知識・経験が少なく偏った考え方に固執してしまいやすい人を視野の狭い人と言います。反対に視野が広いと言われる人は、世の中にはさまざま考えを持つ人がいることを知っています。そのため他人に対し偏見がなく、考えや意見を受け入れやすいです。
この記事では、視野が狭い人の特徴について触れ、その性格を改善する方法などをご紹介していきます。視野が狭い性格なのかを知りたい人、性格を直したいと思っている人は参考にしてみてください。
「視野が狭い」の意味とは
「視野が狭い」とは、思考の幅が狭いことを意味する言葉です。「新製品が消費者に受け入れられなかったのは、プロジェクトに関わった人たちの視野が狭かったことが原因だ」といったように、マイナスの意味で使われます。
「視野が狭い」の類語
「視野が狭い」と似た意味を持つ類語には、「見識が狭い」「既成概念にとらわれる」「近視眼的」などが挙げられます。いずれも思考の幅が狭いことを表す言葉です。
また、「表面的に」「先入観」「考えが浅い」なども物事の一部分しか見えていない・考えられていないという意味を持つので、視野が狭いと同じような意味合いで使うことができます。
視野が狭い人の特徴
視野が狭い人は周りの状況に気づけず、自分の意見に固執した結果、人の気持ちを無視してしまう傾向にあります。一方向からしか物事が見えないので、多様な解決方法に気づきにくいでしょう。
以下に視野が狭い人に見られる代表的な特徴をまとめてみました。これらの特徴に多く当てはまる場合は、改善を心がけたほうがよいでしょう。
(1)目先のことしか考えられない |
(2)いつも自分が正しいと思っている |
(3)新しいことに挑戦しない |
(4)こだわりが強い |
(5)自分の知識がすべて |
(6)他人の話を聞くのが苦手 |
(7)理想論を展開する |
(8)トラブルに対応できない |
ここからは一つひとつの特徴を具体的に見ていきましょう。
目先のことしか考えられない
視野が狭い人は、現在の状況にとらわれて、それだけに心が奪われてしまいます。「少し時間が経てば状況が変わるかもしれない」と、可能性を思い浮かべることができません。
また、長期的なものの見方をすることもできないため、目先の利益に惑わされやすいでしょう。視野が広い人は目の前のことだけでなく、過去から未来のことまで長い目で物事を見ています。
いつも自分が正しいと思っている
視野が狭い人は他人の意見を聞き入れられず、親切なアドバイスなども受け入れられません。自分の主張が通らないと不機嫌になるケースもあるでしょう。
今までの自分の経験に固執するため、他のよいアイディアを認めることが苦手です。間違っていると指摘されると自分を正当化しやすいのも、視野が狭い人の特徴と言えるでしょう。
新しいことに挑戦しない
視野が狭い人は考え方が凝り固まっているために、新しいことを積極的に取り入れることが苦手でしょう。
視野の広い人はいろいろなことに好奇心を持ちます。そして、チャレンジを繰り返すことで新たな見地を手にします。視野の広い人が好循環を繰り返す一方で、視野の狭い人は反対の悪循環に陥っていると考えられるでしょう。
こだわりが強い
視野が狭い人は昔ながらの慣習といったものにこだわってしまい、そこから抜け出すのが苦手な人も多いでしょう。
固定観念にとらわれていると、自由な発想ができません。また、従来のシステムを変えることに強い抵抗感を抱きます。1つの考え方をかたくなに信じているため、融通が利かず、仕事の面でもマイナスに作用してしまう場合があります。
自分の経験や知識がすべて
視野が狭い人は自分の持っている知識がすべてなので、発展性のある考え方ができません。「以前やって成功したから今回も大丈夫だろう」というような考え方で物事に当たるため、トラブルになってしまう場合もあります。新しい状況に対応するのが苦手であるとも言えます。
一方で視野の広い人は、何かを判断する際の材料として、他人の意見や周囲の状況を加味します。柔軟な考え方ができるとも言えるでしょう。
他人の話を聞くのが苦手
視野が狭い人は他の人の価値観を尊重し、理解するのが苦手な傾向にあります。
自分の意見にこだわる場合が多いので、周りの人には批判的な目で見られることもありますが、それに気づくことも難しいため、コミュニケーションに問題が起きる事態もあるでしょう。
理想論を展開する
物事に当たるときに「理想」は大切です。しかし、現実では理想通りにいかないことが多いのも事実です。
理想通りにいかないとわかったときに、視野の広い人は軌道修正が可能です。より現実的な方法を模索して、あらためて物事に取り組みます。しかし、視野の狭い人は苦手な傾向にあります。実現不可能な理想論ばかりを展開するため、物事が膠着状態に陥ることもあるでしょう。
トラブルに対応できない
