テレビは、毎日の生活に楽しみや役立つ情報を与えてくれます。ニュースやドラマ、情報番組など、さまざまな番組が放映されていますので、家にいるときはなんとなくテレビをつけている人もいるのではないでしょうか。

それほど高額な電気代がかかるイメージのないテレビですが、実際には、1カ月でどのくらい電気代がかかっているのでしょう。本記事では、テレビの1時間あたりの電気代や、テレビ代を節約するためのポイントをご紹介します。

テレビの電気代はどれくらいかかっている?

テレビの電気代は、テレビ画面のサイズや画質、種類によって変わるものです。また、テレビを見ていない間も、電気代がかかっていることがあります。節約ポイントを知る前に、まずは、テレビの電気代がどのくらいかかっているのかを見ていきましょう。

テレビを1時間見たら、電気代はいくら?

テレビの電気代は、「消費電力(W)×使用時間×1kWhあたりの電気代(円)÷1,000」によって計算できます。つまり、1時間あたりの電気代は、テレビの消費電力と電気代がわかれば計算できるということです。

具体的な消費電力はテレビによって変わりますが、ここでは東芝のテレビの例をご紹介します。なお、1kWhあたりの電気代は、27円として計算しています(参考 : 全国家庭電気製品公正取引協議会「新電気代目安単価」)。

  • 24型(2K):38W×1時間×27円÷1,000=約1.0円
  • 32型(2K):52W×1時間×27円÷1,000=約1.4円
  • 40型(2K):67W×1時間×27円÷1,000=約1.8円
  • 50型(4K):130W×1時間×27円÷1,000=約3.5円

基本的に、テレビの画面サイズが大きくなればなるほど電気代も高くなっていきます。また、2Kテレビに比べると、4Kテレビのほうが電気代は高い傾向があります。

液晶テレビと4Kテレビ、プラズマテレビで電気代は違う?

テレビには液晶テレビ、4Kテレビ、プラズマテレビの3つの種類があります。まずは、それぞれの種類の特徴について見ていきましょう。

  • 液晶テレビ

液晶パネルで明るさを調整する、現在主流の液晶テレビ。2Kや4Kなどの種類がある。

  • プラズマテレビ

プラズマ発光を利用した色あざやかな表現ができるプラズマテレビ。消費電力が高いため、省エネブームの波により、現在は生産を終了しているメーカーが多い。

  • 有機ELテレビ

発光に必要な放電スペースが不要のため、液晶テレビよりもさらに薄い有機ELテレビ。自発光するので、色があざやかで美しいことが特徴。

電気代は、この中では液晶テレビが最も安く、プラズマテレビや有機ELテレビはそれより高くなります。また、同じ液晶テレビの中でも、フルハイビジョンと呼ばれる2Kテレビに比べて、4Kテレビは高くなります。しかしその分、4Kテレビは2Kテレビの4倍の解像度がありますので、美しい映像表現が楽しめるでしょう。

テレビは使っていなくても待機電力がかかる

テレビの電気代は、使っているときだけでなく、使っていないときも待機電力がかかります。完全に電気代をゼロにするためには、コンセントを抜く必要があります。

とはいえ、テレビの待機電力は0.4W(40型2Kテレビの場合)のため、1カ月あたりテレビをつけずに待機電力だけだったとして、電気代はおよそ8円になります。電気代としては大きくはありませんが、待機電力がかかることを知っておきましょう。

  • テレビの画面サイズが大きくなればなるほど電気代も高くなる

    テレビの画面サイズが大きくなればなるほど電気代も高くなる

テレビは平均で1日にどのくらい見ている?

総務省の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2020年)によると、テレビは平日で平均161.2分、休日で平均215.9分見ているという調査結果となっています。

ちなみに、インターネットは平日で平均126.2分、休日で平均131.5分です。テレビ離れといわれることも多いですが、平均ではインターネットと比べても、依然としてテレビの視聴時間のほうが長いという結果が出ています。

若年層を中心に、リアルタイム視聴の時間は減っていますが、録画でテレビを視聴する時間が延びています。自分の時間を大切にしつつ、録画機能を活用してテレビを見ている人が増えているといえるでしょう。

テレビの電気代を節約する方法とは?

テレビの電気代を節約するためには、いくつかの方法があります。今すぐ実行できるテレビ視聴時のポイントなども、まとめてご紹介します。

省エネ性能の高いテレビに買い替える

テレビの省エネ性能は、年々向上しています。テレビには「統一省エネラベル」がついていますので、どのくらい省エネが実現できるのかをすぐに確認することが可能です。統一省エネラベルには、5段階の省エネ性能が記載されており、星マークが多いほど省エネ性能が高いことがわかります。

経済産業省・資源エネルギー庁によると、2010年の頃の液晶テレビ(32型)に比べて、2017年の液晶テレビは、約34% も節電性能が高いという調査結果があります。 最新型のテレビに買い替えれば、それだけで省エネ効果が期待できます。さらに、省エネレベルの高い商品を選べば、より電気代を節約することができるでしょう。

2Kテレビにする(画質を気にしない場合)

パナソニックのビエラのウェブサイトによると、有機ELテレビや4Kテレビは画質が優れている反面、2Kテレビよりも消費電力が約5~6倍高くなります。 2Kテレビは消費電力が少ないだけでなく、テレビ本体の価格も4Kテレビや有機ELテレビより安くなります。できるだけ節約しながらテレビを楽しみたいのであれば、テレビを買い替える際、2Kテレビを選んでみてはいかがでしょうか。

画面の明るさや音の大きさを調節する

画面の明るさを暗くしたり、音を小さくしたりすることで、消費電力を抑えることができます。テレビの見やすさや音の聞き取りやすさとの兼ね合いもありますから、無理のない範囲で調節してみましょう。

自動オフ機能を使う

自動オフ機能とは、あらかじめ指定しておいた時間内に一切操作がなかった場合に、自動でテレビの電源が切れる機能のことです。 テレビをつけたまま寝落ちしたり、なんとなくテレビをつけたままにしたりする人にはおすすめです。

ほこりなど液晶部分をきれいにする

液晶画面には、案外ほこりがたくさんついています。テレビをつけているときはあまり気にならなくても、電源をオフにすると、ほこりが画面にびっしりついていて、ぎょっとしたという経験がある人も多いのではないでしょうか。 テレビの液晶は、ほこりなどで汚れていると画面が暗く見えます。汚れたまま明るさを上げれば、当然消費電力も上がり、電気代が余計にかかるため、きちんとお手入れをしておきましょう。

  • 細目な工夫でテレビの電気代は抑えられる

    細目な工夫でテレビの電気代は抑えられる

使用時間が長いテレビの節約方法を知っておこう

テレビの電気代は、種類やサイズ、機能によって変わるものの、電気代はそれほど高くはありません。しかし、テレビはほかの家電と比べても使用時間が長くなる傾向がありますから、日頃から画面の掃除やタイマー機能の活用といった節約を心掛けましょう。

より効果的な節電を目指すのであれば、最新型のテレビに買い替えることも電気代を抑えるのには効果的です。節約方法を知り、賢くテレビと付き合っていきましょう。