月給16万円の場合、実際にどの程度の額が手元に残り、生活費はどの程度になるのでしょうか?

月給が16万円の人の手取りは、16万円より少なくなります。月給から所得税や社会保険料などが差し引かれた金額が手取りです。ここでは、月給16万円の手取りや差し引かれる額、月給16万円で一人暮らしがなぜ厳しいのかなどについて解説します。

  • 月給16万の人の手取り額と税負担は? 生活費のイメージも紹介

    月給16万の人の手取り額と税負担は? 生活費のイメージも紹介

月給16万円の手取り額は13万円程度

月給16万円の場合、年収に直すと192万円(ボーナスなし)となります。しかし、そこから住民税や厚生年金、健康保険料などが差し引かれ、手取り額は13万円前後となります。

加入している健康保険組合などによってこの金額は前後するため、あくまでおおよその値であることをご理解ください。

また、会社によっては上記の額から将来のための貯蓄などを差し引く場合もあります。代表的なものは以下の通りです。

  • 退職金積立
  • 財形貯蓄
  • 従業員持株制度の負担金
  • 企業年金
  • 労働組合費
  • 月給16万円の手取り額は13万円程度

    月給16万円の手取り額は13万円程度

月給から差し引かれる項目は?

月給から天引きされる主な項目は、以下の通りです。

  1. 住民税・所得税
  2. 健康保険・介護保険
  3. 厚生年金
  4. 雇用保険

以下、順に詳細を説明します。

■1. 住民税・所得税

月給から天引きされる税金には、国税である所得税と地方税である住民税とがあります。

所得税はあらかじめ予想される税金を差し引いて源泉徴収され、1年間の収入が決まった時点で正式な額を計算し、1年間に源泉徴収されていた金額との差分を払い戻しします。

住民税は前年度の所得をもとに計算されており、前年の所得に対して翌年6月から住民税が発生します。そのため、新入社員には1年目の住民税はかかりません。また、転職をした場合にも同様に昨年の所得が住民税の計算に反映されます。

■2. 健康保険・介護保険

月給から健康保険料と介護保険料も天引きされます。加入団体は、大企業や企業グループは組合管掌健康保険、中小企業の場合は協会けんぽ、公務員などは共済組合です。天引きされる金額は、加入団体や年収によって異なります。また介護保険は40歳〜64歳の従業員が対象となります。

■3. 厚生年金

厚生年金適用の会社であれば、厚生年金保険料も天引きされます。ただし厚生年金は会社との折半となるので、自己負担は半額です。月給16万円の場合、厚生年金保険料は14,640円。月給の1割近くが差し引かれます。

■4. 雇用保険

月給から差し引かれる雇用保険料は、従事している仕事によって料率が異なります。雇用保険は労働者負担分と事業主負担分とがあり、労働者負担分は下記の通りです。

事業の種類 令和2年度の雇用保険料率
労働者負担分
月給16万円に対する負担金
一般の事業 0.3% 480円
農林水産・清酒製造の事業 0.4% 640円
建設の事業 0.4%
  • 月給から税金や社会保険料などが差し引かれます

    月給から税金や社会保険料などが差し引かれます

月給16万円で一人暮らしする際の生活費は?

月給16万円だと手取りは13万円程度になるため、一人暮らしをする際には支出を抑える工夫が必要でしょう。そこで、一人暮らしに必要な支出と金額の目安を紹介します。

■水道光熱費・通信費

水道光熱費と通信費には、以下のような支出があります。

  • 水道料金
  • 電気料金
  • ガス料金
  • 携帯電話料金
  • インターネットプロバイダ料金

これらを合計して約1.5~2万円程度かかるのが一般的です。ただしアパートやマンションによってはインターネットプロバイダ料金込みであったり、プラン変更でお得になったりする場合もあります。できるだけ有利に使えるよう情報収集していきましょう。

■交際費

社会人になるとどうしても人付き合いで出費が必要です。職場の飲み会や冠婚葬祭などが重なると、あっという間に赤字になってしまうこともあります。急な誘いに毎回乗っていると大変なので、月の交際費は1.5万円程度に抑えておくと使いすぎずに済むでしょう。

■食費

毎日のように外食やコンビニエンスストアなどで済ませていると、手間はかかりませんがお財布には優しくありません。自炊をするとかなり節約できますので、できるだけ自炊を取り入れましょう。毎月2万円以内に抑えられると、月給16万円でも生活しやすくなります。

■雑費

生活していくうえで、消耗品の購入や交通費、衣類・化粧品・美容室代などはどうしても必要な支出となります。2万円程度を目安に抑えておくとよいでしょう。

■家賃

ここまでの出費から計算すると、月給16万円(手取り13万円)で家賃に使えるのは約5.5万円です。関東圏で働く場合には、特に東京23区や市部の駅近物件での一人暮らしは厳しいので、郊外を選ぶかハウスシェアリングなどを活用するといいでしょう。

地方の場合は十分に一人暮らしできる物件を見つけられるので、予算と相談しながら探してみてください。

月給16万円から給料を上げるためには?

以上、月給16万円の場合の生活費について紹介しました。中には、「意外と厳しい」という感想を持った方もいるかもしれません。ここでは、給料を上げる方法について、以下の4つのパターンを例に紹介します。

  1. 資格を取得する
  2. 昇格・昇給を目指す
  3. 副業を始める
  4. 転職する

以下、順に説明します。

■1. 資格を取得する

従業員のスキルアップを啓発している会社は多いようです。資格取得により資格手当が支給される会社もあり、月給アップをはかれます。

資格手当には下記のような種類があります。

  • 資格給(毎月支給)
  • 合格報奨金(一時金として支給)

月給が上がるだけでなく仕事に必要な知識も取得でき、今後の仕事にも役立つためおすすめの方法です。

■2. 昇格・昇給を目指す

社内の地位が上がると、給与に反映されることが一般的です。社内の地位を上げることは、昇格・昇進すること。昇格とは社内ランクが上がることで、昇進とは役職が上がることです。月給16万円から給与アップを目指すためにも、まずは昇格を目指していきましょう。

■3. 副業を始める

政府の方針では、副業を推進するようになっており、特に昨今は副業する人が増えています。月に1~2万程度でも稼ぐことができれば、生活がかなり楽になることでしょう。ただし、会社によっては副業が禁止されている場合もあるため、就業規則をよく確認してから行うようにしましょう。

■4. 転職する

会社内での昇給や副業が見込めないようであれば、長期間低い給与で働くよりも、転職するほうがいい場合もあります。転職エージェントを活用するなどの方法で、より高い月給の仕事を探してみましょう。

  • 月給16万円から昇給するための方法

    ビジネスマンが月給16万円から昇給するための方法

まとめ

月給16万円から天引きされる中で一番金額が大きいのは厚生年金保険料です。それ以外にも健康保険料や所得税・住民税などが天引きされた結果、手元に残る金額が13万円程度になります。

また、月給16万円の場合、生活費として家賃に使えるのは5.5万円程度となり、関東圏であれば東京23区や市部でも駅近物件だと一人暮らしは難しく、シェアハウスや郊外物件を選ぶことがおすすめです。

月給16万円で一人暮らしをする場合には、少々日常生活で我慢すべき場面が出てきます。時間と心の余裕があれば、資格取得や昇給などを目指しながら給与アップを目指していきましょう。