ヤマハ発動機は6月9日、オーストラリアのスタートアップ「The Yield Technology Solutions社」(以下「The Yield社」)とスマート農業に関する共同開発契約を締結したことを発表した。

  • ブドウ果樹園でUGV走行試験

The Yield社は、デジタル技術を活用して農業分野の課題解決を目指すオーストラリアのスタートアップ。設立は2014年で、シドニーに本社がある。同社が開発した「Sensing+」はセンサーとデータ分析を組み合わせることで、薬剤散布、かんがい、収穫といった農業における重要な作業のタイミング決定を支援するソリューションを提供している。

  • 夜間でもデータ収集が可能なUGV

今回の共同開発の狙いは、画像データ収集を通じた作物の生育状況把握による収穫量予測モデルの精度向上と、局地気象データとロボティクス技術の組み合わせによる自動薬剤散布の効率最適化。ヤマハ発動機の農業用UGV(Unmanned Ground Vehicle)や、農作業自動化技術、The Yield社の持つIoT、データサイエンス、AI技術を組み合わせた新たな農業自動化ソリューションの技術開発を目指し、スマート農業分野の事業開発を進めていくとのこと。

また、世界の大手ワインメーカーであるオーストラリアのTreasury Wine Estates社とも連携。オーストラリアおよび米国西海岸の圃場で、多くのデータ収集・実験を実施することで、開発スピードと精度の向上を図るという。

この取り組みは、CVC活動を行うグループ会社Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valleyを通じた2020年の出資を足掛かりとしている。革新的な技術やビジネスモデルを有するベンチャー企業への出資を通じて、ヤマハ発動機の持つモノづくりの強みとかけ合わせ、さまざまな社会課題の解決を目指していく。