『ユダヤ人大富豪の教え』『きっと、よくなる!』など多くのベストセラーを持つ作家・本田健さんは、「コロナ禍による混乱は当分続くかもしれませんが、そんな状況でも成功する人は出てくるでしょう」といいます。
これまでたくさんの「成功者」と交流してきた本田さんが見つけた、仕事で成果を出せる人とそうでない人のちがいとはどんなものでしょうか。時間の使い方からピンチへの対処法、才能の磨き方まで、「うまくいく秘訣」を明かします。
■成功する人は、自分の未来に好奇心を持っている
仕事で成功する人は、ふつうの人といったいなにがちがうのでしょうか?
そのひとつは、「時間の使い方」です。 時間は24時間365日、どんな人にも平等に与えられています。ただし、成功する人は、仕事をする時間をかなり意識的に過ごしています。
「いつのまにか1日が終わってしまった…」といった時間の使い方をしません。いつも、「なんのためにこの仕事をするのか」「どんな工夫をすれば仕事の質が高まるのか」「どうすれば人に喜んでもらえるのか」といったことを考えて仕事をしています。
また、自分の仕事に誇りを持って、それができることに心から感謝しています。そして、いまやっていることをとことん楽しんでいます。嫌々やっていたら、どんな仕事においても細かな改良なんてできるはずもありません。いまの仕事が楽しいので、「こんなことができたら、みんなびっくりするだろうな!」と考えています。
そして、新しい可能性に対する好奇心を抑えられません。
「こうやって材料を変えたら、どんな味になるんだろう?」
「こういうデザインで、できないだろうか?」
「この手法を試したらどうだろう?」
そうやって、たえず自分のライフワークをアップグレードしていく工夫をしています。成功する人は、自分の未来にワクワクしています。それこそ、彼らが幸せな理由です。
■才能は真剣に取り組んではじめて、その姿を現す
仕事で成功できないことを、才能のせいにする人がいます。しかし、世の中の成功者の多くは、駆け出しの頃から、すごい才能を持っていたわけではありません。天賦の才に恵まれる人もいますが、そんな人はごく稀です。
才能は、真剣にやり出してはじめて姿を現します。ふつうに毎日を過ごし、働いているだけでは、なかなかその姿を見せてはくれないのです。
適当にやっているうちは、自分でも、「これが自分の才能だ」とは認識できません。適当に料理したり、営業したり、プレゼンをしたりしても、ふつうの仕事にしかならないでしょう。
もしあなたが「これをもっとやりたいな」「ちょっと好きかも」「得意かも」と思うものがあれば、とにかく本気でやってみてください。あなたが好きなことに本気で取り組んでいれば、必ず才能の芽が出ます。挑戦したことがあっていなければ、ほかの分野で才能は必ず開いていきます。
まずは、自分の才能がなにかを探しましょう。あれこれ悩まず、とにかく場数を踏むのです。営業の仕事なら、毎日何十軒も得意先をまわり、パン屋なら、毎日何時間もパンを焼き続けることが大切です。
どんなことも、真剣に取り組んではじめて動き出します。そのうちに、本物の才能は少しずつ、その姿をあなたの前に現しはじめるでしょう。
■チャンスをつかむ準備をしておく
仕事で成功するには、なにより「チャンスをつかむ」ことです。チャンスさえつかめれば、あとは流れにしたがって一生懸命にやっていれば自ずと結果がついてきます。
でも、実に多くの人が、チャンスを自分のものにする準備ができていません。実際は、運よくチャンスがめぐってきたとしても、チャンスがきてから取り組んでいては、手遅れの場合がほとんどです。なぜなら、チャンスはあなたをいまの次元(レベル)からステップアップさせるものであり、少しレベルが高いことを要求するものだからです。
まずは、チャンスをつかむ準備をしなければなりません。たとえば、上司になにかを頼まれたとき、もう先回りしてやっていて、笑顔で「それは終わっています」といえるかどうかです。
そうやって段取りよくアンテナを張りめぐらせている人は、確実にチャンスをつかめるでしょう。たいていの人は、頼まれごとをされてから、「いつまでにやればいいですか?」「どんな方法がありますか?」などと聞くレベルなので、その差ははっきりしています。
チャンスをつかむ準備ができていると、答えは、「YES」しかありません。
たとえば、あるプロジェクトに欠員などが出たときには、代役としてすぐさま動くことができ、チャンスを確実に活かせるわけです。
仕事で成功する人は、日頃から準備をしています。チャンスがきたら、「確実に飛び込む」というメンタリティーで生きているのです。
■小さな「ひと頑張り」を加える
仕事でまわりと差をつけられる人は、必ず仕事に、自分なりの小さな「ひと頑張り」を加えています。
