メモリアルアートの大野屋は9月16日、お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査の結果を発表した。調査期間は2020年4月22日~5月31日、調査対象は2014年1月~2019年12月に同社でお墓の引っ越し(改葬)を行った人(関東・関西)、有効回答は496人。

移転費用は減少傾向

  • 一般墓地の平均金額比較

厚生労働省「衛生行政報告例」によると、改葬件数は、2009年には7万2,050件だったが、2018年には11万5,384件と、約10年間で約1.6倍に増加している。今回、改葬を行った人に引越しを考えた理由を尋ねたところ、「墓参りの身体的負担が大きい」が301件でトップ。次いで「将来、子や孫にお墓の維持管理の負担をかけたくない」が267件、「お墓を守ってくれる人がいなくなった」が117件となった。

移転元は「寺院墓地」(167件)、移転先は「宗教不問の民間霊園」(311件)が、それぞれ最多。また、何を移転させたか聞くと、「遺骨のみ」が62%、「遺骨と墓石」が31%となった。

お墓の移転で苦労したことでは、「行政手続き」(176件)と「移転先の墓地選び」(171件)の2つが170件を超え、次いで「お寺との調整」(100件)、「遺骨の移動」(89件)と続いた。

移転費用については、移転先墓地形態が「一般墓地」の場合、平均281.7万円で、2014年調査(299.5万円)から17.8万円減少した。なお、2020年の改葬における全体の平均金額は275.2万円だった。

移転後のお墓参りの回数については、59%が「増えた」と回答し、回数は年間5回が48人、12回が41人だった。同調査では、「移転理由が『身体的負担』『交通の便』ということだったため、お墓の環境が改善されると、行く回数が増えるようだ」と分析している。