視野が狭い人はトラブルに対応するのが得意ではありません。視野が広い人は、事前にさまざまな可能性を検討してシミュレーションをしておきますが、視野の狭い人は限られた範囲でしか予測することができません。
そのため、予想外のことが起きたり、トラブルが発生したりした場合には焦ってしまいます。一度焦ってしまうとさらに冷静さを欠き、周りが見えなくなるためさらに事態を悪化させる可能性もあるでしょう。
視野が狭い性格のデメリット
日常生活を送るうえでも社会人として活動するうえでも、視野が狭いということはマイナス面が目立ちます。具体的にどのようなデメリットがあるのかを把握しておきましょう。
失敗につながる可能性がある
自分の意見が正しいと思い込み、客観的に物事を見ることができないため、ミスをしやすくなります。他者の意見を聞かない場合は軌道修正が難しくなり、同じミスを繰り返す可能性も考えられます。
視野が狭いと自覚している人は、まず自分とは異なった人の意見に耳を傾け、複眼的な視点を取り入れるようにしましょう。
周囲とトラブルになりやすい
それがどんなに善意からのものであっても他者からの意見を受け入れない傾向が強いため、人と対立しやすくなってしまいます。
自分が正しいと思い込むことも多く、その結果、周囲と衝突して仕事に支障が出る可能性もあります。周りの協力を得るためにも、他者への想像力を働かせるなどして改善しましょう。
視野を広げる6つの方法
視野が狭い人は、さまざまな側面から物事を考えることができないため、なにかトラブルが起きた際に臨機応変に対処することが難しいです。物事を柔軟にとらえ、予想外の事態が起こっても対応できる能力を身につけるためにも、ここからは視野が狭い性格を改善する方法を解説します。
さまざまな分野から情報を集める
物事を多角的に考えるために必要なのは、多様な知識や情報です。ビジネスの問題を解決する場合でも、専門的な知識だけでなく、政治や時事、ITの知識などがあればより多くの視点から観察・分析が可能です。
また、ニュースソースを1つに限らないことも重要です。公平と思われる情報源も、比べるとその内容に違いがあります。多くの媒体に触れることで、フラットな考え方を手に入れられるでしょう。
今までと違う環境に身を置き、新しいことにチャレンジする経験は、今までと違ったものの見方を提供してくれるでしょう。
「人間関係を見直してみる」「行ったことのない場所に行ってみる」「新しい趣味を持つ」など、なんでも構いません。今までと違う環境は知識を増やすだけでなく、自分を見直す機会にもなるのではないでしょうか。
本はジャンルを問わずに読む
読書は、視野を広げるための簡単な方法とも言われています。著名なビジネスリーダーの書いた本を読めば、その人の思考回路が覗けます。自分と違う考え方を知ることは視野を広げることにつながります。
また、ジャンルを問わずに読むことも大切です。さまざまな分野の本を読めば、それまで知らなかった新しい知識や物の見方に触れることができるからです。
物事を見る視点を変える
視野が狭いと感じている人は、まず現在のことだけでなく、過去を振り返ったり、未来を想像したりします。別の時間軸から対象を眺めることで新しい発見をすることが可能になるでしょう。
また、自分を外から見てみることも大切です。客観視できるということは、複眼的な視点を手に入れているということです。さまざまな立ち位置から見ることを心がけましょう。
答えがいくつもあることを理解する
視野が狭い人は、正解は1つだけだと思い込みがちですが、現実の生活では正解が複数の場合もあります。答えは1つとは限らないことを理解しましょう。
視野が狭いと、自分が考える正解を唯一無二のものだと思い込んでしまいます。しかし、別の複数の答えがどれも間違っていないというケースもありえます。1つの考え方にこだわらず、他の可能性を認めることで視野が広がるでしょう。
否定をやめる
視野が狭い人は、相手の意見が受け入れられないものである場合にすぐに否定しがちですが、まずは相手の話に耳を傾けましょう。否定から入ってしまうと、話し合いはそこで終了してしまいます。
ジャッジするのは少し待ち、自分とは異なる意見でも最後まで聞くことが大切です。意見がある場合は、話を聞いた後で表明するようにしましょう。
視野が狭い性格を改善しよう!
社会人に求められる資質のひとつに、周囲を観察し柔軟に対応できる能力が挙げられます。しかし、視野が狭いと1個の考え方に固執しがちで、周りともトラブルを起こしやすくなってしまいます。
他の人とチームで仕事をするうえで、視野が狭いことは不利になってしまうことが多いです。今回ご紹介した改善方法を、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。