「ワーケーション」という言葉が一般化した2020年。「ワーク」と「バケーション」を合わせた単語であることはすでにご存知だと思いますが、仕事と休暇を一緒にするってどういうこと? と思っている方も多いのではないでしょうか。

筆者自身も、ワーケーションというのはかなり限られた人にしかできないものだという認識でした。ですが、ワーケーション体験をした香川県の「URASHIMA VILLAGE(ウラシマビレッジ)」で、このコロナ禍での滞在方法における一つの正解を見たように感じています。

今回は、実際に行った体験をその魅力と共にお伝えします。

「URASHIMA VILLAGE」とは?

  • URASHIMA VILLAGEの入り口

URASHIMA VILLAGEは2021年1月に香川県西部の三豊市にオープンした施設。単なる一棟貸しの宿泊施設というわけではなく、SUP(サップ)やカヤック、うどん作り体験といったこともできれば、仕事をするにも最適な環境だそう。ということで、早速体験利用させてもらいました。

結論から言うと、豊かな自然に囲まれた中でのワーケーション……最高です! これまでは、「ワーケーションといっても人によって働き方も違うし、施設としてそれを大々的に売り出すのは難しいんじゃないか」と思っていた筆者ですが、ここでなら本格的にやってみたい、と思えました。

三豊市にオープンした当施設

高松駅から車で1時間半ほどにあるこの町は、夕日の名所として近年人気で、海との距離が近いということは事前に分かっていましたが、入り口のドアを開けた瞬間にこんな景色が待っているとは……自然と期待に胸が高鳴ります。

  • 入り口を抜けると海!

  • 今回利用したのは「音-silence-」

施設内には3つの宿泊棟があり、今回利用させてもらったのは、3棟の中で最も海に近い「音-silence-」。

  • 開放的なバスルーム

  • 寝室からも外の景色が見えます

  • 絶景を望むリビング

バスルームや寝室からも外の景色が望め、ホテルのような仕様となっていますが、何よりも驚いたのは見晴らしが素晴らしい2階のリビングダイニングキッチン。ワーケーション施設というよりも、憧れの別荘に来た気分です。

  • キッチンの設備も文句なし

キッチンが使えるのはもとより、設備の充実度がとても高い。冷蔵庫(かなり大きい)や炊飯器などはもちろん完備、アイランド型のシンクもとても使いやすそう……これは、もうそのまま家として住めるんじゃないか、というくらい整っています。

ワークには適してるの?

ここまではリゾートステイのようなリッチな設備や環境が目につきましたが、あくまで今回はワーケーション体験、「ワーク」の方にも注目してみましょう。

  • 絶景を横目にした作業は想像以上に捗りました

ダイニングテーブルでの作業を開始。「広すぎて落ち着かない」「絶景が横にあると仕事どころじゃなくなる」と危惧していましたが、まったく問題ありません。

爽やかな太陽の光が差し込む環境は、思った以上に集中できるスペースであることが分かりました。気候がよければ、窓を開けて外の音や風を感じながらの作業もはかどりそう。

とはいっても、人によっては「きれいな景色や豪華な設備がそばにあると、集中できない!」という場合もあるかもしれません。実はそんな人にお勧めのワークスペースもここにはあるんです。

  • 階段の下に空間が……

  • 仕事集中スペースも完備!

それが1階と2階をつなぐ階段下スペース。あるのはパソコンを置く机、そしてミニスタンドのみです。電源はあるので電池を気にすることなく、仕事に没頭できます。

こんなに作業だけに特化した空間は、なかなか自宅やコワーキングスペースでもありませんよね。さすがにこれで集中できないとは言えません。

仕事場から徒歩圏内のビーチ

  • ビーチで気分転換も可能

最後にビーチへも行ってみました。部屋から見えることはすでにご紹介しましたが、階段で降りていけるのです。仕事場から徒歩数分でビーチとか、贅沢すぎません?

すぐそばには浦島太郎伝説が残る丸山島があり、浦島神社も。少し散策するだけで最高の気分転換になること間違いなしです。

しかも、ここのビーチを利用してのSUPやカヤック、釣り具レンタルなど、さまざまなアクティビティも用意されていて、ワークだけじゃなくバケーションを楽しむ場としても大きな魅力がそろっています。

最大の魅力は「余白」

  • さまざまな楽しみ方ができるのが最大の魅力

施設を利用して筆者が感じたURASHIMA VILLAGEの最大の特徴は、楽しみ方が一つじゃないという、選択の幅の広さ。この施設の発起人の一人である古田秘馬(ふるた・ひま)さんにお話を伺うと、大事にしている点として「余白があること」という点を挙げてもらいました。

この余白こそ、今のワーケーションや新しい生活様式に必要な要素なのかもしれません。ワーケーションと一口にいっても、人によってワークの形は違いますし、同じグループの中でもやりたいことは違っているのが普通です。

家族だけで楽しみたい。仲良しグループでワイワイしたいけど、それぞれの仕事をする時間も確保したい。利用するシーンはさまざまなものが考えられますが、余白があるということは自分で好きなように滞在をカスタマイズできるということ。

ワーケーションを通して、あなたにしかできない余白の使い方を考えてみてはいかがでしょうか。

●information
URASHIMA VILLAGE
香川県三豊市詫間町大浜乙171-2