情報通信のリンクタイズは4月22日、同社が発行している雑誌「Forbes JAPAN」の8月号(6月25日発売)やWeb特設ページなどで日本の富豪上位50人を発表することを明らかにした。

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    2021年の「日本長者番付」が発表された

日本の長者番付トップ10【2021】

同社によると、2021年4月時点において日本の富豪上位50人の資産は合計で2,490億ドル(約27兆円)にのぼり、昨年の1,680億ドルから48%増加したとのこと。

日本経済は2020年に5%縮小したが、その後輸出が増加に転化。延期された東京五輪開催への期待感から力強い回復に向かう基調にあり、昨年から止まらない新型コロナウイルスの感染拡大を受けてもなお、日経平均株価は1年前からおよそ54%上昇している。

そんななか、日本の長者番付ランキングに変動はあったのだろうか。詳細なランキングは以下の通り。

2021年の長者番付の1位は孫正義氏

1)孫正義:444億ドル~ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長
2)柳井正:420億ドル~ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長
3)滝崎武光:258億ドル~キーエンス取締役名誉会長
4)佐治信忠:97億ドル~サントリーホールディングス会長
5)永守重信:90億ドル~日本電産代表取締役会長
6)高原豪久:80億ドル~ユニ・チャーム代表
7)三木谷浩史:75億ドル~楽天グループ代表取締役会長兼社長
8)似鳥昭雄:52億ドル~ニトリホールディングス代表取締役会長
9)重田康光:51億ドル~光通信代表取締役
10)毒島秀行:44億ドル~三共の会長兼最高経営責任者

番付1位になったのは、昨年の2位から返り咲いたソフトバンクグループの創業者・孫正義氏。ランクインした50人の中で最も大きく資産を増やし、保有する資産額は昨年の205億ドルの2倍以上となる444億ドルとなった。

コロナ禍で在宅勤務が増加することを踏まえて、自宅で過ごすのに適した衣類を提供したユニクロは需要が増大。代表取締役会長兼社長の柳井正氏の資産は、昨年の223億ドルより約90%増加しおよそ420億ドルだったが、過去2年トップに君臨していたランクは1つ下がる結果になった。

3位には昨年同様、キーエンス取締役名誉会長の滝崎武光氏。昨年の198億ドルから258億ドルに増加した。4位も昨年と変わらず、サントリーホールディングス会長の佐治信忠氏で、昨年の94億ドルから97億ドルに増えている。

コロナ禍の影響で資産を増やしたのは、5位日本電産の永守重信代表取締役会長。自社が手掛けるコンピューターやハードディスクドライブ、家電製品向けのモーターの売上高が急増し、資産額を90億ドルに増やして今回初めてベスト5入りを果たしている。

ランキングに登場した富豪のうち、36人が資産を増やし、十数人の保有資産は10億ドル以上増加している。そのうちの5人は、資産を倍以上に増やしている。前述の日本電産の永守重信代表取締役会長はその一人だ。

圏外から50位入りを果たしたのは、中古品を売買できるフリマアプリ・メルカリの創業者である山田進太郎氏で、総資産額22億ドルで25位。

今回新たに誕生したビリオネアは、医療関連サービスのエムスリーの代表取締役、谷村格氏(40位、14億2,000万ドル )、クラウドサービスのラクスの代表取締役、中村崇則氏(45位、12億6,000万ドル)、投資家向け広報活動・株主情報に特化したコンサル業務のアイ・アール・ジャパンホールディングスCEO、寺下史郎氏(47位、12億4,000万ドル)、電子契約サービスなどを提供する弁護士ドットコム創業者、元榮太一郎氏(49位、12億ドル)ら。

リストに返り咲いたのは、しまむらの創業者・島村恒俊氏(37位、16億ドル)、ビックカメラの創業者・新井隆二氏(43位、13億ドル)。そして、TSUTAYAの創業者・増田宗昭氏(48位、12億2,000万ドル)となっている。

昨年と比較して資産を減らしてしまったのは、コロナ禍の影響で営業自粛だった大手パチンコ店グループ・マルハンの創業者、ハン・チャンウ(35位、16億9,000万ドル)などわずか4人だった。そのほか今回リストから姿を消した8人には、ダイナムジャパンホールディングスの佐藤洋治氏など、遊戯関連業者の3人が含まれた。

2021年の長者番付で50位の富豪の保有資産は11億5,000万ドルとなり、昨年の8億1,000万ドルから増加している。

日本の長者番付トップ10【2020】

2020年のフォーブスの2020年版「日本長者番付」では、新型コロナウイルス感染症のパンデミッによる影響は比較的小さく、番付入りした富豪50人の資産総額は前年比わずか5%減の1,680億ドル(約18兆円)だった。

しかし、50位までのランキングに入る28人が資産総額を減らした。2年連続でランキングトップだがファーストリテイリングの柳井正氏も保有資産額は26億ドル減の223億ドルだった。

2021年にトップになったソフトバンク創業者・孫正義氏は、ドル建ての資産で最も大きな損失を被っている。保有資産額はウィーワークの上場中止などにより35億ドル減少し、205億ドルとなった。

2020年の日本長者番付1位は柳井正氏

1)柳井正:223億ドル~ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長
2)孫正義:205億ドル~ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長
3)滝崎武光:198億ドル~キーエンス取締役名誉会長
4)佐治信忠:94億ドル~サントリーホールディングス会長
5)高原豪久:59億ドル~ユニ・チャーム代表
6)三木谷浩史:54億ドル~楽天グループ代表取締役会長兼社長
7)重田康光:47億ドル~光通信代表取締役
8)毒島秀行:41億ドル~三共の会長兼最高経営責任者
9)似鳥昭雄:40億ドル~ニトリホールディングス代表取締役会長
10)森章:39億ドル~森トラスト・ホールディングス社長