「もう桜が満開!?」「これは雪景色ですか?」……とツイッターで話題となっている写真があります。それが、フォトグラファーのyuuuiさん(@_a7r9)が撮影した鶴岡八幡宮(神奈川県・鎌倉市)の写真です。

  • 鶴岡八幡宮の赤外線写真(撮影:yuuuiさん)

淡いピンクの木々が一面を覆い尽くした、まるで桃源郷のような風景に誰もが目を奪われます。この幻想的な写真はどのように撮影されたものなのでしょうか。yuuuiさんに話を伺ってみました。

幻想的な風景の正体は"赤外線写真"

●この幻想的な写真は、どのように撮影されたのですか?

今回の写真は「赤外線写真」と言い、特殊なカメラやフィルターを用いて人間の目には見えない赤外線を撮影したものになります。正確には赤外線に色がある訳ではなく、緑色の葉などが赤外線を反射したところを撮影することになります。そうして撮影した写真に対して「カラースワップ」と呼ばれる特殊な色編集を行うことで今回投稿したような幻想的な色に仕上がります。撮影した時点では一面が赤い色になるため慣れていなければ仕上がりが想像しづらいのですが、私は赤外線写真に関してはまだ3カ月ほどしか撮影してないため、日々試行錯誤しています。

  • (撮影:yuuuiさん)

  • (撮影:yuuuiさん)

赤外線写真はもともとフィルムでのモノクロ写真で普及していたので歴史のある撮影方法なのですが、カラーの赤外線写真は撮られている方によって全く違う色になるため、個性があっておもしろいと感じています。

  • (撮影:yuuuiさん)

美しい「赤外線写真」が仕上がるまで

参考までに編集途中の画像もご紹介しますが、「編集前1:撮影時」が撮影したままの写真、これを少し色編集して「編集前2:色調整」の画になります。

  • 「編集前1:撮影時」(撮影:yuuuiさん)

  • 「編集前2:色調整」(撮影:yuuuiさん)

これを先に紹介したカラースワップという色編集を行うと「編集前3:カラースワップ後」になり、これを更に色編集することによって投稿した写真(鶴岡八幡宮の赤外線写真)のように幻想的な画になります。また、赤外線写真の「モノクロ版」も添付しておきますが、これはこれで美しいですよね。

  • 「編集前3:カラースワップ後」(撮影:yuuuiさん)

  • 鶴岡八幡宮の赤外線写真(撮影:yuuuiさん)

  • 「モノクロ版」(撮影:yuuuiさん)

yuuuiさんが思う"赤外線写真の魅力"とは?

●赤外線写真の魅力について教えてください
まずはじめに、今回の投稿のように何気ない景色を幻想的な色に変えられるという大きな魅力があります。

  • 鶴岡八幡宮の写真とは、また違った趣の赤外線写真。こちらも美しい(撮影:yuuuiさん)

  • (撮影:yuuuiさん)

他にも、例えば通常のカラー写真とモノクロ写真を比べた際に、モノクロ写真は色が少ない分、明暗や質感などに注目させることができます。同様にカラー赤外線写真では、通常は緑色の葉が鮮やかなピンクや赤、青などの色に編集することが可能なため、写真を見る人を注目させられる箇所が変わります。

  • (撮影:yuuuiさん)

見慣れた景色も全く違った見え方になるため、赤外線写真の撮影を行う際には"どうすればこの景色が美しくなるのか?"ということを考えて撮影します。そういった普段とは違った考えで撮影できることも魅力の一つと考えています。

  • (撮影:yuuuiさん)