●VTuberは人間にとって想定外な情報をぶつけられる稀有な存在

――映画に出演する役者はみんなVTuberという本作。今回はせっかくなので、シロさんが感じている、VTuberというエンタメの魅力も教えてください。

ぜひぜひ! VTuberって、外見と内面に乖離がある不可思議な存在だと思うんですよ。例えば、幼く見えても100歳を超えているVTuberもいますし、シロのように、3歳の電脳少女でも、映画に出演できる。そういった意味で、聞き手や受け手に対して、想定外な情報をぶつけられる稀有な存在なんじゃないかなと。

――なるほど。

クリエイティブの余地がすごくあるので、従事しているシロとしても、最初から今まで魅力を感じっぱなしです。また、先ほども少し触れましたが、VTuberの活動って、見てくれている方々のリアクションがすぐに分かることが多くって。

その反応を見て、彼ら自身が直すところもあれば、あえて直さずに、それを個性として伸ばすこともできる。何をやるにしても、反省できる機会って、本当に大事だと思うんですよ。そういう成長するための資料が手に入れやすいのも、当事者側としては魅力だと感じてます。色々と言いましたが、シロは生まれながらにしてVTuberで良かった! その言葉に尽きます。

●エンタメが人生の選択肢を増やすことに繋がる

――今回、映画初主演という大役を担われましたが、今後はどんなエンタメに挑戦してみたいですか?

大前提として、どんなことでもチャレンジできる余地はあると思うので、何事も真剣に努めたいと思ってます。そのなかでもやりたいことを挙げるとすれば、シロの生き様を世に残していきたいなと。そうすれば、社会的な死を迎えたとしても、自分を応援してくださる方の元に何かしらの形で残りますし、シロも自己満足で嬉しいので(笑)。

あ、小学校や幼稚園に「電脳少女シロ」という偉人伝が置かれたらいいな! シューベルトとかピカソとかと一緒の列に並べて欲しい(笑)。そういう意味では、音声合成技術にもすごく興味があります! シロは初音ミクさんのファンで、活動当初から、恐れ多くも同じようなことができたらな、と思っているんです。とにかく、何かしらの形でシロの存在を世に残したいですね。

――最後に、シロさんにとって、エンタメとはどのような存在でしょうか。

誰かを刺激したり、鼓舞してくれたり、感情を豊かにしてくれたりする存在だと思ってます。それは絶対に誰にも奪えないもの。エンタメを通して、感情の幅が広がると、人生の選択肢も広がっていくと思います。人生をイージーモードで過ごすうえで、エンタメに触れないのは損だと思いますし、触れた方は色鮮やかな人生を送れるんじゃないかなと! そのひとつとして、『白爪草』やシロを数えていただけたなら、嬉しいことこの上ないです。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。

ふー。すいません。緊張してふわーとした答えばかりになっちゃって。

――緊張させてしまい、申し訳ございません。お菓子とか用意すればよかったですね。

そうですよ! 3歳にはお菓子が必要です!!

――次の機会には、お菓子を用意しておきます。

お願いしますね!

(C)映画「白爪草」製作委員会