するタイプ3は、タイプ1とタイプ2を同時に行うことを意味します。研究を重ねに重ね、深掘りをしながら新しい価値を探求するということです。つまり、基礎研究と追求と新しい価値の創造を一緒にしていくイメージを持ってもらうとわかりやすいかもしれません。

山口教授はタイプ1とタイプ2が組み合わさっていることから、タイプ3を「回遊的創発」と呼んでいます。

  • 4種類のブレイクスルー

    ブレイクスルーは、段階によって四つのタイプに分けられます

非凡ブレイクスルー思考とは

最後に、ビジネスシーンと直接関係はないですが「非凡ブレイクスルー思考」にも少し触れておきます。非凡ブレイクスルー思考とは、ブレイクスルー思考の基礎原則となる3つの基礎原理と4つのフェーズを総称したものを指します。

3つの基礎原理と4つのフェーズとは

3つの基礎原理は、万物には必ずユニークな「差」があるとする「ユニークさの原則」、「万物はシステムである」という考えに基づく「システムの原則」、情報収集とは数でなく内容を重視する「目的情報の原則」です。

4つのフェーズは、周囲を巻き込む「人間フェーズ」、目的をなぜ設定するのかを追求する「目的フェーズ」、未来の姿をデザインする「未来解フェーズ」、解決策は変化そのものだという考えに基づいた「生解フェーズ」です。

これらはブレイクスルー思考を実践するのに必要な要素として位置づけられています。

  • 非凡ブレイクスルー思考とは

    非凡ブレイクスルー思考とは、3つの基礎原理と4つのフェーズを総称したものです

ブレイクスルー思考を実践してみましょう

ブレイクスルーがビジネス上でどのような意味で使われるのかを例文と一緒にご紹介しました。

ブレイクスルーの類語や考え方であるブレイクスルー思考も今後みなさんが仕事を行っていくうえで必要な心構えになるので、ぜひ参考にしてみてください。