俳優の佐藤健が主演を務める『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(2021年4月23日・6月4日公開)の場面写真が10日、公開された。
和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。「最終章」は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに縁(新田真剣佑)との究極のクライマックスが描かれる「The Final」と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに、"十字傷の謎"に迫る「The Beginning」の2部作となる。
公開されたのは、武井咲演じる神谷薫が、雨の中佇む剣心を迎えに行くシーン。本作での薫は今までより冷静に、そしてより近いところで剣心を見守る存在として描かれている。1作目の当時、等身大で演じた武井のこの約10年間の成長が、今作の薫の成長へとリンクしているところも本作の見どころとなっている。
神谷薫は、“人を活かす剣”を説く神谷活心流道場の師範代。曲がったことが大嫌いな性格で、心根は優しく面倒見もよく、周囲から慕われている存在だ。道場が奪われそうになる事件をきっかけに剣心と出会い、剣心の生き方や優しさに惹かれ、剣心の人生をそばで支え続けたいと思っている。志々雄真実との死闘を乗り越え、平和に過ごしていた彼らの前に現れたのは、剣心の十字傷の謎を知る男・縁で、過酷な戦いを重ねていくにつれ、肉体的にも精神的にも追い込まれていく剣心の姿に薫や左之助たちは戸惑う。
剣心は彼らに今まで語ることのなかった自身の過去を打ち明けることを決意するが、それは、かつて妻がいて、その妻を自らの手で惨殺していたという衝撃の告白だった。剣心に忘れられない亡き妻がいることを初めて知り、衝撃を受ける薫。しかし、戸惑いながらもその事実と向き合い、剣心と巴の2人の気持ちに思いを寄せ、改めて剣心を支えようと決意する。剣心のことを支え続ける薫の存在が、今作でより大きく描かれ、その存在が今の剣心の“強さ”の理由でもあることが伺える。
武井は、1作目から変わらない神谷道場のメンバーについて「みんながいないシーンだと寂しいところがあったりするので、薫が彼らを家族と感じているように、私の心の中にもそういう気持ちがあります。一緒にいるとホッと安心します」と、笑顔で撮影を振り返った。一方で、今作で剣心の口から初めて明かされる巴の存在を知った薫については、「この時代の女性が嫉妬心を感じたり、寂しい思いをしたりした上で、それを乗り越えていく、という現代の女性も共感できるような気持ちをきちんと表現しなければいけないと思いながら演じました」と複雑な心境へ想いを巡らせながら演じていたと明かす。
また、今作の撮影について「1作目の撮影の時私は17歳くらいだったので、今回もその時と同じようなテンションで皆さんについていかないといけないと思って現場入りしたんですが、監督が、薫と今の私の年齢がすごくマッチしているとおっしゃってくださったんです。その一言ですごく安心して、変な緊張をすることもなく、楽な気持ちで演じることができました。今回は前回とは違う自分で現場にいることができたので、新たな『るろうに剣心』の現場を楽しめた気がします」と笑顔を見せた。
9日から~15日までは、本シリーズの第2作目となる『るろうに剣心 京都大火編』が上映中。「The Final」の特別映像やキャストのスペシャルメッセージも披露している。