同社ではDXと並行して、働き方を多様な角度からデータとして可視化して活用していこうという取り組みも始めているという。
その一例として山本氏は、Microsoft Teamsのデータを示した。2月中旬にリモートワークを推奨して以降、オンライン会議やチャットの数が急増している。今後は、コミュニケーションの範囲や業務による特徴も分析してみたいと山本氏は語る。
リモートワークの実施状況も可視化している。講演の序盤で触れた実施状況のグラフはSSL-VPNのセッション数、すなわちリモート接続数を可視化したものだった。
オフィスのビルにおける入館ログを使用して、出社人数も可視化している。ビルごとやフロアごとなど、さらに細分化した分析も可能とのことだ。山本氏によると、「いかにリアルタイムに近い形で提供できるかに、取り組んでいるところです」という。
同社は、オフィスの「密」度合いの可視化にも取り組んでいる。これにはWi-Fiのアクセスポイントに接続している端末数と電波の強度を利用しており、端末数を人と読み替えれば、オフィスの密度合いを表すヒートマップに変換できるのではと考えているとのことだ。リアルタイムの提供が可能になれば、共用スペースなどで密を避けるためのデータとして利用できると、山本氏は有用性を語る。
これらの取り組みのまとめとして山本氏は、「新たな働き方を推進するため、どういうデータを活用し、皆さんへ提供していくか、引き続き知恵を絞っていきたいと思っています」と語った。
新しい働き方を支えるカルチャーの定着
ここまで、新しい働き方への同社の取り組みを4つの軸で紹介してきた山本氏は、その実現には「これを支えるカルチャーの定着を忘れてはいけません」と強調する。そのカルチャーは、3つの側面から成り立つという。
1つめに掲げるのは「一人ひとりの自律とチームワークの両立」だ。 リモートワークでは個々の自律、セルフマネジメントが求められると同時に、同社がこれまで培ってきたチームワークも引き続き大事にしたいという観点から、筆頭に挙げたとのこと。
2つめは、「多様性の尊重」。個々が置かれている環境も価値観も異なるが、それをお互いに尊重していこうという意味だとしている。
3つめは「見える/見せることによる信頼」。リモートワーク化で見えにくくなりがちだからこそ、意識していろいろなことをオープンにし見せていくことで、信頼を積み重ねていこう、という意図だという。
山本氏は、「これらのことがカルチャーとして定着していくと、新たな働き方の実現には非常に重要だと思っています」と、その重要性を力説した。
最後に山本氏は、「新たな働き方を通じてEmployee Engagementを高め、一人ひとりの社員がお客さまの良きパートナーとしてお役に立てる存在でありたい」という、同社の改革を通じた願いを紹介して、講演を締めくくった。




