テレビ朝日系バラエティ番組『霜降りバラエティー』(毎週火曜24:15~ ※一部地域除く)で開催された「令和のアグネス・チャンを探せ」は、お笑いコンビ・霜降り明星のせいやがアイドル歌手を発掘するという一大オーディションプロジェクト。グランプリには、一ノ瀬陽鞠(16)が輝いた。昨日の放送では、せいやと4人組バンド・緑黄色社会の小林壱誓と穴見真吾の共作「愛で溢れたい」を「HIMARI feat. せいや」として初披露。透明感あふれる歌声と高い歌唱力で視聴者を驚かせた。
プロデューサーのせいやが「歌がうまいのはもちろん、アイドルにとって大事な“ピュアさ”や“一生懸命さ”をたくさん持っている。そういう魅力って人工的に作れるものじゃない」と評価する一ノ瀬に、このたびマイナビニュースがインタビュー。見事グランプリに選ばれた感想や、ファッション雑誌『Popteen』(角川春樹事務所)モデル時代の戦いの日々、“ひまわりぐみ”と呼んで大事にしているファンとの交流を聞いた。
■「本当に、人生がかかっていた」覚悟を決めた転身
6月某日、デビュー曲となる「愛で溢れたい」記念すべき初パフォーマンスの日に、一ノ瀬は長かった髪をバッサリとカットし、ボブヘアで現れた。せいやにも「雰囲気大分変わった!」と声をかけられていたほど思い切ったイメチェン。いつ切ったかと聞くと「“おとととい”……? 一昨日の、昨日です」とキュートな言葉遣いに、取材陣は皆ほっこり。
「令和のアグネス・チャン」に選ばれた率直な感想は「本当にびっくり」と「本当にうれしい」。その理由を紐解くと「もともとギターが好きで、YouTubeでも弾き語り動画を公開していたんですけど、『本格的に歌の活動を始められる』ことがうれしかった」と進路が決まったかのような喜びを述べる。
一ノ瀬は、番組内でオーディションへの意気込みを聞かれ「人生をかけています」と真っ直ぐに言い放ったことがあった。「このオーディションから新しい世界に足を踏み入れるところだったので、本当に人生がかかっていたんです」。
■『Popteen』での戦いの日々「ファンの子に申し訳なかった」
モデルから歌手へ、覚悟を決めた「転身」だと知るとそれらの言葉にも納得がいく。小学生の頃モデルの仕事を始め、中学2年生で『Popteen』レギュラーモデルに。2年半の活動終了を報告する動画には、卒業を惜しむ声など200件以上のコメントが寄せられた。
『Popteen』で待っていたのは、「ポプ戦」(Popteenカバーガール戦争)をはじめとする戦いの日々だった。レギュラーモデルが専属モデル昇格や雑誌の表紙出演を賭け、TwitterでのRT数や誌面アンケート、編集長や先輩モデルたちの評価を競うリアリティーショーは同誌の名物企画となっている。
「SNSを使ったバトルが多かったから、ファンの子の力を借りなきゃいけませんでした。その結果がランキングで数字に出ちゃうから、順位が低かったときファンの子にすごく申し訳なかった。何年も戦って、“1位”とかちゃんとした結果を残してあげられなかったことがつらかったです」と一ノ瀬。残して「あげられなくて」という言葉がとっさに出るほど、ファンへの思いがあふれ出た瞬間だった。
“ひまわりぐみ”と呼んで大切にしているファンの存在は大きいようだ。「バトルが終わるたびに毎回皆が長文のメッセージを送ってくれたり、皆でスタンプやハッシュタグをそろえて一斉にコメントをくれたり……こんなにたくさん応援してくれているんだなって、うれしい」。取材日は結果発表前だったため、今回はいい報告ができますねと話すと「喜んでもらえるような『ちゃんとした結果』を報告するのが初めてなので、反応がすごく楽しみ」とファンを思い浮かべるように目を細めた。