東急は中期3カ年経営計画(2021~2023年度)を策定し、その内容を発表した。交通インフラ事業における事業構造の強靭化を重点戦略のひとつに挙げている。

  • 東急が2021年度を始期とする中期3カ年経営計画を策定

東急および連結子会社では、2018年4月に前回の中期3カ年経営計画をスタートさせ、渋谷スクランブルスクエア東棟・南町田グランベリーパークなどの大型開発プロジェクトや、ホームドア等100%設置をはじめとする安全投資などの重点施策を着実に実施・完了したが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を大きく受け、数値計画については未達となった。

2021年度を始期とする新たな中期3カ年経営計画では、基本方針を「『変革』~事業環境変化への対応による収益復元と進化」と定めた。重点戦略のひとつである交通インフラ事業の事業構造の強靭化に向け、安全・安心を追求し、公益性と収益性の高次元での両立をめざすとともに、テクノロジーを活用したオペレーションの変革を実現させるという。

安全・安心の追求に向けた施策として、必要な設備更新と点検の確実な実施、災害対策の推進、司令所の設備更新と機能の強化、教育機能拡充(人材力・技術力強化)、ホームと車両床面の段差・隙間縮小、さらなるバリアフリー推進(アプリ活用など)を行う。

オペレーションの変革に向けた施策として、ワンマン運転を拡大するほか、需要動向の変化を捉えた運行ダイヤの適正化、データ活用(CBM)などによる保守業務の最適化をめざす。2022年度下期に予定される東急新横浜線開通、有料着席サービスなどのメニュー拡充による利便性向上も図る。需要変動への耐性強化の施策として、東急バスと空港運営事業、地方交通における有益構造の強化と回復需要の着実な取込みをめざすとのこと。

  • 初年度到達水準(単位 : 億円)

その他の重点戦略として、不動産事業における新しい価値観への対応、新たなライフスタイルに対応した事業・サービスへの進化、各事業における構造改革の推進を挙げた。