たとえば、上司に企画書の作成を頼まれたとします。すると、たいていの人は、頼まれた内容を期日どおりに仕上げて提出します。
しかし、仕事で成功する人は、企画書に盛り込むアイデアの数を、ほかの人よりも増やします。3つアイデアを書くところを、5つ書きます。あるいは、期日より前に提出します。また、詳細な資料を添付したり、得意先に関する簡単なリサーチを事前に済ませたりします。
アイデアが多いことを嫌がる上司はあまりいませんし、期日前に提出すれば、フィードバックを得られてより精度の高い企画書に仕上げられます。軽くリサーチが済んでいれば、企画書の説得力がより増すでしょう。
小さな「ひと頑張り」が、10倍の結果をもたらすのです。
世の中には、仕事にあまり熱心でない上司もいて、そんな「ひと頑張り」をスルーされる場合もあるかもしれません。それでも、「ひと頑張り」をした経験値は、あなたのなかに確実に残ります。そのトレーニングがあるからこそ、ほかの人よりも質の高い仕事ができるようになります。
これが仕事で成功する秘訣です。
サボっていれば、いつもサボることを考える人になります。ふつうの仕事をしていれば、ふつうの結果しか得られない人になります。
どんなときも、もう1回工夫してみましょう。きっと、そういうあなたの姿勢を見ている人がいます。
■ピンチの「いいところ」を探す
仕事にピンチはつきものです。ミスやトラブルが生じるときもあれば、想定外の災難に見舞われることもあります。そういうときには、ピンチが自分を大きく成長させるためにやってきたと考えてみましょう。
実際のところ、ピンチから学べることはたくさんあります。平常時には思いもしなかった方法を試したり、大胆な行動力を発揮できたりもします。そうして大変な修羅場を潜り抜けたぶんだけ、人は成長していきます。
ピンチに陥ったときは、ネガティブになるのではなく、「いいところ」を探してみましょう。ピンチと思える状況のなかに隠されている、素晴らしい点を見出すのです。
もちろん、ピンチのときはどうしてもポジティブになりにくいので、ワクワクするようなことは見つけづらいかもしれません。それでも、本気で探してみれば、助けてくれる人がいたり、気づかなかった強みやアイデアを発見できたりと、きっとピンチの「いいところ」が見つかります。
わたしの経験上、ピンチはのちに振り返ると、そこまで最悪の事態にならないことがほとんどです。だからこそ、ピンチに圧倒されてはいけません。焦ったり不安になったりしたら、まずは大きく深呼吸しましょう。
ピンチは、あなたの未知なる才能を開花させてくれます。あなたの真のポテンシャルパワーを解き放つチャンスです。いまピンチに陥っている人は、自分にこう問いかけてみてください。
「次は、わたしのどんなドアが開くのだろう?」
ピンチだからこそ、あなたの才能を解き放つ新しいドアが、開かれるのを待っているのです。
■たくさん感謝され、喜ばれる人は、必ず成功する
心から楽しんで仕事をしている人は、つねに人々に「喜んでもらおう」と考えています。だから、まわりからたくさん感謝されています。自分が幸せであると同時に、まわりにいるたくさんの人も幸せにしているのです。
仕事に限らず、わたしたちの生活は、まわりの人とのエネルギーのやり取りで成り立っています。自分の仕事で、誰かに「ありがとう」と感謝されたら、そこにはポジティブなエネルギーが生まれます。そして、そのエネルギーがかたちを変えながら、ほかの人や場所へと伝染していきます。
より具体的にいえば、あなたが誰かに「ありがとう」と感謝される仕事をすると、その人があなたのことを広めてくれたり、誰かを紹介してくれたりするはずです。そうして今度は、「ありがとう」がたくさんあなたのもとへと集まってきます。この「ありがとう」をたくさん集めた人や会社が、いまの社会では、経済的にも成功するようになっているのです。
そうやって利益が上がってくると、もっとお客さんを喜ばせてあげたいという気持ちが生まれます。
それが、幸せと成功のサイクルです。
あなたは最近、自分の仕事をやっていて、誰かに心から「ありがとう」と感謝されましたか? 自分だけでなく、誰かを本気で幸せにするために仕事をしていますか?
人から「ありがとう」といわれるのは、本来はとても楽しいことです。これからあなたもぜひ、自分の仕事をとおして、もっともっと「ありがとう」集めを楽しんでください。
構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム)
※今コラムは、『「うまくいく考え方」新しい時代で幸せになる5つの法則』(著:本田健 プレジデント社)より抜粋し構成したものです。