俳優の松坂桃李が、4月スタートのテレビ朝日系ドラマ『あのときキスしておけば』(毎週金曜23:15~ ※一部地域除く)で主演を務めることが3日、明らかになった。相手役は麻生久美子、井浦新が演じる。

  • 左から井浦新、松坂桃李、麻生久美子=テレビ朝日提供

同作は、『大恋愛~僕を忘れる君と』『セカンド・ラブ』など数々の恋愛ドラマを世に送り出してきた脚本家・大石静氏のオリジナルドラマ。

桃地のぞむ(松坂)は、勤務先のスーパーでも失敗ばかりの、32歳ポンコツ独身男性。唯一の楽しみは漫画『SEIKAの空』を読むことだが、ある日クレーマーに絡まれていたところを作者の蟹釜ジョーこと唯月巴(麻生)に助けられ、運命の出会いを果たす。男性だと思っていたら女性だった憧れの人に気に入られ、家政夫のような高額なアルバイトまで依頼される桃地。いつしか押し倒されてキスされそうになるまでの、友だち以上恋人未満の関係に。しかし、唯月は突然帰らぬ人となってしまう。悲しみに暮れる桃地の前に、見知らぬおじさん(井浦)が現れ一言――「私が巴なの」。

ヒロインが見知らぬおじさんになってしまうという一風変わった“入れ替わり”ラブコメ。見知らぬおじさんは田中マサオという名の清掃員で、物語が進むにつれマサオの正体も明らかになっていく。

松坂は台本を読んだときの感想を「新しいジャンルの作品だ。予測のつかない面白さが生まれる気がしました。正直、一体どういうことなんだろう? と何度も読み返しては読み進める、そんな本でした」と述べる。麻生とは大河ドラマ以来の共演だが「コミカルなお芝居もシリアスなお芝居も魅力的に演じ分ける方なので、この作品においても信頼できるヒロインになって下さると思っています」とメッセージを送り、「井浦さん演じる田中マサオと麻生さん演じる唯月巴を桃地として全力で愛していけたら」と意気込んだ。

麻生は自身の役どころについて「強さと弱さを併せ持った、才能溢れる天才。その人物を私と井浦新さんの二人で演じるという新たな挑戦をします。“二人一役”という、共同作業が必要になりそうなところもまた私にとっていい経験になると思いますし、キャラクターに深みが出そうで楽しみです。今まで演らせていただいたことがない役ですので、思い切って振り切って演じたいと思います」と宣言。

井浦は今回のオファーを「友人でもある貴島彩理プロデューサーからお話をいただき、即答で『やりたいです』とお返事をしたんですが、台本を読んだ今はちょっと後悔しています(笑)」と明かし、「いざ自分の役柄として台本と向き合うと、展開もすごいし、セリフも膨大で、きっと撮影は大変になるだろうなと逃げたくなってしまいました(笑)」と話す。そして「僕自身、“ラブコメ”は初めてで、46歳にして“ラブコメ”をやるなんて思ってもいなかったですし、ヒロインを演じるのも初めて。チャレンジづくしの良い機会をいただいたので、今まで見たことのない井浦新をお見せしたいと思っています」と力強いコメントを寄せた。

脚本の大石氏は作品について「ジェンダーフリーな世界観を提示しています。そしてすべての人が抱えている終わる命の宿命や、生まれ出た以上、強く人を愛してこその人生であるという想いを込めて書いています。でもあまり難しいことを考えず、予測不能な展開のラブコメディを楽しく笑って見ていただけたら、うれしいです」と呼びかけた。