ツァイガルニック効果は、広告やマーケティングなど幅広い場面で活用されている心理効果です。この記事では、ツァイガルニック効果の意味や使い方、実際に使用されている事例などについて解説します。
ツァイガルニック効果の意味とは?
ツァイガルニック効果(ツァイガルニク効果)とは、「完成していないものの方が、完成したものよりも記憶に残りやすくなる」という心理効果です。この効果は心理学者のブルーマ・ツァイガルニックにより提唱されました。
人は物事が完了すると、スッキリとした気持ちで他の物事へ取りかかることが可能です。その反面、やり残しているものがあるとモヤモヤとした感情が残り続け、「未完成なものを完成させたい」という強い欲求が働きます。これにより、完了前の物事がより強く印象に残るのです。
ツァイガルニック効果の使い方
ツァイガルニック効果によるユーザーの興味を引き出すために、あえてすべての情報を開示せずに未完成の状態で終わらせるという方法があります。
ここからは、生活にツァイガルニック効果を取り入れる方法を紹介します。ビジネスに効果的な方法も多くあるので、活用に挑戦してみましょう。
あえて中途半端な状態での休憩
仕事や勉強の途中で休憩を入れる際は、キリのよいところまでやってからにしようと考えがちです。しかしタスクをすべて終わらせてスッキリとした状態からの休憩は、長くとりすぎてしまうことがあります。
すべてを完了させずに休憩すると、やり残したことが強く印象に残り「やり残しているとスッキリしない」という感情が働くため、仕事や勉強に早めに戻れる傾向にあるのです。
不完全でも印象に残るプレゼン
人前で話すのがあまり得意ではない方は、プレゼンの場で言葉がつかえてしまうなど、うまく伝えられずに悔しい思いをしたこともあるのではないでしょうか。
しかし「不完全な方が印象に残りやすい」というツァイガルニック効果によって、完璧なプレゼンよりも少しぎこちないプレゼンの方が印象に残りやすい傾向にあるのです。
流ちょうなプレゼンを目指すよりも、相手の印象に残る熱意のこもったプレゼンを心がけましょう。
押すのではなく引く営業
営業職は押しの強い性格こそ向いているというイメージも少なくありません。しかし押すのではなく引く営業を行うことで不完全な状態を作り、相手の購買意欲を高めるという方法があります。
例えば、あえて製品の話をせずに他の雑談をすることで「この人はどんな製品を紹介しにきたのだろう」と製品に対する関心を高めることが可能です。
一生懸命説明しても効果がないという時は、引く営業を実践してみましょう。
ビジネスシーンにおけるツァイガルニック効果の活用例
ツァイガルニック効果は、マーケティングのさまざまな分野で多く活用されています。
ここからはツァイガルニック効果が活用されている代表的な例を紹介しますので、活用例を把握しましょう。
CMやダイジェスト
ツァイガルニック効果を活用した代表的な例は、CMです。広告の途中で「続きはwebで」と表示され、続きが気になってネットで検索してしまう、ということがあります。
このような広告では、あえてすべての情報を明かさないことで強く印象に残すツァイガルニック効果が働いているのです。
またドラマや映画での予告やダイジェスト映像は、決定的な場面は見せずに作られており、強い興味を引かせるようになっています。
記事コンテンツ
ネットの記事でよく見かけるのは、「ビジネスで役立つ○○とは」「商談を成功させるコツ5選」といったタイトルです。このように、大事な言葉をタイトルで明かさずに未完成の状態を作ることで、ユーザーの興味を誘えます。
メールマガジン
メールマガジンでサービスを配信する場合は、記事コンテンツ同様に興味を引くタイトルを作りましょう。
他にも「この方法は、次回のメルマガでお答えします」と未完成の状態を作り出すことで、続きが気になると思わせられます。
毎日たくさん受け取るメールマガジンは特に、タイトルや導入部分で強い印象を得ることが大切です。
パートワークの雑誌
パートワーク誌とは、ある1つの分野について記述された雑誌が週刊や隔週刊などに分けて刊行され、毎号購入するとコレクションが集まるという仕組みの雑誌です。
未完成だったものが、刊行されるごとに完成に近づいていく高揚感を楽しめ、「最後までパーツを集めてスッキリさせたい」という気持ちが購入を促します。
ツァイガルニック効果の事例
ツァイガルニック効果は日常で活用されている以外にも、さまざまな場面で現れます。その他の事例として、シンデレラの物語と歴史的建造物であるサグラダ・ファミリアについて見ていきましょう。
シンデレラ
シンデレラの物語に、王子は午前0時に帰ってしまったシンデレラを、ガラスの靴を手がかりに探し出そうとするシーンがあります。
王子が必死にシンデレラを探し出そうとしたのは、シンデレラが短い時間で突然立ち去ってしまい、ツァイガルニック効果が働いたと考えられます。
サグラダ・ファミリア
スペイン・バルセロナの世界遺産であるサグラダ・ファミリアは、1882年から建築が開始されましたが、いまだに完成していません。
サグラダ・ファミリアが人々に強い印象を与えているのは、未完成であることによるツァイガルニック効果によるものです。
ツァイガルニック効果を理解して活用しよう
今回はツァイガルニック効果について解説しました。あまり馴染みのない名前でありながら、CMや映画など身近な多くの場面で見られるのです。
ツァイガルニック効果をビジネスで活用すると、効果的にユーザーを引き込めます。理解を深め、マーケティング方法に活用してみましょう。