大人気のランドローバー「ディフェンダー」に新たなモデルが登場した。すでに納車が始まっている5ドア・ロングボディの「110」(ワンテン)に続き、3ドアで全長が短い「90」(ナインティ)が日本に上陸したのだ。どんなクルマなのか、実際にクルマを見て話を聞いてきた。

  • ランドローバー「ディフェンダー」

    まだ日本に2台しか上陸していないというディフェンダー「90」を見てきた

3ドアと5ドア、それぞれに良さがある

ディフェンダーは四輪駆動専門メーカーであるランドローバーのアイコン的なクルマで、頑丈なボディや高い悪路走破性を特徴とする。見るからに武骨だった先代モデルに比べると、少しポップな感じを取り入れた外観は依然として唯一無二。水辺のアクティビティで濡れたままの服で乗り込んだり、アウトドアで使用して汚れたままのギアを積み込んだりしても問題ないよう、インテリアにはプラスチック素材を多用したり、形状を工夫したりしてある。華やかなレンジローバーとはキャラが違うのだ。使っている素材の違いもあって、レンジローバーより低く抑えられている価格も魅力のひとつになっている。

  • ランドローバー「ディフェンダー」

    「ディフェンダー」は悪路走破性の高さが特徴。エアサスペンション装着車だとアプローチアングルは37.5度、デパーチャーアングルは40度となる。最大水深900mmの河を渡ることも可能だ

ディフェンダーには3ドア(人が乗り込むドアは前席左右の2枚)の「90」と5ドア(人が乗り込むドアは前後席左右の4枚)の「110」がある。ボディサイズは「90」が全長4,510mm、全幅1,995mm、全高1,970mm(エアサスペンション)/1,975mm(コイルサスペンション)、110が同4,945mm、1,995mm、1,970mm。「110」はオプションの3列目シートを装着して7人乗りとすることも可能だ。

「90」の価格は529万円~745万円。エンジンは2.0Lのガソリンターボで、最高出力は300ps、最大トルクは400Nmだ。「110」は619万円~1,124万円で、エンジンは2.0Lガソリンターボ(300ps、400Nm)と3.0Lディーゼルのマイルドハイブリッド(MHEV、300ps、650Nm)がある。

  • ランドローバー「ディフェンダー」

    上が「90」、下が「110」。どちらも大きなクルマではあるが、駐車の際に車体の周りを映像で確認できる「3D サラウンドカメラ」など、最新の技術も取り入れているので街中での使いやすさが向上している

「90」はホイールベースが短い分、車体の底を地面にこするリスクが低くなるので、110に比べると悪路走破性は高いといえる。ただし、3ドアなので、後席に乗り込むには前席のドアを開け、シートを前に倒すというひと手間が必要になる。安全面のシステムや装備面で「90」と「110」に大きな差はないものの、「110」でしか選べないグレードがあるので注意が必要だ。価格は「90」の方が安い。これから注文した場合、「110」よりも「90」の方が早く届くとは限らない点にも要注意だ。

「90」は全長が短いので、街中での取り回しについてはこちらの方が扱いやすいはずだ。一方、「110」は全長が長いので、当然ながら荷物は相対的に多く積める。5ドアの利便性をどう考えるか次第だが、例えば1~2人で乗ることが多い人には「90」が向いているかもしれない。ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング担当に話を聞けたので、「90」と「110」のどちらが多く売れそうか聞いてみたところ、同氏の個人的な見立てとしては、5ドアである点を有利と見て110との予想だった。