JR東日本高崎支社は、列車と動物との衝突による輸送障害低減に向けた対策として、現在実施している取組みについて発表した。
高崎支社管内では、列車と動物との衝突による輸送障害が2020年度に82件発生。中でも上越線と八高線で多く発生し、その多くを鹿が占めているという。対策としては、列車から犬の鳴き声と咆哮を組み合わせた忌避音を吹鳴することで、沿線にいる鹿の逃走を促進する鹿忌避音装置を開発し、八高線の折原~竹沢間・小川町~明覚間で使用している。
2020年からは、動物の線路への侵入防止を目的に、動物の嫌がる匂いを含んだ忌避剤(マリンスター)を線路沿線に散布して忌避行動を促している。2020年3・11月に八高線の折原~竹沢間・小川町~明覚間の一部区間で散布したほか、2021年1月に上越線の土合駅から湯檜曽駅までの一部区間でも散布を行った。天候や周辺環境にもよるが、1回の散布で2~3カ月程度の効果を見込んでいるという。
高輝度青色LEDの発光と、6つのスピーカーから動物の嫌う音を発することで、線路内への侵入を防ぐ忌避装置「害獣王」の設置も行われている。2019年11月に上越線の湯檜曽駅から土合駅間までの区間に2台、2020年3月に吾妻線の川原湯温泉駅構内に1台を設置した。