"普通の人"でも本業に打ち込めば得意分野が見えてくる
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小柳津林太郎さん/1981年生まれ。サイバーエージェントに新卒入社し、入社3年目で子会社「CyberX」の社長に就任。米国子会社の立ち上げにも関わる。2018年、婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』に2代目バチェラーとして登場、人気を博す。2019年に独立後はオンラインサロン「ハイブリッドサラリーマンズクラブ」の運営や、YouTubeチャンネルの立ち上げ、複数社の顧問業に従事。IT×飲食、サプリメントの製造、ECなど、多彩な事業にも取り組む
ここまで2人の相談にのってくださった小柳津さん。最後に副業ないし複業について気になることを聞いてみました。
――どんな副業ないし複業であれば、充実感を持って取り組むことができるでしょうか
小柳津さん:本業でもそうだと思いますが、働く上で一番幸せなのは、自分の強みを活かせること、やりたいこと、組織や社会に必要とされていること、この3つの円が重なり合う仕事ができることだと思います。
――若手の社会人であれば特に、やりたいことなんてない、自分の強みなんてわからない、という人も多そうです
小柳津さん:やりたいことなんて、若い頃はほぼまとまっていないのが普通だと思いますよ。僕もなんとなく「やりたいことってこうかも」という思いがありながら、よくわからなかったから、一度は会社に入社しています。それは決して悪い事ではなくて、組織に求められていることを一生懸命取り組んでいく中で、自分のやりたいことや本来の強みが見えてくるものなんじゃないでしょうか。
複数のコミュニティに属して行動に多様性を
――複業を始めるきっかけがつかめない人はどうしたらいいですか?
小柳津さん: 例えば、今自分が所属しているコミュニティを大事にしつつも、他のコミュニティに入ってみるのはいいかもしれません。今の時代は、気の赴くままにいくつかのコミュニティに顔を出していた方が、価値観の多様性や出会いの多様性が生まれ、ひいては行動の多様性につながっていきます。
週末のランニングチームでも良し、釣り仲間を増やすも良し、サウナ―の会に行くのも良し、ビジネスに興味があればそういったオンラインサロンに入ってみるのも良いと思うんですよね。
――人とのつながりで自分の可能性や何かを始めるきっかけが生まれてきそうですね
小柳津さん:そうですね。また身近に"自分の斜め上をいっている人"がいると、やっぱりすごくいい刺激を受けるし、行動が変わってきます。「この人がこんな感じでやっているなら、自分もやってみようかな」と思えるし、直接アドバイスをもらったり、なんなら一緒に何かをやってみようということになったりするかもしれません。
複業が自分の希少性を高めてくれる
小柳津さん:2020年以降、新型コロナウイルスの流行によってリモートワークが浸透し、オフィスに行く必要がいよいよなくなってきたので、リモートワークからのリゾートワーク、リゾートワークからのパラレルワーク、という流れはますます加速するでしょう。
また、コロナ禍で複業の必要性も顕在化しています。飲食業が一番わかりやすいのですが、店舗での飲食提供に制限が生まれたときに、デリバリーやテイクアウト、冷凍食品のECや料理系YouTuberなど、マルチに収益源を作っていかないと生き延びることができない、そういう事態が発生しています。
これをサラリーマンに置き換えていくと、どの会社も生涯安泰といったら、そんなことは絶対にないので、リスク分散という意味で、"会社にぶら下がらなくてもコレとコレで飯は食える"という能力や資産を作っていった方がいいと思っています。
1つのことだけ突き抜けることができる人、それで生きていける人はほんの一握りです。
全部が中途半端だと自分のバリューにならないので、マーケットに一定程度認められるレベルまで抜け切る必要はありますが、複数の活動に分散した方が、能力・スキルの掛け算で、自分の希少性を高めることもできると思いますよ。
――小柳津さん、ありがとうございました!
小柳津さんはサラリーマンに新しいワークスタイルを提示し、背中を押すためのサロン「ハイブリッドサラリーマンズクラブ」も運営されています。興味のある方はぜひのぞいてみてくださいね。