共働きの家庭では、どれくらいの年収が一般的なのでしょうか。これから新しく家庭を持とうと考えている人も、すでに夫婦で共働きをしている人も、今の自分や相手の年収で十分なのかどうか気になりますよね。

今回は、共働き家庭の一般的な年収やライフスタイルをまとめました。ご自身のライフスタイルプランを考える上での参考にしてみてください。

  • 共働きで理想のライフスタイルをつかもう

    一般的な共働き家庭の年収や生活はどのようなものなのでしょうか

共働き家庭の平均年収

共働き家庭が、片方が働くだけより収入が多くなることは想像に難くないでしょう。実際に一般的な共働きの家庭がどれくらいの収入を得ているのか、総務省の「家計調査報告(家計収支編)平成29年」をはじめとするデータを参考にまとめました。

月収61万円前後が一般的

総務省の調査によると、2020年の共働き家庭の月収は約61万円。夫だけが働いている場合は、約51万円となっています。つまり夫婦共働き家庭の年収は約730万円、夫だけが働いている場合は約610万円となり、約120万円もの差を生み出しているという結果になっています。

【年代別】共働きの平均年収

平均収入は年代によっても大きく異なります。そこで総務省の「家計調査報告(家計収支編)」のデータを元に、世代別の共働き家庭の平均年収をまとめました。

調査によると、2019年では34歳以下の共働き家庭の平均月収は約47万円、年収にすると約570万円。30代後半で年収は約630万円、40歳以上になると年収は約690万円という結果になりました。

年収800万円ベースというと、男性が1人で稼ぐには年齢を重ねてそれなりの役職についてやっと得られる金額です。共働きになることで、40代から2人で年収800万円を超えられる可能性があるということになります。

【職種別】共働きの平均年収

収入に違いが出る要因としては、年代の他に業種の違いがあげられます。国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」による、業種別の平均年収をご紹介しましょう。

電気・ガス・熱供給・水道業の1人あたりの平均年収は約715万円。これらの業種は人々の生活に必要不可欠な仕事で大手企業であることも多く、平均年収も高めになっているようです。

続いて金融業・保険業が約630万円、情報通信業が約611万円となる一方で、宿泊業、飲食サービス業となると約251万円。共働きで2人とも飲食サービス業であったとすると、情報通信業の1人あたりの平均年収より少なくなります。共働きであっても、業種に左右されるところは大きいようです。

【雇用形態別】共働きの平均年収

近年は正規雇用と非正規雇用の違いがなくなってきたといわれています。そこで国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」による働き方による平均年収の違いをみてみましょう。

正規雇用の場合、男性は約550万円、女性は約384万円と、やはり男女による差は依然としてあるようです。非正規雇用の場合でも男性は約228万円、女性約153万円。男女の差はもちろん、正規雇用と非正規雇用との間にはまだまだ平均年収に差があることがわかります。

しかし、これも共働きであれば、お互いに収入の不足や家事との両立という面でサポートしていけるでしょう。

  • 共働き家庭の平均年収

    自分たちの年収はどれくらい? 計算してみましょう

年収別ライフスタイル

共働き家庭ならこれくらいの年収が欲しい、こういうライフスタイルにしたい、といった理想はいろいろあるかもしれません。具体的に年収がいくらでどのようなライフスタイルが実現できるのでしょうか。簡単にシミュレーションしてみましょう。

年収500万円前後

年齢が30歳前後で、夫が正規雇用で妻がパートなどの非正規雇用の夫婦をモデルにしてみましょう。2人合わせて平均年収が500万円前後とすると、額面収入から税金や保険料を差し引いた手取り収入は400万円前後。月額にすれば約33万円となります。

夫婦で生活する分には、家賃や食費、水道光熱費、通信費などの生活費を引いた上でも、趣味に回すお金くらいは残ります。貯蓄をする余裕もあるでしょう。

ただしそこに子供が生まれると、教育費がかかってきます。経済的なゆとりは少なくなり、節約の工夫が必要になりそうな年収ラインといえるでしょう。

年収800万円前後

30代の夫婦が正規雇用で働いている家庭を想定します。税金等を差し引いた手取り収入は640万円前後で、月額に直すと54万円前後です。

夫婦のみはもちろん、子供がいたとしても残りを自分の趣味や貯蓄に使う分には問題ない収入です。月々の住宅ローンなどを抑えれば、比較的裕福な生活が望めるかもしれません。

年収1,000万円前後

正規雇用で働き続け、30代後半以上になる夫婦であれば、1,000万円前後の平均年収を稼ぎ出すことも十分にあり得ます。その場合の手取り収入は770万円前後で、月額にすれば65万円前後です。子供がいたとしても、贅沢しない限りは貯蓄をする余裕も十分といえるでしょう。

  • 年収別ライフスタイル

    自分の理想のライフスタイルとそれに見合った年収はわかりましたか?

共働きで世帯年収1,000万の現実

年収1,000万というと1人で稼ぐには途方もない数字に思えますが、共働きならば手が届くかもしれません。実際に年収1,000万円の家庭はどれくらいいて、年収1,000万円の生活とはどのようなものなのかイメージしてみましょう。

年収1,000万世帯の割合

国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、民間企業に勤めて1人で年収1,000万円を稼ぐ人は、男女合わせて全体の4.6% しかいないそうです。

一方、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」によると、年収が1,000万円以上ある世帯の割合は11% 。夫婦で協力して共働きすることで、年収1,000万円以上を稼ぎ出している人たちもいるのです。

年収1,000万超世帯の金融資産保有額

年収が1,000万円ある家庭をイメージしたことがあるでしょうか。それだけあれば多額の貯蓄もできて生活にもゆとりがあるように思うかもしれません。しかし、それらのイメージを覆すデータがあります。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)によると、世帯年収が1,000~1,200万円未満の2人以上世帯での金融資産保有額は平均1,790万円。金額のすべてが現金とは限りませんが、確かにほとんどの家庭が潤沢に貯金できているように思われます。

しかし一方で、貯蓄ゼロという世帯も4% 。年収が高いからといって貯金がうまくできるということはないようです。年収の高さにかかわらず、あればあるだけ使ってしまうという癖の人もいるのでしょう。

共働きで年収1,000万稼ぐメリット

年収1,000万円を1人で稼ぎ出しても、あるだけ使ってしまっていたら努力も水の泡です。しかし、共働きで年収1,000万円を稼いでいれば、十分な貯金を蓄えておくことも不可能ではありません。それぞれが自分の収入を管理すればいいですし、お互いに牽制しあうこともできます。

何より、同じ年収1,000万円でも1人で稼ぐのと共働きで稼ぐのとでは、税金が大きく異なるのは大きなポイントです。例えば夫が500万円、妻が500万円の場合。2人とも負担する税金はそれぞれ110万円となります。

一方夫だけが年収1,000万円を稼いでいると、税金は約270万円。これを夫が1人で負担することになり、最終的な手取り額は共働きの家庭の方が50万円も多くなるのです。

これは累進課税が適用されているからです。共働きの家庭の方が低い税率が適用され、税負担を軽くすることができます。

  • 共働きで年収1,000万も夢じゃない

    協力すれば年収1,000万円は夢じゃない!


共働き家庭での平均年収、理想のライフスタイルについてまとめました。どれくらいの年収があれば自分の理想のライフスタイルを実現できるか、イメージはつかめたでしょうか。共働きには働き方の面でも大きなメリットがありますが、収入を増やす上でもお得に増やすことができます。

ご自身の理想のライフスタイルに合わせて目標設定し、納得できる年収を稼ぐことを目指してみてくださいね。