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修業の場ではもちろん厳しい言葉も飛ぶが、今回の「レストラン大宮」がそうであるように、受け入れ側の人たちが皆優しく、人情にあふれているのが印象的だ。その背景には、地方出身者を求めている会社が多いということもあるようだ。

「東京出身だと、心が折れてしまうとすぐ帰れるじゃないですか。一方で、故郷を出てくる子は、みんな一定の覚悟を決めているので、そこに期待して採用している会社もあると思います。だからこそ、そういう子たちを預かっているという責任を持ってらっしゃって、厳しくも温かい環境になっているのではないでしょうか」

■「今までで一番リアルなドキュメントに」

今回はコロナ禍のため、一摩さんの上京は2か月遅れることになった。12年の歴史を持つ同シリーズでも初めての事態で、「地元の子たちからの遅れに対しての焦りというのも当然あったと思います」と推察する。また、祖父が余命宣告を受けており、「命の危機が迫るというのも、これまでにはなかったことです。今までとは違うものを背負っている姿が描かれていると思います」と話す。

そして、前・後編の2週にわたって放送することで、「良くも悪くも、一摩さんの心の揺れ動きが丁寧に出てると思います。その分、見ている人が自分を投影できるポイントがいくつもあるはずなので、今までの中で一番リアルなドキュメントになっていると思います」と予告した。

なお、今後も「レストラン大宮」は、引き続き取材していく予定。制作会社のラダックは「今年の春に新たに入る子たちも、追っていきたいと思います。その新人たちと、同じ高校の調理科出身の七久保先輩との交流を描きながら、コロナが収まったら七久保先輩がフランスへ修業に飛び立つことを計画しているので、その別れのシーンも取材したいと思います」としている。

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