わたしの暮らし研究所は4月23日、「女子トイレの無償生理用品設置実証実験アンケート」の結果を発表した。調査は2019年12月〜2020年1月の各5営業日、実証実験に協力した都内企業5社のトイレ利用者600名、30カ所を対象に実施。220名の女性がアンケートに回答した。

  • 生理用品を持っていない状態で生理がはじまり、困った経験が在りますか?/業務パフォーマンスに支障が出たことはありますか?

    生理用品を持っていない状態で生理がはじまり、困った経験が在りますか?/業務パフォーマンスに支障が出たことはありますか?

アンケート結果によると、生理用品を持っていない状態で生理がはじまり、困った経験が「ある」という女性は95%。そのせいで、92%の女性が「業務パフォーマンスに支障が出た」と回答した。生理用品を持っていないときに生理になったときの対処に苦慮するだけでなく、多くの女性が、周囲に隠しながらどう対処するか(コンビニに行くか、休憩時間まで待つか、など)を考え、業務に集中できない現状が浮き彫りに。

  • 会社のトイレに無償で使える生理用品があったら、便利だと思いますか?

    会社のトイレに無償で使える生理用品があったら、便利だと思いますか?

また、生理用品を持っていなかった時に、コンビニやドラッグストアに行ったり、友達に借りたりするなどの対処に要する時間を聞いたところ、平均で15分以上という結果に。

「会社のトイレに無償で使える生理用品があったら、便利だと思いますか?」と質問したところ、実に99.5%もの女性が「はい」と回答し、理由を尋ねると、「買いに行く時間や取りに戻る時間を気にしなくてよい」「会社に予備の生理ポーチを置いて在庫管理しなくてよくなる」「周期が不定期のため、『トイレに行けばある』ということが精神的安定に繋がりやすい」といった声があがった。

  • 女性に対してだけサービスが展開されることに不公平だと思いますか?/女性だけが使う生理用品設置を会社が設置することに、どれくらいの費用であれば、許容できますか?

    女性に対してだけサービスが展開されることに不公平だと思いますか?/女性だけが使う生理用品設置を会社が設置することに、どれくらいの費用であれば、許容できますか?

実証実験に協力した企業4社の男性51名に対しても同期間でアンケートを実施。「女性に対してだけサービスが展開されることに不公平だと思いますか?」という問いに、男性71%が「不公平だとは思わない」「やや不公平だとは思わない」と回答した。

理由を尋ねると、「女性だけが働きづらい環境であるほうが不公平。多少の費用で働きやすさが変わるのであれば、積極的に実施すべき」「この生理用品のトイレ設置により、女性が働きやすくなることによってモチベーションが上がれば、男性である我々にもメリットがある」といった意見があがった。

また、「女性だけが使う生理用品設置を会社が設置することに、どれくらいの費用であれば許容できますか?」と尋ねたところ、半数以上が「わからない」(53%)と回答。また、「妥当性のある金額なら」と回答する人も多かった。

なお、わたしの暮らし研究所では5月1日〜14日の期間限定で、 スマートキーで制御する生理用品ケースの運用実証実験を会員制モノづくり施設「DMM.make AKIBA」(東京都千代田区)の12F女子トイレ・男子トイレで実施する。

  • スマートキーで制御する生理用品ケース